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2009年12月 1日 (火)

キリンの首とゾウの鼻(1) キリンの首はなぜ長い?

動物園でもサバンナでも、眺めていると「不思議な動物だなー」と思う
動物がいます。

その1つがゾウ。
子供の頃から親しまれている動物の1つなので、鼻が長いその姿を
見慣れているし、それが特徴だとアタマにインプットされているので、
普段はゾウを見ても不思議には思わないですけれど…

よくよく考えてみると、ゾウの鼻の長さはちょっと異様です。
もし、ゾウというものを知らないで突然ゾウに出会ったら、たぶん
ビックリして逃げ出してしまんじゃないか、と思うのです。

そしてもう1つ「不思議だな」と思う動物…それはキリンです。

ゾウと同じように、子供の頃から親しまれている動物の1つなので、
首が長いことがアタリマエのように思っていますが、これまたゾウと
同様にキリンの存在を知らずして突然出会ったら…

たぶん「恐竜か!?」とビックリして腰を抜かすのではないでしょうか。

さて、今回はそんなキリンのお話です。

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【マサイキリンの親子】撮影地:マサイマラ国立保護区(ケニア)
「キリンさん、お首が長いのね」「そうよ、かあさんも長いのよ」

キリンは、各地の動物園でもよく見ることができる動物の1つ。
子供が真っ先に覚える動物の1つでしょう。それは首が長いという、
他の動物にはない、わかりやすい特徴を持っているからでしょう。

もちろん、キリンはもっとも背が高い動物で、首だけでなく脚も長く、
その体の高さは5m以上にもなります。

なぜ、そんなに背が高いのか。

すぐに思いつくのが「進化の結果」です。

キリンはアフリカのサバンナに住む草食動物ですが、サバンナには
キリンの他にも多くの草食動物がいます。それはつまり、草を食べる
「生存競争の相手」がたくさんいるということです。

キリンの祖先は、その化石から首が短かったことがわかっていますが、
突然変異で現れた首の長い個体が、他の草食動物が食べられない
高い木の葉を食べるのに有利で生き残り、その結果、キリンの首が
長くなった、というのが「自然淘汰」を基本とする進化論の説です。

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【高い木の葉を食べるアミメキリン】撮影地:メルー国立公園(ケニア)
まさにキリンの首は木の葉を食べるために有利であることがわかります。

ただ、この進化論をベースにした説には大きな疑問があるのだそうです。

というのも、もしキリンの首が長いのが「進化の結果」であるならば、
キリンの祖先の「首が短い」キリンと現在の「首の長い」キリンとの間に、
「中途半端な首の長さ」のキリンが存在するはずなのです。

ところが、いまだに「中途半端な首の長さ」のキリンの化石が1つも発見
されていないのです。

もし、本当に「中途半端な首の長さ」のキリンが存在しないとすれば…?

そこで現れたのが「ウィスルス進化説」です。

簡単に説明すると、「ウィルスがキリンの遺伝子に『首が長くなる』という
影響を与え、その結果キリンの首が長くなった」というものです。
ウィルスの影響だなんて、にわかに信じられないですが、よく考えてみると
「中途半端な首の長さ」のキリンがいない、という事実以外にも「ウィルス
進化説」だと納得できることがあります。

首が短い草食動物は現実的にはたくさんいるワケで、それらは現在も
サバンナでちゃんと共存しています。
つまり、キリンの首が果たして長くなる必要が本当にあったのか…
さらに言えば、もし、キリンの首が長くなったのが「進化」であるならば、
他にも首が長くなった動物がいてもおかしくないハズです。

なぜ、キリンだけ首が長くなったのか?
ウィルス進化説だと、そのあたりも説明がつくんですね。

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【アミメキリン】撮影地:サンブール国立保護区(ケニア)
マサイキリンと比べると、体の模様がだいぶ違います。

もっとも、この「ウィルス進化説」というのは科学的学説としてはまだ
立証・認知されているものではないようで、あくまでも「諸説」の域を
出ていないようですが、自然科学について素人の私からしてみれば、
妙に説得力がある「説」のように思えてなりません。

まぁ、そうした諸説はどうであれキリンの首はとっても長いのは事実。
長い首は「木の葉を食べることができる」という利点があるだけでなく、
他の動物よりも遠くを見ることができる、という利点もあります。

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【ライオンとにらめっこ】撮影地:マサイマラ国立保護区(ケニア)
「あー、見つかっちゃったー」というライオンの声が聞こえてくるようです。

キリンにとって、「首が長いこと」はいろいろと利点もあるようですが…

サバンナで見るキリンは、脚の長さと首の長さから、とっても優雅です。
悠々とサバンナを歩いていくその姿はとても美しく、壮大なサバンナの
雄大な時の流れを感じます。

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【花畑のマサイキリンの家族】撮影地:マサイマラ国立保護区(ケニア)
サバンナでは時おり、こうしたキリンの家族に遭遇することがあります。

そして、その姿が夕陽の中にあると…
とても素晴らしい光景を描き出してくれます。

以前に書いた「ケニアのイメージって…」の記事の中で、「私は、この美しい
夕景に出会いたくてマサイマラに来ていると言っても過言ではありません」と
書きましたが、夕陽の中の最も美しく映える動物は何といってもキリンです。

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【夕陽の中を歩くキリンの親子】撮影地:マサイマラ国立保護区(ケニア)

進化論であれ、ウィルス進化説であれ…

こんなに優雅で、美しい姿の動物がこの地球上にいるという事実だけで、
私はとても幸せな気分になります。


※さらに、キリンの首が長いことにまつわるお話があります。
 「サバンナの風に聴く(9) キリンの首は長いけど…

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