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2010年5月 9日 (日)

いつも、ウトウト(1) プロローグ

動物園に行くと、「動物園の動物って寝てばかりだなぁ」と思いませんか?

朝イチで動物園に行くと、動物たちはけっこう元気よく動いているのですが…
午前11時になるくらいから、どの動物たちもウトウト始めてしまいます。
寒い時期は、陽だまりで日向ぼっこしながらウトウト。
暑い時期は、日陰で暑さを避けながら、やはりウトウト。
さすがに熟睡はしていませんが、気持ち良さそうにウトウトしています。

「動物園の動物たちは、ヒマだからなぁ」…と思う方も多いでしょう。
「ゴハンもらえて、あとは寝るだけで、いいなぁ」…と羨ましがる方も、中には
いらっしゃるかもしれませんね。

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お昼下がりの動物たちは寝ていたり、ぼーっとしていたり…
(グレイビーシマウマ 千葉市動物公園)

でも、実は…
サバンナの野生動物たちも、動物園の動物たちとあまり変わらないのです。
朝と夕方は活動的ですが、お昼くらいになるとやはりウトウトしてしまいます。

そのため、サバンナでサファリをするのは原則として早朝~午前中と夕方。
午後は動物たちの活動がにぶいので、人間もロッジでひと休み…となります。

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野生動物も、昼の時間帯はウトウトしていることが多いのです…
(チーター ケニア・マサイマラ国立保護区)

ご存知のとおり、私たちにとって睡眠は体力の回復の他に、成長や新陳代謝の
促進に必要なことなのですが、それは動物たちにとっても同じこと。
人間の場合、最適な睡眠時間は7~8時間と言われていますが、動物の場合は
どうなのでしょうか。

面白い資料を見つけたのでご紹介しましょう。「動物の睡眠時間」です。

20時間 オオナマケモノ
18時間 オオアルマジロ
16時間 ホッキョクジリス
14時間 ネコ、ハムスター
13時間 ハツカネズミマウス、ハイイロオオカミ、ジリス
12時間 ホッキョクギツネ、ゴリラ、アライグマ
11時間 ビーバー、スローロリス
10時間 ジャガー、ベルベットモンキー、サバクハリネズミ
 9時間 チンパンジー、ヒヒ、アカギツネ
 8時間 ヒト、ウサギ、モルモット、ブタ、ハリモグラ
 6時間 ハイイロアザラシ、ブラジルバク
 5時間 キノボリイワダヌキ、ハイラックス
 3時間 ウシ、ヤギ、アジアゾウ、アフリカゾウ、ロバ、ヒツジ
 2時間 ウマ

Meddis,R,"Sleep Instinct" R.K.paul,London (1977)
(睡眠 井上 昌次郎著 化学同人より)
動物の名称をわかりやすい名前に一部変えています。

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他の資料では、キリンは「睡眠時間が1時間」という話もありました
(マサイキリン ケニア・マサイマラ国立保護区)

一般的には…
1.飼育されている動物よりも、野生動物の方が睡眠時間は短い
2.肉食動物よりも、草食動物の方が睡眠時間は短い
3.小型の動物よりも、大型の動物の方が睡眠時間が短い

と言われているようです。

「1」「2」は、これは「採食時間」に関係があるようです。
野生動物は食べ物を自分で確保しなければなりませんから、動物園の動物に
比べると採食に費やす時間が長くなり、そのぶん睡眠時間が短くなります。

また、肉は高たんぱく、高カロリーなので、肉食動物は食べる量が少なくても
(=採食時間が少なくても)体を維持できますが、草は低カロリーなので、
草食動物は多量の草を食べないと(=採食時間が長くなる)生きていけません。
そのため、草食動物の方が採食時間が長いぶん、睡眠時間が短くなるようです。

ただ、「3」については一概には言えないようです。
というのも、上の「動物の睡眠時間」の表をご覧になるとおわかりのとおり、
ジリスやハツカネズミよりもはるかに大型のナマケモノやアルマジロの方が
睡眠時間は長い…となっています。

それに、睡眠時間が2時間とか3時間のヤギやウシ、ウマなども、動物園や
牧場で見ると、日中からウトウトしていてそれ以上に寝ているように見えます。
もしかしたら、上の表での「睡眠時間」というのは、いわゆる「熟睡」のことで、
ウトウトするような居眠りとは別のことなのかもしれません。

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そんな難しい話を聞くと、ホントに眠たくなっちゃうよ…むにゃむにゃ
(シロサイ 静岡市日本平動物園)

そうですよね…そんな難しい話はさておき、ともかく野生動物も動物園の動物も、
昼間からウトウトとしているのは事実で、私自身も「もうちょっと起きて動いて
くれるといいのになぁ」と、よく思います。

でも、動物たちがウトウトするのは「することがないから」ではなく、ちゃんと
理由があるのです。

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「ZZZ・・・」 (ニホンザル 富山市ファミリーパーク) 

動物たちは、子孫を増やしていくことが、生きていく上での最大の「仕事」です。
そのために必要なこと以外はしないのです。

「食べる」という行為は、自らの生命を維持し、子孫を増やすために必要なこと。
ケンカもしますが、それはメスをめぐる争いだったり、自分の縄張りを守るため、
つまりこれも「生きて子孫を残すため」に必要なことです。
動物の子供はよく遊びますが、それはハンティングの練習や、生きていくための
知恵を身につけることが主な目的です。これも生きていくために必要なことです。

動物たちは、生きていくための必要最低限のことしかしない…つまり、「食べる」
「子孫を残す」以外のことには、エネルギーを使わないのです。

野生動物は食べ物に恵まれていませんから、必要以外のことにエネルギーを
使い、体力を消耗することを避けようとします。
家畜であるヤギやウシも、もともとは野生動物ですから、やはりそうした性質を
引き継いでいます。

動物たちが昼間からウトウトしているのは、実は「無駄なことに体力を使わない」
という、非常に合理的な理由があるから…ということなのですね。

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居眠りするには、居眠りをする理由があるんです。
(パタスザル 愛媛県立とべ動物園)

言い換えれば、厳しい環境で生きていかなければならない動物だからこそ、
こうした「ウトウト」が必要になる、ということになるのかもしれません。

昼間から寝てばかりいる動物には、そうした体力の温存という目的もありますが、
その他に「夜行性だから昼間は寝ている」という動物や、「栄養摂取量が不十分
なので、寝て過ごさざるを得ない」という、意外な動物もいます。

これから3回に分けて、「寝てばっかり」の動物をご紹介することにしましょう。

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ウトウトするのって、気持ちイイんだよね…
(ニホンリス 都立井の頭自然文化園)

※【いつも、ウトウト】シリーズ
【いつも、ウトウト(1) プロローグ】
【いつも、ウトウト(2) ライオンは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(3) フェネックは今日もお昼寝】
【いつも、ウトウト(4) コアラは今日もお昼寝】

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