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2010年5月

2010年5月30日 (日)

ツノ、ありますけど…(1) シカですか?ウシですか?

アフリカのサバンナには、角を持った動物が数多くいます。

…と改めて言ってみたところで。

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それがどうしたの? (トピ ケニア・マサイマラ国立保護区)

…ですよね。

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角があるなんて、めずらしくないでしょ?
(トムソンガゼル ケニア・ナクル湖国立公園)

…おっしゃるとおりです。

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サバンナじゃなくても、角がある仲間はたくさんいるでしょ?
(ムフロン 千葉市動物公園)

…たしかにそうなのですが。

動物園で見ていると、あんまり角の形は意識しないものなのですが、
サバンナではいろんな形の角を持つ動物を同時に見られるので、
「いろいろな角の形があるものだなぁ」と、あらためて思うのです。

動物の種類によって角の形がちがうのはもちろん、同じ種類でも、
個体によって微妙に角の形がちがうので、角の形は個性のひとつ
と言うことができるかもしれません。

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角は動物の個性のひとつです
(ハーテビースト(左)とトピ(右) ケニア・マサイマラ国立保護区)

動物園で角がある動物を見ていると、「これってシカの仲間だよね」
という声をよく聞きます。特に小さい子供は、角があればみんなシカに
見えてしまうようですね。日本人にとっては「角がある=シカの仲間」
というイメージが強いのでしょうか…

たしかに、日本にいる角がある動物といえば、たいていはシカです。
物語に出てくる「角がある動物」も、ほとんどがシカの仲間ですから、
それも当然のことかもしれません。

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角といえば、シカでしょう~ (エゾシカ 都立上野動物園)

しかし、角を持つ代表的な動物には、もうひとつ忘れてはならない
ものがあります。それは…

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ボクをお忘れじゃありませんか? しかし…前がよく見えないなぁ。
(スコティッシュハイランドキャトル マザー牧場(千葉県富津市))

そう、ウシです。ウシの仲間にも角があることを忘れてはいけません。

実は、アフリカのサバンナで見られる「角を持つ動物」はほとんどが
ウシの仲間…つまりウシ科の動物です。

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僕はウシの仲間だよ。
(アフリカンバッファロー ケニア・ナクル湖国立公園)

バッファローは体型や顔つきがウシとよく似ているし、日本語では
「バッファロー」=「水牛」と訳されるくらいですから、ウシの仲間
であることはスグにわかると思いますが…

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僕たちもウシの仲間なんだよねー
(オグロヌー ケニア・マサイマラ国立保護区)

サバンナの草食動物の代表格であるヌーも、実はウシの仲間で…

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実は、おいらもウシの仲間だったりするんだよねー
(ベイサオリックス ケニア・サンブール国立保護区)

一角獣のモデルといわれるオリックスも、ウシの仲間なのです。

まぁ、ヌーもオリックスも、顔つきはなんとなくウシに似ているので、
「ウシの仲間」と言われると「そういえば、そんな感じ…」と思われる
と思うのですが…

では、こちらはどうでしょう。

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んー、僕も実は… (インパラ ケニア・マサイマラ国立保護区)

スレンダーな体型、美しく湾曲した角を持つインパラも、実はウシ科。
体型も、顔つきも、とてもウシには見えず、むしろシカに近いですが、
れっきとした「ウシ科」なのです。

そして、コチラも。

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僕もだよー (キルクディクディク ケニア・マサイマラ国立保護区)

キルクディクディクは、サバンナ最小のウシの仲間。成獣でも大きさは
体長が1mにも満たず、肩高もわずか40センチ程度と「超小型」。
とても「ウシの仲間」には見えませんが、れっきとしたウシ科なのです。

サバンナには、実はシカ科の動物がいないのです。

このコラムの冒頭で登場したトピもトムソンガゼルもウシ科ですし、
とにかくサバンナでは「キリン」と「サイ」と「イボイノシシ」以外は、
角を持つ動物を見たら、みんな「ウシ科」…ウシの仲間なのです。

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どう見ても、ウシの仲間には見えないでしょ?
(ゲレヌク ケニア・サンブール国立保護区)

このように「どう見てもウシの仲間には見えないウシ科」の動物たちを
総じて「アンテロープ」と呼びます。

サバンナでは「シカの仲間かな?」と思える動物たちは、すべてウシ科
アンテロープと考えれば良いのですが、動物園ではそうはいきません。
でも、角の特徴で「シカ?ウシ?」を簡単に見分ける方法があります。

その見分け方は、「角が枝分かれしているか、していないか」です。

一般的に、シカ科の角は枝分かれをしています。
いっぽう、ウシ科の角は枝分かれをしていません。

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シカ科の角は、枝分かれをしているのが特徴です。
(ヤクシカ 都立多摩動物公園)

ここで、「え?でも、ニホンカモシカは枝分かれしていないよ?」と
気付いた方は、かなりの動物ツウですね。

そうなんです、ニホンカモシカの角は枝分かれしていません。

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僕は「シカ」なのに、角が枝分かれしていないんですけどー
(ニホンカモシカ 長野市茶臼山動物園)

実は、ニホンカモシカは「カモシカ」といいながらウシ科の動物です。
さらに詳しく分類するとウシ科の中で、さらに「ヤギの仲間」なのです。

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なんとー!僕もウシ科だったんですねー。ウッシッシ…!!
(ヤギ マザー牧場(千葉県富津市))

枝分かれをする、しないという特徴のほかに、シカ科とウシ科の角には
もうひとつ大きな違いがあります。

それは「抜け落ちるか、落ちないか」です。

ウシ科の角は、骨の芯を角質化した皮膚が覆っているもので、体の成長に
よって伸びて、抜け落ちることはありません。骨格に由来するものなので、
オス・メスの両方に角があるのも特徴です。

それに対してシカ科の角は、頭骨の一部が皮膚をかぶった状態で伸びて、
いわゆる「袋角」という形態になり、その後に皮膚部分がはがれ落ちて、
骨質の角だけが残されるもので、毎年抜け落ちて、生え変わります。
こちらはトナカイを除いてオスにしか角が生えません。

例年、秋になると奈良公園の鹿の「角切り」がニュースに出てきます。
そうしたニュースを見ると、「痛そうだなぁ」「かわいそうだなぁ」と
思うものですが、鹿にとってみれば、いずれ抜け落ちる角を少し早めに
切っているだけのことで、痛みもないのだろうと思います。
(実際どうなのかは、鹿に聞いてみないとわからないのですが…)

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サバンナのアンテロープたちは、角が生え変わりません。
(エランド ケニア・マサイマラ国立保護区)

ちなみに…

日本語ではどんな角でも「ツノ」としか言いませんが、英語ではちゃんと
表現が分かれていて、枝分かれしない角(一般的にはウシ)は「corn」で、
枝分かれしている角(一般的にはシカ)は「antler」と表現します。

日本語には「角」はひとつしか表現がないのは、日本の野生動物には、
ウシ科の動物がいなかったから…なのかもしれませんね。

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サバンナのアンテロープが集合した、ちょっと珍しい光景です。
左から…トピ、ハーテビースト、トムソンガゼル、ヌー
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

動物の角について、これから数回に分けてお話していく予定です。
次回をお楽しみに!

◆動物のツノについてのお話「ツノ、ありますけど…」シリーズ
 ☆「ツノ、ありますけど…(2)」 ツノがあるゆえに
  ツノがあることが、絶滅の危機につながってしまった動物のお話
 ☆「ツノ、ありますけど…(3)」 キリンのツノは何本あるの?
  キリンのツノ、ちょっと変わっています。なんで?どうして?

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2010年5月26日 (水)

いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝

「せっかく楽しみに来たのに、寝ている姿しか見られな~い」
と、嘆きの声をよく動物の代表格…それがコアラです。

フワフワとした丸っこい体つき、まん丸の顔につぶらな瞳と小さな口。
その姿はまるでぬいぐるみのような愛くるしさ…

コアラはどこの動物園でも、老若男女問わず大人気です。

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ん?  (写真はすべて埼玉県こども自然動物公園)

ご存知のとおりコアラはカンガルーと同じく、オーストラリア固有の
動物です。

そのオーストラリアでは、フサフサの毛皮を目的とした乱獲が続き、
20世紀半ば頃には絶滅の危機に瀕し、保護が始まります。
その後は、コアラそのものを国外に出すことが長い間禁止され、
世界各地の動物園で見られるようになったのは、わずか30年ほど
前からです。

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「ぶーぶー」 …と、コアラは鳴きます
(ブタとウシの鳴き声が合わさったような、表現しにくい鳴き声です)

日本に初めてコアラがやってきたのが1984年の秋。
オーストラリアのタロンガ動物園から東京都立多摩動物公園へ2頭の
オスのコアラ「タムタム」と「トムトム」がやってきた時は、上野動物園に
パンダが初めてやってきた時を思わせるような大行列ができました。

今では当時の大行列こそできませんが、「好きな動物ランキング」で
イヌやネコなどの身近な動物や、その時どきのブームになった動物に
混ざって常に上位に入るほど、コアラは今でも人気者です。

ちなみに…

ロッテの「コアラのマーチ」も1984年発売。もちろん、コアラの来日を
機に発売されたものですが、発売から四半世紀を経た今でも人気の
お菓子として、ロングセラーが続いています。

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コアラのマーチ? どんな味がするのかな。

コアラはたいてい「コアラ館」という空調完備の立派な建物の中で
展示されています。そして館内は薄暗く、中途半端な明るさです。
「コアラは夜行性の動物です」と説明されていることが多いので、
「夜行性だから昼間は寝ているんだね」と思う方が多いのですが…

それにしても、もっと暗くすれば「動くコアラ」を見られるだろうし、
どうせ寝ている姿しか見られないなら、展示施設をもっと明るくして
くれればいいの…と思われる方も少なくないのでは、と思います。

実は、コアラは真っ暗になってから活動する「夜行性」なのではなく、
夕方から夜にかけて活動する「薄暮性」と呼ばれる動物なのです。
そのため、動物園ではコアラが活動する「薄暮」の明るさに合わせ、
展示施設を中途半端な明るさにしているのです。

中途半端な明るさには、実はちゃんと理由があったのですね。

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さて、そろそろ寝ようかな…

しかし「夕方から夜に活動」といったら、コアラが活動する時間は
わずか数時間しかないことになります。ということは、逆に言えば
睡眠時間が1日18時間~20時間ということになります。

これまでの「いつも、ウトウト」の第2回でご紹介したライオンや、
第3回でご紹介したフェネックのように、「次の活動のために寝る」
と言うにしては活動時間が短すぎるし、睡眠時間が長すぎるように
思いませんか?

それに、第1回では「草食動物は一般的に睡眠時間が短い」という
お話をしましたが、コアラも草食動物…なのに睡眠時間が長い!?

実は…コアラがこんなに寝るのは、他の動物たちとはちょっと違う
理由があるのです。

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他の仲間は睡眠時間が短いの? 寝不足にならないのかな…

コアラはユーカリの葉を食べる、ということをご存知の方も多いと
思いますが…

さて、そのユーカリの葉。

動物園によっては、コアラが食べるものとして生木が展示されて
いるところもあるのですが、実際にユーカリの葉に触ってみると
若葉といえども厚みがあって、とても堅いことに驚きます。
堅いだけでなく、試しに葉をちぎってみると繊維質が非常に多く、
明らかに消化が悪そうな葉です。

そのため、ユーカリの葉は他の動物たちの食べ物にはなりません。

オーストラリアは全体的に乾燥していて植生も豊富ではないので、
コアラは進化の過程で、他の動物がほとんど食べないユーカリを
食べるようになり、他の動物との食物の奪い合いを避けることで、
厳しい自然の中を生き延びてきたのでしょう。

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ユーカリの若葉が、これまたおいしいんだよねー

そんなユーカリの葉を、コアラは1日に500gほど食べている
のですが、コアラは消化が悪いユーカリの葉を消化するために、
特別な体の構造を持っています。

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コッチの葉っぱの方がおいしそうだなー
(ちなみにたぐり寄せているのはユーカリではありません…)

それは…盲腸です。

草食動物は、草を消化していくために盲腸が発達しています。
草食動物の代表格であるウマの盲腸は1mくらい。ウサギでも
50センチくらいの長さがあります。(ちなみに人間の盲腸は
5センチくらい)

それに対して、コアラの盲腸は…なんと2m!!
体が大きいウマで盲腸が1mなのですから、コアラの2mという
長さそのものもさることながら、体の大きさとの比率でいったら
ものすごい長さ…たぶん哺乳類最長でしょう。

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埼玉県こども動物自然公園には、こんな看板がありました。

コアラはユーカリの葉をこの長大な盲腸でゆっくりと消化して、
栄養分を体に吸収しているのです。
さらに驚くことに、その「ゆっくりと消化」する時間がすごい!
なんと約1週間かけてユーカリの葉を消化するのだとか!!

つまり、今日食べたユーカリの葉がウンチになって出てくるのは
1週間後、ということになるのですね。

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この葉っぱも、1週間かけて消化するんだよ。

しかし、1週間もかけてゆっくりと消化しても、ユーカリの葉は
栄養分が少ないので、摂取できるエネルギーはほんのわずか。
もし、消費するエネルギー量が摂取するエネルギー量を上回って
しまったら…コアラに限らず、生き物は死んでしまいます。

そこでコアラはどうするか…

摂取できるエネルギーが少ないならば、消費するエネルギーを
減らせば良い…そう、要するに「寝る」のです。

生き物にとって、寝ている間は基礎代謝だけにしかエネルギーが
使われていませんから、もっともエネルギー消費が少ない状態。
エネルギー消費を抑えるためには「寝るのがイチバン」という
ことなのです。

他の草食動物は、摂食時間を長く取って草をたくさん食べないと
十分なエネルギーを摂取できないため、睡眠時間が短くなる、と
言われていますが、コアラはその逆です。
つまり、エネルギー摂取量が少ないために睡眠時間が長くなる、
というワケです。

他の草食動物たちとの競合を避けて、消化が悪く栄養素が少ない
ユーカリの葉を食物に選んだ結果、他の草食動物よりもはるかに
長い睡眠時間になった…というのも、面白いことですね。

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だからコアラは、今日もひたすら眠るのです…

しかし…20時間近くも寝ていたら、夢を見る時間も長いはず。
コアラにとっては、夢が現実なのか、現実が夢なのか…

その辺のことは、コアラにぜひ聞いてみたいものです。


※【いつも、ウトウト】シリーズ
【いつも、ウトウト(1) プロローグ】
【いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝】

コアラ

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2010年5月23日 (日)

いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝

前回は「百獣の王」ライオンの豪快な(?)寝姿をご紹介しましたが…

今回は一転して、かわいい寝姿をご紹介することにしましょう。

今回ご紹介するのは「フェネック」です。

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ボクがフェネック。耳が大きいでしょ?
(フェネックの写真はすべて都立井の頭自然文化園)

フェネックは「フェネックギツネ」とも呼ばれる、キツネの仲間です。
体長は35~40センチ、尾長は20~30センチと、体の長さは
そこそこありますが、体格が非常に小さく(体重わずか1.5Kg前後!)
とっても小柄な動物。

キツネの仲間では最小で、イヌ科(キツネはイヌ科に属します)でも
最も小さいの動物…ということは、チワワより小さいワケですね!
実際に動物園で見てみると、オトナのフェネックでも「まだ子供?」と
思ってしまう…というよりも、子供とオトナの大きさの差があまりない、
というのが実際のところです。

フェネックは、体のわりに耳が大きいのが特徴。
もともと北アフリカやアラビア半島の砂漠地帯に住む動物ということで、
大きな耳は体温を放熱して体温を調節する役割をしているそうです。

「耳が大きい」ということで、よく「オオミミギツネ」と間違えられる
ようですが…

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ボクがオオミミギツネ。
フェネック?知らないなぁ…近所にいないよ
(ケニア・マサイマサ国立保護区)

オオミミギツネはアフリカのサバンナに住んでいます。
フェネックよりもかなり大きな動物で、たしかに耳も大きいですが、
フェネックとはまったく別の種類です。

分類を調べてみると、フェネックは「キツネ属」に属するのに対して、
このオオミミギツネは「オオミミギツネ属」と、別の属になります。

さて、このフェネック、よく寝ています。というか、ほとんど寝ている
姿しか見たことがありません。したがって…私が撮るフェネックたちも、
ほとんどが寝ている姿です。

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「こうして枕があるとラクチンだねぇ」「うーん…重たいなぁ」

前回の「ライオンは今日もお昼寝」では、ライオンは次の狩りに備え、
体力を消耗しないために、昼間もゴロゴロ寝ていると書きましたが…
フェネックが昼間から寝ているのは「夜行性」だからです。

砂漠は日中は非常に暑く、行動するのに適しません。
私もケニアからの帰り、ドバイの砂漠へ行ったことがありますが…
気温は50度近くあり、とても「活動できる」環境ではありませんでした。

そんな砂漠で生きて行く知恵…それが「夜に行動する」ことなのでしょう。

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昼間は寝ているけど、夜はちゃんと活動しているよ。

フェネックは暑さ避けて夜に活動し、ネズミなどの小動物や昆虫、
小鳥などを捕らえて食べたり、果実や植物の葉なども食べるようです。
かなりの「雑食」ですが、食べるものが乏しい砂漠で生きていくには、
何でも食べることも大切なことなのかもしれません。

さて、そんなフェネックですが、動物園でも日中は寝てばかりです。
ときどきチョコチョコと歩いている姿も見かけるのですが、それは快適に
眠れる場所を探して動いているだけで…

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やっぱり、フェネックは寝ています。

フェネックの場合は、「ウトウトと居眠り」というよりは、夜にそなえて
「しっかりと熟睡」しているようです。

しかし、その寝姿がとってもカワイイ…というか、すごく平和な寝顔です。
動物が寝ている姿は、たいてい可愛いものなのですが、寝姿を見るだけで、
こんなに和める動物はいないんじゃないか、と思います。

そのせいか、ついついシャッターをたくさん切ってしまうのです。

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なんともいえない、平和な寝姿です。

かくして、私のフォトストックの中には平和な寝顔のフェネックが増えて、
写真をときどき見返しては「平和だなぁ」と和んでみたりするのでした。

ちなみに…

私がいちばん最初に「フェネック」という名前を知ったのは漫画でした。

そのマンガとは「ぼのぼの」…主人公がラッコ(ぼのぼの)、脇役には
「アライグマくん」「シマリスくん」「プレーリードッグくん」など、
登場人物(?)が全て動物。

ナンとも言えないノホホンとした雰囲気と、どことなく「哲学」を感じる
主人公の「ぼのぼの」と、周囲の動物たちが繰り広げる不条理な物語。
そして、なんとも間の抜けた会話…これにハマり、文庫版は全巻買い揃え、
一時期はセリフまで暗記していたほどです。

その登場人物に「フェネックギツネくん(通称フェネギー)」がいました。

まだ本棚のどこかに「ぼのぼの」はあるはず。
この機会に引っ張り出して、久々に読んでみようと思います。

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次回は、やはり「いつ見ても寝てばっかりだねぇ」という動物の代表格、
オーストラリアに住む和み系の代表的動物について、ご紹介する予定です。


※【いつも、ウトウト】シリーズ
【いつも、ウトウト(1) プロローグ】
【いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝】

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2010年5月16日 (日)

いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝

「いつもウトウト」シリーズ、第2回目です。

第1回「プロローグ」をご覧になった方から、「寝る前に読むのに
ちょうど良い記事ですね」という声をいただきましたが。

それは、居眠りしている動物たちの写真が心を癒してくれるので、
気持ちが静かになって良い眠りに誘い込んでくれるからなのか…?
はたまた、例によって難解で冗長な私の文章を読んでいるうちに、
眠くなってくるから「ちょうど良い」なのか…?

懲りずに今回もまた、居眠りしている動物たちの写真の連続と、
私の稚拙な文章で「ウトウト」を綴っていきたいと思いますので、
お休み前のひと時にお楽しみいただければ幸いです。

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その長い前置きが、まず眠くなるんじゃないの~?
(byアムールトラのシズカさん 多摩動物公園)

はいはい、スミマセン。自虐ネタはさておき、では早速…

今回はライオンが主役。そう、百獣の王、ライオンです!
動物園で見ても、堂々たる体格はまさに「百獣の王」にふさわしく、
圧倒的な存在感を持っています。

アフリカのサバンナでライオンと出会うと、その堂々たる体格に
野生動物ならではの風格が加わり、広大な草原を背景とした姿に
遭遇すると畏敬の念をおぼえます。

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サバンナで出会う野生のライオンは堂々として、そして美しい…
(野生のオスライオン ケニア・マサイマラ国立保護区)

テレビや図鑑などで見ていると、ライオンは「大きい動物」とは
わかっても、そのド迫力は伝わってきません。

ライオンを間近で見られる動物園としては、都立多摩動物公園の
「ライオンバス」が有名ですが、他の動物園でもライオンを間近に
見られる工夫をしている所も多いので、その大きさと迫力をぜひ
「体感」していただきたいものです。

…と、言ってはみたものの。

でも、動物園で見るライオンは、たいていはこんな感じです。

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居眠りしているその姿も、堂々としているのがライオンですが…
(いしかわ動物園)

動物園では百獣の王も、やっぱりウトウトしています。

では、サバンナの野生のライオンはどうか、というと…

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サバンナで見るライオンも、やっぱりお昼寝しているのです。
(若いオスライオンとメスライオン マサイマラ国立保護区)

サバンナを訪れる方は、「野生のライオンが見たい!」と大きな期待を
抱いていらっしゃることが多く、実際にライオンはサファリでもハイライト。
「ライオンがいる!」という情報が飛び込んでくると、ライオンを目指して
猛ダッシュ(もちろんサファリカーで)、となります。

そして、ライオンの周囲にはこのような人だかり(クルマだかり?)が
あっという間にできてしまいます。

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サファリでも、ライオンは大人気ですから…
(ライオンに集まるサファリカー マサイマラ国立保護区)

しかし、たいていの場合、そこで見られるライオンはこんな姿です。

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みんなでゴローン、気持ちよくお昼寝中。
(マサイマラ国立保護区)

最初は、「おっ!ライオンだぁ!!」「大きいねぇ」「スゴイねぇ」と
驚嘆の声をあげていた人たちも、そのうち「気持ち良さそうだねぇ」
という反応に変わり、さらには「動かないねぇ…」「これでも百獣の
王なのかねぇ」となり、最終的に「じゃ、他を探しに行こうか」と
その場を早々に去っていくことが多いようです。

もっとも「百獣の王」と名付け、大きな期待を持っているのは私たち
人間の勝手なワケで、ライオンはライオンらしく(?)生活している
だけなのですけれど。

とはいえ、私自身もこれまで何度もライオンと遭遇してきましたが、
その8割がこうして「居眠りしている姿」だったと言っても、過言では
ありません。実際に私が撮るライオンの写真は、寝ている姿が多い…
サバンナに動物は多くあれど、これほど寝ている姿を見かける動物は、
他に思い当たりません。

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動物園のライオン?いえ、これも野生のライオンです!
(マサイマラ国立保護区)

なんで、こんなにまでライオンは動かず寝ているのか…

前回の「いつもウトウト(1)プロローグ」に、草食動物よりも
肉食動物の方が睡眠時間が長い傾向にある、と書きました。

高カロリーの肉を食べる肉食動物は、効率的にエネルギー摂取が
できるので、採食時間が短くて済む(=睡眠時間を長く取ることが
できる)ということなのですが、肉食動物は、まずは狩りをしないと
食べることができません。

ところが、この狩りが問題で…

草食動物は常に移動をしているので、縄張りを持って移動しない
ライオンたちの近くに獲物がいるとは限りません。
また、いたとしても、草食動物なら何でも良いというワケではなく、
狙える動物の種類や大きさは限られています。
さらにライオンは狩りの成功率が非常に低く、狙った獲物を必ずしも
倒せるとは限らないのです。

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ライオンのハンティングの成功率は3割程度と言われています。
(ヌーをハンティングするライオン マサイマラ国立保護区)

百獣の王とはいえ、生きていくのは容易なことではない…野生動物が
生きていく厳しさは、ライオンであっても同じことなのですね。

ライオンたちがいつもゴロゴロと寝ているのは、「百獣の王だから、
余裕で昼寝」などといったことではなく、むしろその逆。
次はいつ獲物にありつけるかわからないという状況で、エネルギー
消費をなるべく抑え、次の狩りまで体力を温存しておくためです。
つまり、厳しい環境だからこそ「寝る」というワケなのです。

サバンナの大型肉食動物は、ライオンのほかにチーターやヒョウなど
ネコ科の動物が多いのですが、実はチーターやヒョウも寝ていたり、
じっと動かずにいることが多く、活発に動き回る姿はあまり見ません。

これもやはり、ライオンと同じく体力を温存しているからなのです。

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チーターも、やはりお昼寝中… (マサイマラ国立保護区)

もっとも、子供となるとそれは別で、活発に遊びまわっています。
子供は狩りをしないから、というのもありますが、子供たちは遊びの
中から狩りをおぼえたり、生きていくための知恵を得ていくからです。

サバンナで、子供連れのライオンやチーターに出会うと、少しでも
寝て休みたい母親のまわりで、子供たちが無邪気に遊んでいる光景を
目にするのですが…

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なかなか寝させてくれない子供たちに、母親チーターは迷惑そう…
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

どことなく、人間でも同じような光景があるなー、と思うのでした。
睡眠不足とたたかうお母さんは、人も動物も同じなのですね。
お母さん、お疲れサマです!

※【いつも、ウトウト】シリーズ
【いつも、ウトウト(1) プロローグ】
【いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝】

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2010年5月12日 (水)

ケニアのTシャツ(第2回)

前回の「ケニアのTシャツ(第1回)」では、動物がモチーフになった
Tシャツをご紹介しました。

今回は…動物以外がモチーフになったTシャツをご紹介しましょう。

では早速、コチラから!

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さて、このデザインはいったい…??

私がいつも行くサバンナでは、見慣れない光景です。
こうした形の家も見かけないし、木の形もヤシの木みたいです。
サンブールやメルーなどのサバンナにも「ドームヤシ」というヤシの木が
ありますが、同じヤシの木でも形が違います。

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ドームヤシは幹が分岐する、ヤシとしては珍しい形の木です。
(ケニア・メルー国立公園)

それに、端っこにいる動物はヌーにも見えるけど、ウシっぽい。
野生動物がいないし、ヤシの木は生えているし…これはケニア!?

どうやら、これはケニアのインド洋沿岸部の風景のようです。
ケニアのインド洋沿岸にはナイロビに次ぐケニア第二の都市モンバサや、
マリンディやラムといった町もあって、欧州の人たちの「リゾート地」
になっています。

私は行ったことがないのですが、マリンディやラムは素朴な感じの町で、
とても良いところなのだとか。たぶん、このTシャツはその辺りの光景を
デザインしたものでしょう。

サバンナの光景でも、動物のデザインでもありませんが、ちょっと可愛い
デザインだったので、思わず買ってしまいました。

お次はコチラです。

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スワヒリ語と英語の対訳がデザインされています。

ケニアの公用語はスワヒリ語。
特に挨拶の「JAMBO!」は、中学校の英語の教科書にも載っていたので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

各単語の横に描かれたイラストが、何気にカワイイです。
このTシャツを現地で着ていると、ケニアの人から「おもしろいね」と
よく言われます。コミュニケーションのキッカケとしてもGoodです。

さて、ケニアは多くの民族から成る他民族国家ですが、その中でも
マサイ族は特に有名で、ケニアを象徴する民族になっています。

Tシャツには、マサイ族をモチーフにしたものも、けっこうあります。

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赤はマサイ族を象徴する色です。

マサイ族は別名「草原の貴族」と呼ばれる、非常に勇敢で誇り高き民族。
草原で槍を持つ姿が有名なためか、野生動物を狩って生活をしているとか、
戦いを好むなどと思われがちですが、元々はサバンナで家畜と共に過ごす、
とても平和的な遊牧民族です。

もっとも、現在では若い世代を中心に町で仕事をするマサイ族が増え、
国の定住政策もあって、サバンナで遊牧をしながら暮らすマサイ族も
だいぶ減っているようです。

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今や、民族衣装を着るのも、イベントの時くらいになってきました。

私にも、マサイ族の友人が何人かいるのですが、彼らは会社員、教師、
ソーシアルワーカー、牧師、自営業として町で働いていて、サバンナを
転々とする遊牧生活はしていませんし、普段は民族衣装を着ていません。

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でも、マサイの友人の村へ遊びに行くと、こんな感じで迎えてくれます。

実は「ケニアを象徴する民族」とはいえ、マサイ族はケニア人口において
ほんの数パーセントを占めるに過ぎない、むしろ少数民族なのです。
では、なぜ「ケニアを象徴する民族」になったのか。

それは時代が変わり、世代が変わっても、民族の伝統を守る意識が強く、
現代でもそれが引き継がれているから…だと思います。

マサイ族についてのお話は、とても長くなってしまいますので、別の機会に
詳しくお話することにしましょう。

話題はガラリと変わって…

ケニアには美味しいビールがあります。

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ゾウのラベルが、いかにもケニアらしいビールです

このビールは「TUSKER LAGER BEER」。
ケニアにはいくつかのビールがありますが、中でもこのタスカービールが
私のお気に入り。日本のビールに比べると、やや粗っぽい味わいなのですが、
日本と同じピルスナータイプのビールなので、抵抗なく楽しめます。

夜明け直前から日没直後まで、一日中サバンナに出て撮影をしていると、
夕方にはヘトヘトになり、集中力も途切れがちになりますが…
そんな時は「ロッジやキャンプに戻ったら、タスカービールを飲むんだ!」
というのを励み(?)に、もうひと踏ん張りして撮影を続けます。

タスカービールは、私の撮影の「パワーの源」なのです。

そんなタスカービールが、なんと!

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タスカービールのラベルが、そのままTシャツのデザインに!

これを着て撮影をすれば、疲れ知らずになれるかも!?

ただこのTシャツ、欧州からの観光客に人気があるためか、ロッジなどで
着ている人をよく見かけるので、私はあまり現地で着る気にはなれず…。

やはり、「戻ったらタスカーを飲むんだ!」とこらえながら、サバンナでの
撮影を続けるしかなさそうです。

ケニアには美味しいビールもありますが、コーヒーの産地でもあります。

ナイロビ市内に「JAVA HOUSE」という、コーヒーショップがあります。
スターバックスやドトールのようなチェーン店ですが、国産コーヒー豆、
つまりケニア産のコーヒーにこだわっており、ケニアの美味しいコーヒーを
手ごろな価格で楽しむことができます。

市内と空港内に店舗を展開していて、私もナイロビに立ち寄ったときには
朝食を食べに行ったり、飛行機の待ち時間に寄ったりしています。

その「JAVA HOUSE」のオリジナルTシャツがコチラ。

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「NAIROBI」という文字が、ちょっと誇らしげです。

他のTシャツはほとんどフロントプリントなのに対し、このTシャツは
バックプリント。お店のスタッフが着用しているものと同じです。

「タスカービール」のTシャツは、どこのTシャツ屋さんでも買えますが、
この「JAVA HOUSE」のTシャツは、JAVA HOUSEでの限定販売。
そんな「限定感」に刺激され、「限定」に弱い私はこのTシャツを買って
しまいました。

さて、限定感と言えば…

私が買うTシャツには、ちょっとこだわりがあります。

まずは、Tシャツのメーカーです。

ここまでの写真を見ていただいておわかりかもしれませんが…
私が買うTシャツはほとんどが、「ONE WAY」というメーカーのものです。

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ケニアのTシャツは、ONE WAYがオススメなのです!

ONE WAYのTシャツはデザインが良いだけでなく、品質が非常に高いのです。
MADE IN KENYAなのですが、あなどってはイケマセン。
洗濯機で洗っても色落ち、型崩れはほとんどなく、とにかく丈夫なんです。
日本で買うTシャツと同等…いや、モノによってはそれ以上かもしれません。

そして、もうひとつのこだわりはコチラ。

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私はこのマークが入ったTシャツを買うようにしています。

このマークは、ケニア野生動物公社(Kenya Wildlife Service)という、
ケニアの野生動物保護や管理、国立公園の維持を行っている国立機関の
マークなのです。(Kenya Wildlife Service=通称KWS)

ONE WAYのTシャツは、ナイロビ市内のショップで買うことができますが、
KWSのマークが入ったTシャツは、私が知る限りではKWS本部内のショップ
でしか買うことができません。知る人ぞ知る、これも「限定モノ」です!

KWSマーク入りのTシャツを買うのは「限定モノ」という理由もありますが、
KWSのショップで買うとKWSの収益につながるから、という理由もあります。
同じ買うなら、間接的にでも野生動物の保護に役立てる方が良いですから。

最後に、私のイチバンのお気に入りTシャツをご紹介しましょう。

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ポレポレTシャツです。

「え?ポレポレ?どこかで聞いたことがあるような…」と、思われた方も
いらっしゃることでしょう。そう、このブログの名前なんです。

ポレポレとは、スワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味。
「ポレポレ」はケニアの人たちを象徴しているような言葉で、その意味の
とおり、ケニアの人たちはとても大らかで、ゆっくりゆったりマイペース。

「ポレポレで行こう」というのは、まさしくケニアの人たちに共通している
人生観みたいなものですが、「ゆっくり行けば、何とでもなるよ」といった
たくましさみたいな意味も、私は「ポレポレ」の中に感じます。

私も、そんなケニアの人たちが大好きで、私自身もゆっくり歩みながらも、
たくましく自分の夢をかなえて行きたいと思っています。

今後とも「ポレポレで行こう!」をよろしくお願いいたします。

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2010年5月 9日 (日)

いつも、ウトウト(1) プロローグ

動物園に行くと、「動物園の動物って寝てばかりだなぁ」と思いませんか?

朝イチで動物園に行くと、動物たちはけっこう元気よく動いているのですが…
午前11時になるくらいから、どの動物たちもウトウト始めてしまいます。
寒い時期は、陽だまりで日向ぼっこしながらウトウト。
暑い時期は、日陰で暑さを避けながら、やはりウトウト。
さすがに熟睡はしていませんが、気持ち良さそうにウトウトしています。

「動物園の動物たちは、ヒマだからなぁ」…と思う方も多いでしょう。
「ゴハンもらえて、あとは寝るだけで、いいなぁ」…と羨ましがる方も、中には
いらっしゃるかもしれませんね。

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お昼下がりの動物たちは寝ていたり、ぼーっとしていたり…
(グレイビーシマウマ 千葉市動物公園)

でも、実は…
サバンナの野生動物たちも、動物園の動物たちとあまり変わらないのです。
朝と夕方は活動的ですが、お昼くらいになるとやはりウトウトしてしまいます。

そのため、サバンナでサファリをするのは原則として早朝~午前中と夕方。
午後は動物たちの活動がにぶいので、人間もロッジでひと休み…となります。

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野生動物も、昼の時間帯はウトウトしていることが多いのです…
(チーター ケニア・マサイマラ国立保護区)

ご存知のとおり、私たちにとって睡眠は体力の回復の他に、成長や新陳代謝の
促進に必要なことなのですが、それは動物たちにとっても同じこと。
人間の場合、最適な睡眠時間は7~8時間と言われていますが、動物の場合は
どうなのでしょうか。

面白い資料を見つけたのでご紹介しましょう。「動物の睡眠時間」です。

20時間 オオナマケモノ
18時間 オオアルマジロ
16時間 ホッキョクジリス
14時間 ネコ、ハムスター
13時間 ハツカネズミマウス、ハイイロオオカミ、ジリス
12時間 ホッキョクギツネ、ゴリラ、アライグマ
11時間 ビーバー、スローロリス
10時間 ジャガー、ベルベットモンキー、サバクハリネズミ
 9時間 チンパンジー、ヒヒ、アカギツネ
 8時間 ヒト、ウサギ、モルモット、ブタ、ハリモグラ
 6時間 ハイイロアザラシ、ブラジルバク
 5時間 キノボリイワダヌキ、ハイラックス
 3時間 ウシ、ヤギ、アジアゾウ、アフリカゾウ、ロバ、ヒツジ
 2時間 ウマ

Meddis,R,"Sleep Instinct" R.K.paul,London (1977)
(睡眠 井上 昌次郎著 化学同人より)
動物の名称をわかりやすい名前に一部変えています。

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他の資料では、キリンは「睡眠時間が1時間」という話もありました
(マサイキリン ケニア・マサイマラ国立保護区)

一般的には…
1.飼育されている動物よりも、野生動物の方が睡眠時間は短い
2.肉食動物よりも、草食動物の方が睡眠時間は短い
3.小型の動物よりも、大型の動物の方が睡眠時間が短い

と言われているようです。

「1」「2」は、これは「採食時間」に関係があるようです。
野生動物は食べ物を自分で確保しなければなりませんから、動物園の動物に
比べると採食に費やす時間が長くなり、そのぶん睡眠時間が短くなります。

また、肉は高たんぱく、高カロリーなので、肉食動物は食べる量が少なくても
(=採食時間が少なくても)体を維持できますが、草は低カロリーなので、
草食動物は多量の草を食べないと(=採食時間が長くなる)生きていけません。
そのため、草食動物の方が採食時間が長いぶん、睡眠時間が短くなるようです。

ただ、「3」については一概には言えないようです。
というのも、上の「動物の睡眠時間」の表をご覧になるとおわかりのとおり、
ジリスやハツカネズミよりもはるかに大型のナマケモノやアルマジロの方が
睡眠時間は長い…となっています。

それに、睡眠時間が2時間とか3時間のヤギやウシ、ウマなども、動物園や
牧場で見ると、日中からウトウトしていてそれ以上に寝ているように見えます。
もしかしたら、上の表での「睡眠時間」というのは、いわゆる「熟睡」のことで、
ウトウトするような居眠りとは別のことなのかもしれません。

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そんな難しい話を聞くと、ホントに眠たくなっちゃうよ…むにゃむにゃ
(シロサイ 静岡市日本平動物園)

そうですよね…そんな難しい話はさておき、ともかく野生動物も動物園の動物も、
昼間からウトウトとしているのは事実で、私自身も「もうちょっと起きて動いて
くれるといいのになぁ」と、よく思います。

でも、動物たちがウトウトするのは「することがないから」ではなく、ちゃんと
理由があるのです。

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「ZZZ・・・」 (ニホンザル 富山市ファミリーパーク) 

動物たちは、子孫を増やしていくことが、生きていく上での最大の「仕事」です。
そのために必要なこと以外はしないのです。

「食べる」という行為は、自らの生命を維持し、子孫を増やすために必要なこと。
ケンカもしますが、それはメスをめぐる争いだったり、自分の縄張りを守るため、
つまりこれも「生きて子孫を残すため」に必要なことです。
動物の子供はよく遊びますが、それはハンティングの練習や、生きていくための
知恵を身につけることが主な目的です。これも生きていくために必要なことです。

動物たちは、生きていくための必要最低限のことしかしない…つまり、「食べる」
「子孫を残す」以外のことには、エネルギーを使わないのです。

野生動物は食べ物に恵まれていませんから、必要以外のことにエネルギーを
使い、体力を消耗することを避けようとします。
家畜であるヤギやウシも、もともとは野生動物ですから、やはりそうした性質を
引き継いでいます。

動物たちが昼間からウトウトしているのは、実は「無駄なことに体力を使わない」
という、非常に合理的な理由があるから…ということなのですね。

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居眠りするには、居眠りをする理由があるんです。
(パタスザル 愛媛県立とべ動物園)

言い換えれば、厳しい環境で生きていかなければならない動物だからこそ、
こうした「ウトウト」が必要になる、ということになるのかもしれません。

昼間から寝てばかりいる動物には、そうした体力の温存という目的もありますが、
その他に「夜行性だから昼間は寝ている」という動物や、「栄養摂取量が不十分
なので、寝て過ごさざるを得ない」という、意外な動物もいます。

これから3回に分けて、「寝てばっかり」の動物をご紹介することにしましょう。

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ウトウトするのって、気持ちイイんだよね…
(ニホンリス 都立井の頭自然文化園)

※【いつも、ウトウト】シリーズ
【いつも、ウトウト(1) プロローグ】
【いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝】

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2010年5月 5日 (水)

ケニアのTシャツ(第1回)

5月に入り、暖かくなったので…衣替えをしました。
4月に入っても寒い日が多く、なかなか手放せなかった冬の装いを
しまい込み、「そういえば、こんな服もあったなぁ」と思いながら、
これからの季節に着る服を引っ張り出すのは、楽しいものです。

そんな、引っ張り出した服の中に、ケニアで買い込んだTシャツが
たくさんあります。ケニアへ行く度に買ってしまうTシャツ。
今回は、衣替えで引っ張り出したついでに、そのTシャツをご紹介
することにしましょう。

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ケニアで買ったTシャツも、かなりの枚数になりました…

ケニアへ通い続けて10回以上。最初のうちは、木彫りの工芸品や
ソープストーン、マラカイトの細工、ビーズの飾りなどの民芸品を
少しずつ買っていたのですが、それもあっという間に増えてしまい、
せまい家ではコレクションを増やすにも限界があり…

というワケで、買い始めたのがTシャツ。

「ケニアのTシャツ?、いかにもお土産!という感じゃないの?」
と思われるかもしれませんが…いえいえ、とんでもありません。

ケニアに限らないのですが、東アフリカのデザインは素朴ながらも
けっこう洗練されています。特に動物をモチーフとしたデザインは
かわいらしく、さすが特徴をよく表しているように思います。
ケニアの隣国タンザニアの「ティンガティンガ」がその代表例です。

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「ティンガティンガ」の一例です。色使いとディフォルメが素敵!

とはいえ、Tシャツのデザインは人の好みもありますから…
今回は、あくまでも「私のお気に入り」ということで、ご紹介を
進めていくことにします。

衣替えの途中で撮った写真なので、シャツの皺などが写りこんで
いたりして、お見苦しい点がありますが、その点はご容赦を…

ケニアのTシャツというと、やはり多いのは動物のデザインです。

まずは夕陽が大好きな私としては、買わずにいられなかったのが…

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写真撮影の参考にしたいほど、見事な構図です

なかなか、まん丸の大きな夕陽を背景にしたキリンのシルエットを
撮ることができていない私としては、このTシャツのデザインは
ある意味で「憧れの風景」。

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コチラは私の写真。なかなかTシャツのようには、いきません。
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

次回はこのTシャツを着て、気合を入れて(願をかけて…?)、
サバンナでの夕陽撮影に臨みたいと思います。

さて、サバンナでは、ヌーやシマウマはよく見かける動物なので、
サファリではあんまり人気のない(?)動物なのですが…

「よく見かける動物」ということは、逆に言えば「象徴的な動物」
という意味でもあるワケで、シマウマやヌーがデザインされた
Tシャツを見かけると、すぐに手を伸ばしてしまう私です。

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サバンナの象徴「ヌー」のデザインは、私の必携Tシャツです

サバンナでは渋い存在のヌーが、躍動感たっぷりに描かれています。
実際にサバンナでヌーを撮るときも、こんな躍動感が出せれば…と
思うのですが。

いっぽう、シマウマもサバンナの象徴的な動物。
シマウマは「ゼブラ柄」というものがあるくらい、縞模様そのものが
たいへん美しい動物なのですが、ケニアのTシャツでは…

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2頭の縞が絡まり、とっても美しいモチーフになっています

動物にはさまざまな模様がありますが、白と黒、そして縞模様という、
これほどにシンプルな模様は他にありません。
その端正な美しさが、サバンナで見ても動物園で見ても私を惹きつけ、
いつまでも眺め続けてしまいます。

シマウマをデザインしたTシャツは多いのですが、このTシャツは
黒い生地を上手く利用して縞の美しさをシンプルに表現されていて、
お店で見つけたときにスグに手に取ってしまった1枚です。

さて、次のTシャツはコチラ…

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キリンとシマウマとヌーと…もうひとつの動物は?

何種類かの動物が一緒にデザインされているTシャツもありますが、
その場合は、サバンナの「BIG FIVE」がデザインされていることが
多いようです。そんな中で見つけたのが、上の一枚です。

キリンとシマウマとヌーと…もうひとつの動物は、インパラです。
インパラは驚異的な跳躍力を持っていて、ひとっ飛びで高さ2m以上、
距離も10m近くを飛んでしまいます。

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この時は全力ジャンプではありませんでしたが…インパラのジャンプ
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

飛ぶように駆ける姿も美しいインパラですが、オスの湾曲した角も
たいへん美しく、サバンナの動物の中では最も「絵になる」動物の
ひとつではないかと思います。

さて、次の動物は…何だかわかりますか?

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サンブール国立保護区のセレナ・ロッジのオリジナルTシャツです。

あれれ?動物が立っている!?なんかちょっとヘンじゃない?

そう思う方も多いと思いますが…決してヘンではないのです。
これはゲレヌク。動物園にもいないし「知らないなー」という方が
ほとんどだと思います。サンブール国立保護区では時々見かける
動物で、保護区の象徴的な動物になっています。

このゲレヌク、ふだんは長い首と長い舌を利用して低い木の枝にある
葉や花、果実などを食べているのですが、その長い首でも届かない
場合はヒョイっと後ろ足で立ってしまうんです。

「えー、ウソだぁ~」と思いますよね。では、論より証拠…

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後ろ脚だけでは自立できないので、前脚を枝にかけて立っています。
(ゲレヌク ケニア・サンブール国立保護区)

というワケで、「立って食べる」ゲレヌクは実在しているのです!
こういう時に、写真は役に立つんですね…

どうでも良いことですが、このTシャツ、構図がなかなかイイ。
普通はこうしたデザインの場合、立っているゲレヌクは右側にいる
ほうが構図としては落ち着くのですが、あえて左側に持っていって
バランスを崩しています。さらにゲレヌクも左を向いているので、
微妙な緊張感を生み出しています。

普段はロッジのオリジナルTシャツなんて、買わないのですが…。
このTシャツが目に飛び込んできたのは、そんな構図のせいかも。
写真では、なかなか勇気のいる構図です。勉強になるなぁ…。

さて、ケニアのTシャツには、こうした動物以外にも「ケニア」を
デザインしたTシャツがあります。

次回はそうした動物以外のデザインや、「私のこだわり」について
お話をすることにしましょう。

次回をお楽しみに~!

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2010年5月 2日 (日)

サバンナの風に聴く(10) サバンナの「季節」

5月に入りました。

子供の日が近いということで、先日立ち寄った富士山麓の朝霧高原で、
こんな光景を目にしました。

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なんとも、「This is JAPAN」というような光景ですが…
(朝霧高原 ~静岡県富士宮市)

朝霧高原は、ようやく木々の新芽が芽吹き始めたところでしたが…
少しひんやりとした心地良い風の中で、雪をいただく富士山を背景に
空に悠々と泳ぐこいのぼり、を眺めていると、春の訪れを実感して、
なんだか嬉しくなりました。

季節を実感するというのは、とても素敵な感覚ですね。

日本には春、夏、秋、冬の四季があります。
私たちは、その四季の存在を当たり前のように感じているのですが、
世界中でこれほど明確に、そして美しく季節の変化を感じることが
できる国はないのではないか…と私は思います。

日本人は古来から季節の風情を歌や随筆に詠み記し、季節の到来を
祭事で祝ってきました。そして視覚的な季節のうつろいだけでなく、
「初物」や「旬」を味わうことで、味覚でも季節を感じてきました。

ここまでに季節感を生活に取り入れ、季節の変化を楽しむ文化は、
日本以外にはほとんどないと言われています。逆に言えば日本人の
季節の風情を捉える繊細な感覚は、季節の変化を大切にする文化が
その背景にあるのかもしれません。

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四季折々の花を愛でるのも、日本人ならではの感覚だとか…
(神代植物公園 ~東京都調布市)

日本での2年間の留学経験を持つケニア人の友人に「日本にいた頃、
もっとも印象深かったことは?」と聞いてみたことがあります。
私としては「新幹線に乗ったこと」とか「京都を訪れたこと」など、
日本の技術や文化に触れたことが返ってくるかと思ったのですが…

「Four seasonsがあることだね」

という意外な答えが返ってきました。「なぜ?」と聞いてみると、

「ケニアには『雨季』と『乾季』のTwo seasonsしかないから」

と答えてくれました。彼の説明によると、赤道直下のケニアでは、
年間を通じて気温はほぼ一定で、ケニア人にとっての「季節」は、
「雨が降るか、降らないか」という感覚しかないのだそうです。

日本に来て、「雨が降る、降らない」ではなく、「四季」という
季節に初めて接し、彼はその美しさに驚いたのだとか。

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藤の花は、古くは古事記にもその名が出てきます。
(神代植物公園 ~東京都調布市)

友人が、日本には四つの季節があることに驚いたのと同じように、
「雨季と乾季…ケニアには2つの季節しかない」と聞いたときは、
私も驚きました。

季節といえば「四季」…と、当たり前のように思っていましたが、
それはあくまでも四季がある国で生活をしている者の考え方で、
地域によっては、季節の捉え方が異なる、ということに今更ながら
気付いたからです。

サバンナでの「季節」とは、雨が降るか、降らないか。
ただそれだけの、ある意味で単純な「季節」。
しかし単純であっても、サバンナに生きる野生動物たちにとって、
非常に重要な意味を持つ「季節」なのです。

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サバンナでの「季節」とは、「雨季と乾季」のことです。
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

サバンナの野生動物の生態系は、草食動物がベースとなっています。
それはつまり、サバンナの生態系を支えているのが「植物」である、
ということに他なりません。植物がなければ、草食動物だけでなく、
ライオンなどの肉食動物や、空を飛ぶ鳥類も…全ての野生動物は
生きていくことができないのです。

雨が降る、ということは、植物が育つということです。
「そんなのは当たり前の話でしょう?」と思われるかもしれません。
そう、それは確かにアタリマエの話なのです。でも、もうひとつの
対極的な「アタリマエ」がサバンナには存在しています。

それは、「雨が降らなければ、植物は育たない」ということです。
つまり、乾季にはサバンナのほとんどの植物が枯れてしまうのです。
草食動物たちは、乾季には食べる草はおろか、飲み水にも不自由を
してしまいます。

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植物がなければ、野生動物たちは生きていけないのです。
(アミメキリン ~ケニア・サンブール国立保護区)

乾季は、野生動物にとって生死にかかわる非常に厳しい季節です。

この乾季をいかに生き延びるか…

ケニア・マサイマラ国立保護区のヌーやシマウマは、草を求めて
大移動を繰り返し、時には自らの生命の危険を賭して川を渡り、
マサイマラ国立保護区とつながる隣国タンザニアのセレンゲティ
国立公園との間を、1千キロ以上も歩き続けます。

その他の動物たちも、乾季でも草が比較的多い丘陵地帯などに
移動したり、やはり草を求めて果てしない移動を続けながら、
乾季を乗り切って生きていきます。

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草を求めて、時には1千キロ以上を移動していきます。
(ヌーの群れ ~ケニア・マサイマラ国立保護区)

私自身も乾季のケニアでサファリをしたことがありますが、
動物たちは草を求めて移動してしまい、草原にはほとんど動物が
見当たらず…半日動物を探してまわっても、動物たちがまったく
見つからなかった時もありました。

そうなると、肉食動物たちも獲物がいなくなり、生死の問題に
直面します。ライオンやチーターなどの肉食動物は縄張りから
離れたがらないものですが、飢えに直面すると離れざるを得ず、
やはり草食動物を求めて移動していきます。

乾季は全ての野生動物にとって、とても厳しい季節。
サバンナには緑に覆われる豊かな季節と、一面が枯れ野原になる
厳しい季節という、両極端な季節が存在しているのです。

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百獣の王でも、乾季を乗り切るのは容易なことではありません。
(マサイマラ国立保護区)

驚くべきことは、野生動物たちはこうした季節の変化を誰に
教わるでもなく、肌身で感じ取り、本能で乗り越えていること。
自らが変えることができない、天賦の現象である「季節」に
適応するチカラは、想像を絶する長い時間をかけて動物たちの
DNAに刻み込まれ、引き継がれてきたものなのでしょう。

ヌーは、はるか遠方の雨の匂いがわかると言われています。
雨が降るところには草が生えている…それをヌーは知っていて、
その雨の匂いを追いながら、ヌーは大移動をして行くのです。

そんなヌーの能力も、乾季と雨季という両極端な季節…それは
すなわち生と死を分けるほどの極端さ…が存在するサバンナで
生きているからこそ培われ、引き継がれてきた本能のひとつに
他なりません。

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ヌーははるか彼方の雨の匂いを追って移動し続けます。
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

四つある日本の季節を「四季」と言うなら、サバンナの季節は
「二季」で、それも「雨が降る、降らない」という、きわめて
単純な季節ではありますが、その単純さゆえにダイナミックで
力強い生命(いのち)の営みを生み出した、と私には思えます。

日本には花が咲き、青葉が輝き、紅葉し、雪が積もるという
変化に富んだ美しい「季節」…四季があります。
サバンナには、そうした変化に富んだ季節ではありませんが、
野生動物たちのたくましい生命力を感じる「季節」があります。

サバンナの「季節」もまた、生命の輝きに満ちあふれた、
美しい季節なのです。

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グラントゼブラ (ケニア・マサイマラ国立保護区)

 

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