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2010年2月

2010年2月28日 (日)

サバンナの風に聴く(7) BIG FIVE

アフリカでサファリをしていると、「Big Five」という言葉を耳にします。

Big Fiveとは「ライオン」「ゾウ」「サイ」「バッファロー」「ヒョウ」の5つの
動物のことを指しています。

「キリン」や「カバ」が入っていないことから、Big Fiveが「大型の動物」を
意味するものではなく、また、サバンナでは見ることが珍しくはない
「ゾウ」や「バッファロー」が入っていることから、「なかなか見られない
動物」という意味でもありません。

Big Fiveとは、「五大動物」という意味なのです。
これはかつて「サファリ」が「ハンティング(狩猟)」を意味していた頃の
名残りで、その対象として「大物」とされた5つの動物を意味します。

もちろん、今は野生動物をハンティングすることは厳しく禁止され、
「サファリ」とは「動物を見ること」を意味しています。
(もともと、「サファリ」とはスワヒリ語で「旅」という意味です) 

【Big Five No.1 ライオン】
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ライオンのオス(ケニア・マサイマラ国立保護区)

Big Fiveの中でもダントツの人気なのが、このライオンでしょう。

まさに百獣の王の名に相応しく、特にオスライオンは何度会っても
その堂々たる風格、美しさに見とれてしまいます。

特に早朝や夕方の斜光の中では、たてがみが柔らかな光を含み、
とってもフォトジェニックになります。

ただ、サファリでオスライオンに出会うチャンスは決して多くはなく、
滞在期間中に一度も出会えなかったこともありました。

また、たとえ出会っても…

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ゴロ~ン(ケニア・マサイマラ国立保護区)

「百獣の王が、そんなコトで良いの?」と思うような、こんな姿に
出会うこともよくあります。いや、むしろ、その方が多いかも…。

【Big Five No.2 アフリカゾウ】
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アフリカゾウ(ケニア・サンブール国立保護区)

動物園でも馴染みがあるゾウですが、広いサバンナの中で見る
野生のゾウには、やはり野生の風格があるように思います。

サバンナで、一頭で悠々と歩いている、ひときわ大きなゾウに
遭遇することがあります。これはおとなのオスで、その姿は
まさに「陸の王者」。一頭だけでも、圧倒されるほどの迫力です。

いっぽう、ゾウの群れに出会うこともあります。

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アフリカゾウの群れ(ケニア・アンボセリ国立公園)


群れを形成しているのはメスと小さな子供たちが中心。
群れは母系家族で、、祖母、母、娘と子供たち…といった構成です。
オスは成熟すると群れを離れ、単独で行動するようになります。

ゾウの足の裏側は柔らかく、歩いていても足音がしません。
こんなに巨大な動物が、サバンナを無音で歩いていく光景は、
見ていてもとても不思議なものです。


【Big Five No.3 クロサイ】
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クロサイ(ケニア・マサイマラ国立保護区)

立派な角が特徴のサイも、サファリで人気がある動物です。
その立派な角を持つがゆえに、ハンティングの対象となり、
野生のサイは個体数が激減してしまいました。

野生のサイはアフリカだけでなく、アジアにも分布しています。
アフリカで見られるサイは「クロサイ」と「シロサイ」の2種類で、
「Big Five」でのサイは「クロサイ」を指しているようです。

ただ、クロサイはシロサイに比べると個体数が3分の1程度と、
遭遇する確率が非常に低く、私自身もこの10年間で数回しか
出会ったことがありません。

そのため、サファリでは「Big Five」を拡大解釈し、私の場合は
シロサイに出会えたらカウントの1つとするようにしています。

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シロサイ(ケニア・ナクル湖国立公園)

「シロサイの方がクロサイよりも野生の個体数が多い」とはいえ、
シロサイも個体数が多いというわけではなく、また角を目当てに
未だに密猟が絶えないことから、絶滅の危機にあるという点は
クロサイと同じ状況です。

「クロサイ」と「シロサイ」、その名前の由来には面白い逸話が
あるのですが、それはまたの機会にお話することにしましょう。

【Big Five No.4 バッファロー】
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アフリカンバッファロー(ケニア・ナクル湖国立公園)

バッファローは、サバンナでも比較的よく見られる動物です。
大きな群れで生活をしており、私自身も数百頭はいるだろうと
思われる群れに遭遇したことがあります。

サバンナでは、決して珍しい動物ではありませんが、巨大な体と
特徴的な角のためか、ハンティングの際の「Big Five」とされて
いたようです。

このバッファロー、実は「サファリのときに最も気をつけなければ
ならない動物のひとつ」に挙げられています。
「ウシの仲間だから」と思って不用意に近付くと、闘牛のごとく攻撃を
してくるからです。

クルマでサファリをしている時は、それほど危険ではないのですが、
ナクル湖国立公園のように、クルマから出て撮影しているときに
バッファローにバッタリ出会うと、かなり緊張します。

実際、チーターやヒョウではバッファローを仕留めることは難しく、
ライオンでさえも、反撃されると命を落とすことがあるようです。

そんなバッファローですが、湖畔で水浴びをしたり、サバンナで
草を食む姿はとてもノンビリしていて、表情豊かな動物です。

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なんだよー、怖がるなよー (ケニア・マサイマラ国立保護区)

その表情の豊かさゆえに、バッファローに出会うと、ついつい
写真を撮るのに時間を費やして、長居をしてしまうのです。

【Big Five No.5 ヒョウ】
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ヒョウ(ケニア・マサイマラ国立保護区)

「Big Five」最後のご紹介はヒョウです。

いわゆる「ヒョウ柄」の美しさだけでなく、毛並みも美しいことから、
ヒョウもハンティング対象の「大物」とされていたのでしょう。

ヒョウはよくチーターと間違われますが、よく見ると体格も模様も
だいぶ違うことがわかります。
(ヒョウとチーターの違いについてはコチラをご覧下さい!)

ヒョウはサファリで見つけにくい動物のひとつ。
見晴らしの良い草原にいるライオンやチーターとちがい、木登りが
得意なヒョウはブッシュの中や、木の上にいることが多いためです。

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木の上から周囲を眺めるヒョウ(ケニア・ナクル湖国立公園)

見つけにくいぶん、またその美しい姿がゆえに、出会えたときは
非常に嬉しいもので、もう夢中でシャッターを切ってしまいます。

しかし、猫にもっとも近い(?)のもこのヒョウで、とっても気まぐれ。
見つけても、ふいっと姿を消してしまったり、逆にいつまでもそばに
いてくれたり…それがまた、ヒョウの魅力なのかもしれません。

「Big Five」のそれぞれの動物たちについては、またの機会に詳しく
お話しようと思います。今回は、「Big Five」に登場する動物たちの
簡単なご紹介、ということで…

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サバンナの風の中で…

Big Five

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2010年2月24日 (水)

ふたたび、長崎バイオパーク(3) カピバラの露天風呂は今日も盛況(2日目)

ここのところ、長崎バイオパークのお話ばかりで恐縮ですが、
この2月に訪れた時の話題に、もう1回だけお付合いのほどを…

大荒れの天気だった前日の長崎バイオパーク。
翌日の午前中は少し晴れ間ものぞき、まずまずの天気…ということで。

再びバイオパークへ向かいました。
向かう途中も太陽が出たり、曇ったり…天気はめまぐるしく変わります。
でも、どうやら雨の心配はなさそうで、ひと安心。

バイオパークに到着し…

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こら~!昨日はフラミンゴを素通りしたでしょ~(怒)!!

…と、フラミンゴに怒られ、

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なんか、このブログの進行、いつも同じパターンじゃない?

…と、ケニアではお馴染みのエジプトガンに文句を言われながら、
開園直後で人も少ない園内をトコトコと歩いていきました。

長崎バイオパークは、園内の随所にエサの自動販売機があって、
動物たちに直接エサをあげることができます。
(自動販売機といっても、実は「ガチャガチャ」なのですが…)

中でも強烈なのが、順路の最後の方にある「リスザルの森」。
リスザルやキツネザルがいるケージの中に私たちが入っていき、
そこでエサをあげることができる、というものですが…

「エサちょーだい!」と猛烈にアピールしてくるリスザルたちに囲まれ、
いや、ほとんど「襲われ」て、肩や腕、頭の上に乗っかってきて、
下の写真のように、さながら「サルが実る木」のような状況に…

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リスザルに襲われても、カメラマンたるもの不動で…どころじゃナイ!
(昨年12月に訪れたときに、同行者が撮影してくれたものです)

カピバラの広場にも、カピバラたちの「おやつ」の自動販売機があり、
エサをあげることができます。

その自動販売機から「おやつ」が出てくるのを知っているのか、
自動販売機の前で粘っているカピバラが1頭いました。

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誰か、おやつを買ってくれないかなー

この時は、カピバラのみなさんはまだ朝食の時間で…

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キャベツを食べて胃を丈夫にしなくちゃ~

と、キャベツをバリバリと食べているカピバラがいたり…

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ベータカロチン、取らなくちゃね。

ボリボリ、美味しそうな音をたてながら、ニンジンをかじっている
カピバラがいたり…と、あっちこっちでムシャムシャやっていました。

さて、そんな中で、自動販売機の前のカピバラは、というと…

やはり、じーっと自動販売機の前に座ったままです。

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だれか、おやつを買ってちょーだい!!

…と、なにげに自己アピール中。

しかし、あまりに堂々とアピールするものだから、周囲の人たちも
ちょっと怖がってしまい、なかなか買ってくれません。

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んじゃ、誰か100円ちょーだい!!

ホントに100円玉をあげたら、自分で買いそうな勢いです。

結局、いつまでたっても買ってもらえなかった、このカピバラは…

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うーむ、今日のお客さんは、いまいちノリが悪いなぁ…

ということで、あきらめてこの場所を離れていきました。

さて、この日の午後からの露天風呂も盛況で、12時の開店早々、
昨年11月生まれの「かん太」くんをはじめとして、打たせ湯ファンの
常連さんたちが打たせ湯を楽しんでいました。

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真ん中が「かん太」くんです。すっかり打たせ湯の常連さんです。

よ~く観察をしていると、カピバラたちは「打たせ湯派」「湯船派」、
そして両方を楽しむ「贅沢派」に分かれているようです。
「贅沢派」は、最初は湯船に浸かり、体が温まってのぼせてくると、
打たせ湯にやってくる…と、まるで人間たちの温泉と同じですね。

「打たせ湯派」は、最初から打たせ湯を楽しんでいます。
それぞれに、露天風呂の楽しみ方があるようで、楽しいものです。

「打たせ湯派」のかん太くん、打たせ湯を浴びる姿は一人前ですが、
まだまだ子供で立場が弱く、おとなたちのプレッシャーに耐えながら
打たせ湯を浴びています。

となりのカピバラが伸びをして、おおあくびをしても…

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かん太:「…」

となりのカピバラに、頭を乗せられても…

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かん太:「・・・、・・・」

かん太くんは、ポジションを変えずにひらすら浴びています。
この調子で行くと、かん太くんが、来年の露天風呂シーズンには、
どのような浴びっぷりをみせてくれるのか、とても楽しみです。

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今年の露天風呂は、2月28日までですよ~!

年間パスポートも買ったことですし…
今年もまた12月の冬至の頃に、露天風呂に入るカピバラたちに
会いに来ようと思っています。

さて、先日訪れた埼玉県こども動物自然公園でカピバラのTシャツを
買った私ですが、今回の長崎バイオパークでも購入してみました。

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長崎バイオパークのカピバラTシャツ

埼玉県こども自然動物公園のもと比べると、バイオパークの
Tシャツは「かわいいキャラ系」ですね。
柄が小さいので、ちょっとクローズUPしてみると…

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こんな感じのデザインです。

後ろから、子供カピバラが駆けてきている姿がカワイイですね。
実際のカピバラ広場でも、同じような光景を見ることができます。

カピバラの露天風呂、また来シーズンも見に来ようと思っています!

【カピバラ関連記事はコチラ】
カピバラが行く(1) カピバラの湯
カピバラが行く(2) カピバラとお友だちになろう
カピバラが行く(3) 長崎バイオパーク特別編
カピバラが行く(4) 埼玉こども動物自然公園編
ふたたび、長崎バイオパーク(1) カピバラ露天風呂は今日も盛況(1日目)
雪の動物園 秋田市大森山動物園(雪の中で遊ぶカピバラもいますよ!)

 

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2010年2月20日 (土)

ふたたび、長崎バイオパーク(2) 「お母さんのポケット」続編

昨年12月の冬至に、「ざぼん湯」に浸かるカピバラと会うために、
長崎バイオパークを訪れた際に、お母さんのポケットにすっぽり入った
オオカンガルーの子供を見つけました。(その時のブログはコチラ

今回の長崎バイオパーク訪問では、そのオオカンガルーの子供と
再び会うのも、楽しみのひとつでした。

大荒れの天気だった訪問初日は、カピバラたちの写真を撮るのに
精一杯で、園内の奥にあるオオカンガルー広場までは行けず…

というワケで、そのオオカンガルーの子供に会うために、翌日も再び
長崎バイオパークを訪れてみました。

例によって入園ゲート近くの階段では…

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ムム、何やら背後に気配を感じる…

昨日は泥まみれで迎えてくれたラマくんが、またしてもお出迎えです。

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また来たの~?よく来るねぇ…

昨日はズブ濡れ、泥まみれだったのに、今日はとってもキレイ。
飼育係の方に、ブラシをかけてもらったのでしょうか?
しばらくこのラマくんと遊んだあと、園内中央部の「アンデス広場」に
行きました。

アンデス広場の「トトーラの池」には、コブハクチョウがいます。
このコブハクチョウは、よく岸辺で日向ぼっこをしているのですが…

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なんだよぉー、近付いてくるなよぉー

近付いていくと、「近付くな!」オーラをビンビンに発してきます。

「でも、ハクチョウだから、大丈夫でしょ」と、さらに近付くと…

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んがー!食っちまうぞぉー!!

と、威嚇されてしまいました。いやはや、油断は禁物ですね。

さて、ここでコブハクチョウに怯んでいる暇はありません。
園内の奥にあるオオカンガルーの広場まで、早く行かねば!!

…とは思うものの、途中にはカピバラがいたり、

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あれー?今日はゆっくり寄っていかないの?

コツメカワウソが立っていたり…

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千葉市動物公園のレッサーパンダ「風太」には負けないもん!

足元でマーラが日向ぼっこをしていたり…

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そんなに急いで、どこに行くの~?

悩めるアライグマがいたり…

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う~ん、よくわかんないけど、悩んでいるんだよね…

…と、魅力的な動物たちがたくさんいて、なかなか前に進みません。

ようやく、オオカンガルーの広場に到着して、昨年の12月にはまだ
お母さんのポケットにすっぽり入っていた、あの子供を探してみました。

すると…いた、いた、いました!

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ZZZ…ZZZ…

子供はすっかりと大きくなっていて、お母さんのポケットから体が
半分出たまま寝ています。前回来たときは、まだ細くて華奢だった
脚もずいぶんと立派になっていて、「カンガルーの脚」になってます。

さらに近付いてみると…

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むにゃむにゃ…

前回から2ヶ月ほどしか経っていないのに、ふさふさの柔らかい毛が
はえていて、すっかりと「カンガルーらしく」なっています。

しかし、子供にお構いなしに動くお母さんは相変わらずで…
こんなに中途半端な状態で子供がポケットに入っているというのに、
「よいしょ」と立ち上がってしまい、その拍子に子供がポケットから
ボテっと落ちてしまいました。

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あ~ん、また落とされちゃった…

落とされた子供は、動き回るお母さんの後をヒョコヒョコと…
いや、ピョンピョンとしっかりとジャンプしながら付いていきます。
その姿は、まさに”ミニ”オオカンガルー。

でも、やはりまだ子供なんですね。
お母さんに、まだまだ構って欲しいようです。

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えーん、それ、ワタシが拾った枯葉だよー、おかあさ~ん!

これじゃ、お母さんが子供にチョッカイを出しているみたいですね。

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あーあ、お母さんに枯葉を食べられちゃったよ。

しかし、この子もチャッカリしているもので…

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えへへ、また拾って…食べちゃった!!

…と、おやつ代わりに(?)枯葉を拾って食べていた子供ですが。

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やっぱり、お母さんのこれがイチバンだなー。

お母さんのお乳を飲んでいます。

カンガルーは子供をポケットの中で育てるため、乳首もポケットの
中にあります。なので、お乳を飲むときは頭をお母さんのポケットに
突っ込んで飲むのです。

オオカンガルーの子供は、生まれた時はたった1gの超未熟児状態。
それから、お母さんのポケット(育児嚢といいます)から頭が出てくる
までに約半年かかり、完全に親離れしてポケットに入らなくなるには、
生後約44週間(11ヶ月)かかるそうです。

この子(名前はクララ、メスです)が、お母さんのポケットから初めて
顔を出したのが昨年12月初旬とのことなので、計算すると…
今年の3月くらいまでは、お母さんのポケットから出たり入ったりする
姿が見られそうです。

そして、そのクララは…

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モゴモゴ…モゴモゴ…

あらら、またお母さんのポケットに入ってしまいました。

こんなに大きな子供が、お母さんのポケットに入るのを見ると、
「いったい、お母さんのポケットはどのくらい大きいの!?」とか、
「お母さん、重たくないのかなぁ」と思うのですけど…

でも、お母さんのポケットは、クララにとってまだまだ「ゆりかご」で、
「この世でいちばん安心できる場所」なのでしょうね。

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もうちょっと、お母さんのポケットにいたいな。

クララがお母さんのポケットで夢を見ることができるのも、あと1ヶ月。
楽しい夢を、たくさん見てくださいね!

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2010年2月17日 (水)

いつも一緒だね(2) ボタンインコとヤギ(長崎バイオパーク)

私のお気に入りの動物園のひとつ、長崎バイオパークの真ん中に
「アンデス広場」という広場があります。

そこでは、ヤギが放し飼いになっていて、一緒に遊ぶことができます。

先日、長崎バイオパークを訪れたときは、あいにくの雨で訪れる人も
少なく、アンデス広場も閑散としていました。普段は子供たちの相手で
忙しい(?)ヤギたちも、この日は手持ち無沙汰という感じで…

そんなヤギのところに、ボタンインコが遊びに来ていました。

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あいにくの雨で、今日は静かだねぇ…

このボタンインコたちは、ヤギたちがいる広場の横の「ペットハウス」
という施設から、お散歩がてら(?)遊びに来ていたのです。

「飛んで逃げたりしないのかなぁ」と思って眺めていたのですが、
飛びはするものの、ペットハウスとヤギの広場の柵のあいだを
行ったり来たりするだけで、遠くへ飛んでいく様子はありません。

柵に止まっているボタンインコのところに、ヤギがやってきました。

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ねぇねぇ、今日もまた遊びに来たの?

ヤギは柵に止まっているボタンインコに興味津々の様子。
じーっと見つめて、さらに近付いてきました。

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ねぇねぇ、飛ぶのって、気持ちいいの?

ボタンインコは、近付いてくるヤギを怖がる気配もありません。
どうやら、ボタンインコは時々こうして飛んで来るらしく、
きっとこうしてヤギと一緒にいることが、よくあるのでしょう。

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ねぇねぇ、ゴハンは何を食べてるの?

ボタンインコも、語りかけてくるようなヤギの存在が気になる様子。
飛び立ってペットハウスに戻ろうか、戻るまいか迷っている感じです。

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ねぇねぇ、また遊びに来てね!

ペットハウスのお姉さんの呼ぶ声に、ボタンインコは羽ばたいて
戻って行ったのでありました。

ところがまた、スグに柵のところに戻って来て…

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こんどは、ヤギさんの背中に乗ってみようかな!

そうだね、それはいい。
きっとヤギさんは、君を背中に乗せて、得意げに広場の中を
歩いてくれると思いますよ。

 

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2010年2月15日 (月)

ふたたび、長崎バイオパーク(1) カピバラ露天風呂は今日も盛況(1日目)

昨年12月の冬至の頃、カピバラが「ゆず湯」ならぬ「ざぼん湯」に入る
ということで、長崎バイオパークに行ってきたばかりだというのに…

またバイオパークの動物たちに会いたくて、長崎まで飛んでみました。

前回訪れてから、まだ2ヶ月。チビッコカピバラの「かん太くん」や、
お母さんのポケットに入っていたオオカンガルーの子供との再会が
とても楽しみでしたが…

ところがバイオパーク訪問1日目は、大荒れの天気。
前線通過の影響で、時おり横なぐりの雨が降ったり止んだりする、
不安定な天気となりました。

「せっかく長崎まで来たのになぁ…」

でもここで、ひるんでいる暇はありません。雨だろうが嵐だろうが
「行くしかない!」ということで、クルマのワイパーが利かないほどの
大雨が時おり降る中を、長崎バイオパークに向かったのでした。

この2ヶ月で延べ4回の訪問…だったら前回、年間パスポートを
買っておけば良かった。でも、この調子だったら、たぶん年内に
また来るだろう…ということで、今回は年間パスポートを購入。

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長崎バイオパークの年間パスポート、3400円なり。
(ちなみに1回の入園料は1600円→3回来れば元が取れる!)
カピバラファンなら、欲しくなるカードです。


事務所で購入申込書を書いていたら、「はぁ、この嵐の中を東京から
わざわざ来なすった?さらに年間パスポートを購入されるとは…」と、
係の方にちょっと驚かれましたが。

でも、いいんです、私はここの動物たちが大好きですから!
はい、何度でも来ますよ。東京からだって、どこからだって!

ということで、小雨模様になった間隙をぬって、いざ入園です。

するとさっそく…

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また来たの~?遊ぼうよ~!

前回来たときは、このラマくんはたしか「アンデス広場」にいたはず…
今回は入口近くの階段の途中で、ズブ濡れ、泥まみれになりながら、
お出迎えをしてくれました。

いつもなら、彼の頭を撫でて一緒に遊ぶのですが、さすがに今回は
ちょっと遠慮しておきました。

さて、ラマくんがいた階段を登ると、熱帯の植物や蘭が咲き乱れる
「フラワードーム」という温室があり、その中にインドオオコウモリが
いつも迎えてくれます。

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また来たの~?よく来るねぇ…

このインドオオコウモリ、観察しているととっても面白いんですが、
それはまた別の機会にご紹介することとして、先に進みましょう。

フラワードームを抜けて少し歩くと、フンボルトペンギンに出会います。

実はこの長崎バイオパークのフンボルトペンギンは、今年の1月に
たいへんな災難に遭いました。その災難とは…ニュース等でも報道
されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
なんと、このペンギンが不心得者により「誘拐」されてしまったのです。

誘拐犯は、ペンギン1羽を大胆にもキャスターバッグに入れて(!)
園内から持ち出そうとしたところを、「動物が盗まれるかもしれない」
という事前情報が入り、警戒していた警察官に逮捕されました。

「人と動物たちとの距離が近い」という長崎バイオパークの特徴を
逆手に取った犯行…さらに犯人は「ペットショップ店長」だそうですから、
なおさら許せません。

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知らない人に、付いて行っちゃいけないんだって!

そんな事件があったにもかかわらず、来園者を信頼して従来通りの
展示方法を維持してくれているバイオパークには、敬意を表します。

さて、雨が降る中をさらに歩いていくと「アンデス広場」です。

前回来たときは、私のカメラに興味津々、近付いてきて離れなかった、
ラマの子供がこの広場にいたのですが。

今回も、やはりいました!

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あれ~?また来たの~?

今回も興味津々の様子で、私のカメラをしきりに気にしています。

面白かったのは、この子がカワイイので「携帯の待受け画面に」と
思って、携帯のカメラを向けると…この子はプイっと外を向いて、
カメラ目線をくれないのです。一眼レフだとこっちを向いてくれるし、
「これ、なに?」と、レンズをのぞきこんだりしてくれるのですけど。

たぶん、「きゃー、カワイイ!」と、携帯電話をこの子に向けて
撮る人があまりに多いので、飽きちゃったのでしょうね。

さて、この「アンデス広場」を抜けて丘をあがっていくと、ようやく
カピバラたちがいる場所に出ます。

この日は雨が降ってはいたものの、気温が高くて「露天風呂に
入ってくれるのかなぁ」と心配していました。
前回来たときも、2日間の撮影のうち1日は陽射しが暖かく、
カピバラたちが露天風呂にあまり入ってくれなかったからです。

カピバラ広場に行ってみたところ…露天風呂はまだ営業開始前
だったのですが、なんと、露天風呂ではなく、夏場にカピバラが
水浴びを楽しむ池で、カピバラが泳いでいるではありませんか!

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今日は暖かいから、泳ぎ日和だねー

カピバラはネズミの仲間なのに、泳ぎが得意で水が大好き。
でも、南米のパンパと呼ばれる温暖湿潤草原にいる動物なので、
本来は寒さに弱い動物です。

「カピバラがお風呂に入る」というのは、カピバラのそうした習性を
生かしたものなので、暖かければお風呂ではなく、池に入っても
不思議ではないのですが…

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昨年11月生まれの「かん太」くんも、立派に泳いでいました。

しかし、今回は露天風呂に入るカピバラたちを期待して来ただけに、
池で泳ぐ姿を発見したときは「ありゃ、今日はダメなのかな?」と、
なかばあきらめてしまいました。

しかし、露天風呂の営業開始時刻である午後12時になると…
とりあえず、お風呂好きのカピバラが一頭、さっそく湯船へ。

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あれー?今日の露天風呂はガラ空きだなぁ。

やはり暖かいためか、なかなか露天風呂に集まってきません。

…というワケで、「一番乗り」でお風呂にやってきたこのカピバラは、
バイオパークのカピバラたちに人気の「打たせ湯」を独り占めです。

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うーん、たまりませ~ん

出ました!脳天直撃打たせ湯!!

この浴び方は、前回のブログでも紹介した「熱狂的」な打たせ湯ファン
の浴び方です。今回もまた、修行僧が滝に打たれるがごとく、頭から
打たせ湯を浴び始めたのでした。

そして、しばらくすると「かん太」くんもやってきて…

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ボクも、この脳天浴びが好きなんだよねー

…と、かん太くんも頭から打たせ湯を浴び始めました。

前回、昨年の冬至にこの露天風呂を訪れたときは、かん太くんは
たしか大人しく湯船に浸かるだけだったような気がするのですが…

どうやら、他のカピバラたちが頭から浴びるのを見て、この浴び方を
おぼえたようです。

さて、こうして撮影をしている時に、ふたたび横なぐりの雨が降って
大荒れの状態になってきました。露天風呂の場所には屋根があり、
そこにいると雨に濡れないので、さらに撮影を続けていると…

三々五々にカピバラたちが集まってきて、湯船に浸かり始めました。

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やっぱり、お風呂は気持ちイイねー

また一頭、また一頭と、どんどんと露天風呂に集まってきて、
最終的にはこんな状態に!

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まさに「芋を洗うような」状態…今日も露天風呂は盛況です

たまたまそばにいた飼育係の方が、「こんな状態は初めて」と
言うくらいに、露天風呂は満員になってしまいました。

たしか、前回の冬至の頃は、天気は良かったものの気温は低く
「お風呂日和」だったような気がするのですが、これほどまでに
満員にはなっていませんでした。

どうやら大荒れの天気を避けて、「んじゃ、風呂にでも浸かるか」
ということで集まってきたようです。

寒冷前線が通過し、午後からは気温がグンと寒くなりました。
雨も相変わらず降ったり止んだりで、いっこうに天候回復の気配が
ないため、この日はここで撮影を切り上げて戻ることに。

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また明日も来るんでしょ?待っとるけんねー

はい、明日もまたバイオパークに来ますよ。
まだ、オオカンガルーの子供にも会えていないんですから!

と言いながら、雨が小降りになった合間を狙って露天風呂を後にし、
園内を早足でひと周りして、その日の撮影を終了したのでした。

《つづく…》

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やっぱり、お風呂は気持ちよか~



【カピバラ関連記事はコチラ】
カピバラが行く(1) カピバラの湯
カピバラが行く(2) カピバラとお友だちになろう
カピバラが行く(3) 長崎バイオパーク特別編
カピバラが行く(4) 埼玉こども動物自然公園編
雪の動物園 秋田市大森山動物園(雪の中で遊ぶカピバラもいますよ!)

 



 

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2010年2月 7日 (日)

井の頭自然文化園の「はな子」

東京都武蔵野市にある井の頭自然文化園には、「はな子」という
アジアゾウがいます。

先日、「平和への祈りをささげたい ~上野動物園にて」を書いたあと、
「そうだ、『はな子』に会いに行きたいなぁ」と、ずっと思っていました。
井の頭自然文化園の「はな子」には、私はとても思い入れがあるからです。

とっても冷え込んだ朝を迎えた昨日の2月6日、例によって朝イチで
井の頭自然文化園に行ってきました。天気は良かったのですが、
朝の空気はまだまだ冷たく、園内の噴水の水面が凍っていました。

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この朝、私は東京で初めて凍った水たまりを見ました。

朝イチということもあるのでしょうが、園内は人もまばら。
吉祥寺からほど近いにもかかわらず、いつも落ち着いたたたずまいの
井の頭自然文化園ですが、この日の園内は、真冬の冷たい空気が
余計に静けさを感じさせます。

私が好きなマーラくんも…

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今朝は寒いなぁ…むにゃむにゃ

朝から日向ぼっこしていました。

さて、なんでこの日にゾウの「はな子」に会いに来たか…
それは、この日に「はな子」のお祝い会があったからなのです。

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2月6日(土)は、はな子の「お祝い会」でした。

「はな子」は63歳。戦後最初に日本にやってきたゾウです。
まだ戦後間もない1949年、タイから上野動物園にやってきたのが、
この「はな子」なのでした。

つまり…上野動物園で戦争の影響で命を断たれてしまったゾウの
「ジョン」「トンキー」「ワンリー」たちの後を継ぐゾウとして、まさに平和の
使者として日本にやってきたのです。

その後、「はな子」は各地を巡る移動動物園に参加し、多くの子供たちに
たくさんの夢を与えたのち、武蔵野・三鷹市民の熱烈な呼びかけにより、
1954年に現在の井の頭自然文化園へやって来ました。

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井の頭自然文化園のアジアゾウ、「はな子」です。
足を曲げてステップを踏む「はな子さんステップ」は有名(?)です。

63歳の「はな子」は、戦後初めて日本にやってきたゾウであるとともに、
日本で最高齢のゾウでもあります。

昨年までは、小田原城址公園動物園にいたアジアゾウ「ウメ子」が、
「はな子」と同じ年齢ということで、もう一頭の日本最高齢のゾウだった
のですが、昨年9月に天寿をまっとうし、天に昇っていきました。

高齢の「はな子」は歯も衰えてしまい、食べ物を噛むことができません。
そこで、飼育係の人が野菜やジャガイモなどを細かくきざんであげたり、
「はな子」が大好きなリンゴやバナナ、干くさをやわらかくして丸めた
名物(?)「はな子団子」、そして流動食などをあげているそうです。

この朝も、飼育係の人から、バナナを口に入れてもらっていました。

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飼育係から、バナナを口に入れてもらう「はな子」さん。

足元には、飼育係の人が細かくきざんでくれた、ニンジンなどが
山盛りに積んでありますが、「はな子」はそれを食べようとしません。
寒いから食欲がないのか、それとも好き嫌いなのか…

山積にされた野菜の量は、たぶん野菜炒め数十皿分でしょうか。
それを刻む飼育係の人も大変だと思うのですが、そんな気も知らず
「はな子」は野菜には見向きもしないのです。

でも、その野菜をハトが盗みにやってくると…

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こら~、ワタシの野菜を盗むんじゃなーい!

…と、ハトたちを追い散らす元気もあります。

「はな子」は日本に来てから60年余り、決して平穏な日々ばかりでは
ありませんでした。

昭和30年代には、酔っ払ってゾウ舎に侵入してきた人と、飼育員を
死なせてしまうという事故があり、「殺人象」と大々的に報道されて
四つの足を鎖につながれて自由を奪われ、「はな子」は大荒れに荒れ、
心をすっかり閉ざしてしまい、やせ細ってしまったことがありました。
(現在、はな子の歯が無いのも、その頃の栄養失調が原因のひとつと
言われているそうです)

その後、再びパドックに出て公開されたときも、お客さんから「人殺し!」
と罵られたり、石を投げられたこともあったとか…

そんな「はな子」をいたわり、時にはお客さんからの罵声の盾となり、
まさに献身の努力で「はな子」の心を開いていった飼育員の話は、
「父が愛したゾウのはな子」という本になっています。

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ロープで遊ぶ「はな子」…今は平穏な日々です。

日本の戦後、高度成長期、そしてバブル期…
「はな子」が日本に来てから60年という年月は、私たち日本人が
戦後の貧しい時代から、現在のモノに恵まれた時代までの全てと
オーバーラップします。

「はな子」の目に映った人たちのスタイルも、その60年の間に大きく
変わったはずです。そして、「はな子」が目にした多くの人たちの中に
幼い頃の私もいたはずです…

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「はな子」はその目で、いったい何人の人を見てきたのだろう…

幼い頃の私は、吉祥寺からほど近い所に住んでいました。
吉祥寺へ買い物に行ったついでなどに、よく両親に連れられて
井の頭自然文化園に行ったものです。

もの心がついてから、たぶん初めて自分の記憶に刻み込まれた
大型動物が、井の頭自然文化園のゾウ…

そう、つまりこの「はな子」だったと思うのです。

幼い頃の私は、きっと「はな子」を見て無邪気に喜んでいただけで、
よもやその40年後に、こうして動物写真を撮り、果てはケニアの
サバンナまで行くようになった私がいるだろうとは、当然ながら
想像もしていなかったでしょう。

井の頭自然文化園で「はな子」と対面し、レンズを向けているとき、
幼い頃の私と「はな子」が対面している光景を想像してしまい、
その時代に、そのままタイムスリップしてしまうような錯覚に陥ります。

そして、私の幼い頃の姿を「はな子」が覚えているハズもないのですが、
幼い頃の私の姿を必ず見ているはずの、その優しい目を通して、
 生きていれば、いろいろなコトに出会うものよ…
 悲しいことにも、そして素晴らしいことにも。
と、はな子が静かに語りかけてくれるような気がするのです。

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生きて行くということは、きっと素敵なことなんですね、はな子さん。

現在の私の原点をたどっていくと、そこには「はな子」がいる…

だから、私にとって「はな子」はとても深い思い入れがあるのです。

そんな「はな子」と対面すると、子供の頃の純粋な気持ちになり、
そしてまた「自然体で動物たちと向き合おう」とも思うのです。

きっと、長寿の「はな子」には、似たような思い入れがある方が多い
のだと思います。この日、お祝い会が始まる前の静かな時間には、
「はな子」の前にたたずみ、語りかけるような目で対面している、
ご高齢の方を何人か見かけました。

「はな子」には、もっともっと長生きをしてもらって、私の原点として、
そして多くの人たちの里程標として、私たちを元気付けてほしい…
そんな思いで、私は井の頭自然文化園を後にしました。

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【追記】
平和への祈りをささげたい ~上野動物園にて」のコラムを
書いたのち、さらに調べていたら、実は上野動物園で餓死した
アジアゾウの「ワンリー」は、別名「花子」と呼ばれていたそうです。

戦後初めて上野動物園にやってきたゾウの「はな子」は、
同じく上野動物園で戦争の犠牲になった「花子」の名を引き継いだ
ことになります。「はな子」という名には、平和への思いが込められて
いたのかもしれません。

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2010年2月 2日 (火)

サバンナの風に聴く(6) サバンナデザイン

勤め先の同僚のE子さんが、最近気になって仕方がありません。

あ、いや、「実は片思いの女性で…」などといった色恋のハナシでは
まったくないのですが…

気になるのは、彼女のバッグなのです。

そのバッグが、コレ。

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E子さんの気になるバッグ(本人の承諾を得て掲載しています)

どうしてもこのバッグに目が行ってしまうのです。

ある日、彼女のバッグをじーっと見ていたら、不審に思われたのか
「どうしたんですか?」と聞かれてしまいました。

「それ、アミメキリンだよね」

そう呟く僕に、彼女の目が点になってしまったのは言うまでもありません。

彼女自身も、その柄が「キリンの模様」であることは知っていたでしょうが、
そこでいきなり「アミメキリン」と言われたら、「???」となるのは当然です。

ふつうは、女性の持ち物に何か言う場合は、「それってカワイイね」とか、
「似合っているね」とか、まずそう言うのが礼儀というものですから。

そんな感じで、動物写真を撮っている者の宿命(?)なのか…
彼女のバッグに限らず、街を歩いていても、動物がモチーフになっている
モノを見かけると、どうしても反応してしまう私です。

よく観察をしてみると、周囲には「動物柄」がけっこうあるものです。

私のネクタイにも…

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なんと、キリンとゾウとライオンとヒョウ(?)の運動会です。

こうした、動物そのものをモチーフとしたデザインも良いのですが、
E子さんのバッグのように、動物の「模様」をデザインに配したものが、
私には気になるのです。


動物の模様といえば、代表的なのは「ヒョウ」「ゼブラ」「キリン」でしょう。

「ヒョウ柄」は、動物柄の中でもっともポピュラーな柄かもしれません。
googleで「ヒョウ柄」を調べてみると、なんと「ヒョウ柄専門店」なるものが
存在するほどです。

「ヒョウ柄専門店」には、どんなモノがあるのか調べてみると…

衣類、バッグはもちろんのこと、財布、ブーツ、クッション、各種カバー、
果てはカーテン、さらに驚いたのが「イヌ用の服」まで!!

イヌにヒョウ柄の服を着せて、いったいどうするんだろうか?
ネコにヒョウ柄の服を着せるなら、まだわかるんだけど。
…などと、個人的には思うのですが。

気付いたのは、ヒョウ柄のものには「男モノ」がほとんど無いこと。
ヒョウは女性的なイメージが強いモノなのでしょうか?

しかし、ヒョウ柄を眺めていると、「ん?これがヒョウ柄?」と思える
デザインもあったりします。本物のヒョウは、こんな柄なのです。

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これが本物の「ヒョウ柄」です。(ケニア・マサイマラ国立保護区)

確かに、とても美しい柄です。
柄だけでなく、ヒョウはその毛並みも他の動物に比べて艶やか。
そんな美しさに加えて、しなやかな動きから、ヒョウは「野生的」な
女性美の象徴として、女性に人気なのかもしれません。

しかし、その美しさゆえにヒョウも乱獲され、数も激減しました。
今はヒョウもワシントン条約で取引が規制されており、もし本物の
ヒョウの毛皮の衣類などが売っていたら、それは違法な物です。

さて、動物園に行ってヒョウの撮影をしていると、大人でも子供でも
ヒョウを指して「あ、チーターだ!」と言う声を耳にします。

大きさが似ているから、間違ってしまうのでしょうけれど…
ヒョウとチーターでは体格が違うし、模様も異なります。

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チーターの模様は「ドット(点)」 (ケニア・マサイマラ国立保護区)

ヒョウとチーターの違い、わかりますか?

ヒョウに比べるとチーターは顔が小さく、脚も細く小さめです。
全体的に軽快な体型で、サバンナを高速で駆け抜けるための体に
なっているのです。ちなみに、チーターは木登りはしません。

いっぽうヒョウは木の上にいることが多いので、特に脚が太くて
大きいのが特徴。木登りに適している体格になっています。
全体的にガッシリとした体つきで、狩った獲物を口に咥えて、
木の上まで引き上げるほどの力を持っています。

ちなみにチーターはツメが固定されており、ネコのように出し入れ
することができません。これも「速く走る」ための特徴の1つです。

チーターも、たいへん美しい動物なのですが、毛皮の美しさでは
やはりヒョウにはかないませんね。


さて、次は「ゼブラ柄」です。ゼブラ…つまり、シマウマですね。
「白」と「黒」という対極的な色の縞模様は、とても美しいものです。

ゼブラ柄も、衣類から財布、ベッドカバーまでいろいろとありますが、
さすがに「イヌの服」は見当たりませんでした。

さて、本物のゼブラ柄ですが…実は大きく分けると2種類あります。

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グラントゼブラ (ケニア・マサイマラ国立保護区)

グラント・ゼブラはケニアでも赤道以南にいるシマウマで、
現地ではいちばん多く見かけるシマウマかもしれません。

グラント・ゼブラの縞模様は太いのが特徴です。

いっぽう、ケニアの赤道以北で見かけるシマウマはコチラ。

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グレビーゼブラ(ケニア・サンブール国立保護区)

グレビーゼブラはシマウマの仲間では最大の種です。

グラントゼブラに比べると、縞模様が緻密で美しいのが特徴。
その美しさゆえに毛皮目的の乱獲が続き、その個体数もやはり
激減してしまいました。

ケニアのサンブール国立保護区やメルー国立公園へ行った時は、
このグレビーゼブラの写真を撮るのが楽しみの一つなのですが、
マサイマラ国立保護区に行けば、いくらでも会えるグラントゼブラと
比べると、グレビーゼブラと遭遇する頻度は大変少なく、まったく
出会えない時もあるほどです。

その美しさゆえか、動物園にはグレビーゼブラがいることが多く、
また衣類などの「ゼブラ柄」も、グレビーゼブラのような細く緻密な
デザインが多いように思います。

ちなみに、シマウマの縞は「黒地に白」か?「白地に黒」か?
どちらだかわかりますか?


さて、最後に「キリン柄」です。

「ヒョウ柄」「ゼブラ柄」に比べると、「キリン柄」は少ないようですが、
幾何学的で大柄な模様ということで色を付けやすいためか、
キリン柄は衣類よりもバッグの柄に使われることが多いようです。

キリンの模様には大きく分けると2タイプあります。
よく見かける「キリン柄」はこちらのタイプ

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アミメキリン (ケニア・サンブール国立保護区)

アミメキリンは、グレビーゼブラと同様にケニアの赤道以北の
キリンです。その名のとおり、網目のような模様が特徴です。
茶色の面が大きいぶん、よく映える模様で美しいですね。

いっぽう、こちらはマサイキリンです。

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マサイキリンの親子 (ケニア・マサイマラ国立保護区)

マサイキリンは、木の葉のような模様が特徴。
アミメキリンの模様に比べると、やや散漫な模様ですね。

「キリン柄」といった時に、このマサイキリンの柄のものは
ほとんど見かけません。柄が散漫で、デザインしにくい…
というのがあるのかもしれません。

個人的には、アミメキリンよりもマサイキリンのほうが好きです。
アミメキリンは、あまりにも「完成度が高い」模様の感じがして、
確かに美しいのですが「出来すぎだなぁ」と思ってしまいます。
マサイキリンのほうが、自然な感じで(?)落ち着くのですね。

さて、どうでしょう。

街にはけっこうたくさんの「サバンナデザイン」があるワケですが、
それらを見て「あ、グレビーゼブラだ」「これはアミメキリンだ」と
見分けられたら、それで貴方もちょっぴり「サバンナ通」ですね。

私は今日も、街でサバンナデザインを見つけては、「あー、ケニアへ
帰りたいなぁ…」と、望郷の気持ちに駆られるのでありました。




 

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