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2010年7月

2010年7月28日 (水)

真夏の動物園より…

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暑中お見舞い申し上げます。
(ボルネオオランウータン 都立多摩動物公園)

いやはや、連日暑いですね。

私が子供の頃は、気温が30℃ともなると「暑い!」と思い、プールの授業が
待ち遠しかったものですが…昨今では気温30℃は「東京の夏なら当たり前」
という気温になってしまいました。

たった三十数年で、それだけ温暖化が進んだということなのでしょうが…

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暑いよぉ~ (クモザル 桐生市立桐生が岡動物園)

これだけ日中は35℃前後まで気温が上がり、夜も25℃を下回らない日が
続くと、もはや日本の夏は「温帯の夏」ではなく「熱帯の夏」に近いのでは
ないだろうか、と思ってしまいます。

そんな暑さの中、動物園の動物たちも…

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日本の夏は暑いです… (シフゾウ 都立多摩動物公園)

動物園には、暑い場所に住む動物から寒い場所に住む動物まで、いろいろな
動物がいます。言うまでもなく、寒い場所に住む動物にとって、日本の夏は
かなり堪えるようで…

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もう、やる気が何も起きませ~ん
(レッサーパンダ 県立いしかわ動物園)

中国内陸部の寒い所に住むレッサーパンダはもちろんのこと、その名の通り
いかにも暑いところが苦手そうなユキヒョウも、

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この暑さ、何とかならんのかねぇ… (ユキヒョウ 都立多摩動物公園)

どうにもならない様子ですし、

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ここ日本生まれのペンギンたるもの、暑さに負けてはならぬ…
(フンボルトペンギン 愛媛県立とべ動物園)

と、じっとガマンしていたペンギンも、

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やっぱり、プールは涼しいねぇ… (同上)

と、たまらずプールに飛び込んで涼んでいる様子。
寒いところの動物ばかりでなく…

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もう、ここから動けませ~ん (アジアスイギュウ 多摩動物公園)

暑い東南アジアからやってきたアジアスイギュウでさえも、この有り様。
同じく東南アジアにいて、暑さには強いはずのアジアゾウも、

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暑いから、外に出たくないよ…
(アジアゾウ 長野市立茶臼山動物園)

…と、外に出たがりません。夏の砂浜に行くと、甲羅干しをしている人を
よく見かけますが、本家本元の「甲羅干し」のカメさんも、

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こんな日に水から出て甲羅干しなんて、干からびちゃうよ。
(アカミミガメ 桐生市立桐生が岡動物園)

と、さすがに水から出てきません。

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雨でも降らないかなぁ… (ミーアキャット 羽村市動物公園)

そう、夕立でも来て涼しくなって欲しい気持ちも、よ~くわかりますが、
ひとたび雨が降ると、降ったら降ったで集中豪雨になったりしますから、
この夏はホントに異常ですね。

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うーん…たしかに、異常だ。 (アライグマ 羽村市動物公園)

そんな暑さの中で、暑いのをそれなりに楽しんでいる動物もいたりします。

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こんにちは~、ベンガルトラのシズカです。暑さに負けていませんか?
(ベンガルトラ 都立多摩動物公園)

トラはネコ科の動物なのに、水遊びが大好きです。

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ひゃ~、気持ちイイ! (同上)

トラがいる動物園には、たいていパドック(運動場)には小さなプールが
あって、夏の暑い日にはプールで涼んでいるトラを見ることができます。

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ん?この気持ちよさを、他のネコ族はご存知ない!? (同上)

東南アジアの温暖な地域に住むベンガルトラは、泳ぎも達者なのですが、
同じトラでも、寒いところに住むアムールトラなどは泳がないのだとか。

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暑いけど、ボクは泳ぎませんっ! いや、泳げませんっ!!
(アムールトラ 長野市立茶臼山動物園)

水と縁が深い動物といえば、やはりコチラの動物でしょう。

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ひょえ~、気持ちいい~! (カバ 愛媛県立とべ動物園)

いかにも涼しげなカバさんです。他の動物たちからも羨ましがられそう。

真夏の動物園も、動物たちのダレた姿を見ることができて、それはそれで
けっこう楽しいものです。夏休みも始まったことですし、真夏の動物園も
ぜひ遊びに行ってみてください。「真昼は暑くて…」という方には、夜の
動物園もオススメ。動物園によっては「ナイトZOO」として、夜8時くらい
まで開園している所もありますから。

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真夏の動物園に来るときは、暑さ対策をお忘れなく~
(ヒョウ 愛媛県立とべ動物園)

その通り、真夏の動物園は地面からの照り返しも多く、想像以上に暑い
ですから、、日焼け対策だけでなく、十分な水分補給もお忘れなく!

【お知らせ!!】
写真がメインの日めくりブログ「一枚の動物写真」を始めました。
ぜひコチラもご覧ください!!

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2010年7月25日 (日)

サバンナの風に聴く(14) 草食動物の共存(4・最終回)

サバンナに生きる多くの種類の草食動物たち。
その草食動物たちが、どのように共存しているのか?

このテーマを取り上げてみたら、あまりにも壮大になってしまいました。
今回はこのテーマの4回目。

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草食動物の話題で4回も続けるなんてねぇ…

まぁ、確かにそうですが…それも草食動物の「共存」などという、お堅い
テーマで4回も連続で恐縮です。が、今回で「最終章」になりますので、
どうかお付き合いください。

さて、前回はサバンナの草食動物の中心を成しているアンテロープ類や、
シマウマなどを「大きなアンテロープ類」「中型Aグループ」「中型B
グループ」と、大まかに3つのグループに分けて、それぞれの「食べ方」
についてお話をしました。

おおまかに言えば、前回のグループ分けで「それぞれが食べ分けをして
いるから、これだけ多くの草食動物たちが共存できる」という結論に
まとめることもできるのですが…

実は草食動物たちは、それぞれの体の特徴によってさらに細かく、草を
食べワケしている、というのが今回のお話です。

以下の話の中で「中型Aグループ」「中型Bグループ」と出てきますが、
「それって何のこと?」という方は、まずコチラをご覧ください。

さて…

中型Aグループは、サバンナ一面に生えるイネ科の植物を主食として
いるのですが、サバンナでも数が多いヌーとシマウマが同じ草を食べて
いたら、あっというまに食べ尽くしてしまうことになります。

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サバンナ一面に生えるイネ科の同じ草を食べているのですが…

でも、現実にはそうなっていません。それはなぜか…。

シマウマは、サバンナで唯一の「ウマ科」の動物です。
ウマ科の特徴のひとつに「門歯」があります。ウマ科の上下の顎には
門歯(つまり前歯)があって、モノを噛み切ることができます。

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ウマの上下の顎には、門歯があるのです。(長野県 滝沢牧場)

シマウマにも上下の門歯があって、草を噛み切ることができます。
そのため、シマウマは草の先端の柔らかい部分だけを好んで噛み切って
食べています。

いっぽう、ウシ科の動物には上あごに門歯がありません。
そのぶん舌が長くなっていて、舌先と下の門歯を使って、草の真ん中を
刈り取るようにして食べるのが特徴です。

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ウシ科のバッファローにも、上の門歯がありません。

唐突ですが、田んぼのイネを想像してみてください。

たわわに実ったイネの穂先部分を、ハサミで切り取っていく…これが、
シマウマの食べ方です。

そして、穂先が切り取られた後に残った茎や葉の部分を、手でたぐり
寄せながら鎌(かま)で刈り取っていく…これがヌーたちの食べ方です。

この「ハサミ」にあたる部分がシマウマの上下の門歯で、「手でたぐり
寄せる」のがヌーたちの「長い舌」の役割で、刈り取る「鎌」にあたる
部分が下の門歯、ということになります。

この食べ方の特徴は口の形にも現れていて、草の先端をつまみ食いする
シマウマは口先が細くなっているのに対し、草をかき込みながら食べる
ヌーやバッファローの口先は幅広くなっています。

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ヌーの口は幅広くなっていているので、草を効率よく食べられます。

こうして同じイネ科の草を食べているシマウマやヌーは、食べる部分が
違うために「共存」することができているのですね。

さて、イネ科の草の先端部分をシマウマが、茎や葉の部分をヌーたちが
食べたあとに、トムソンガゼルやインパラといった「Bグループ」の
動物たちが草を食べるのですが…。

この「Bグループ」の体にも、共通した特徴があります。

トムソンガゼルとインパラの「口の形」に注目してみてください。

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こちらはトムソンガゼルです。

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こちらはインパラです。

ヌーに比べると口先が尖っていて、小さいですよね?

これが「(3)中型Bグループ」の特徴なのです。彼らはヌーたちが
刈り取るようにして食べた後に生えてくる、柔らかい草の部分を好んで
食べています。そのため、選んで食べやすいように口先が小さく尖って
いるのですね。

イボイノシシも、インパラたちと同じように根元に生える柔らかい草を
好んで食べていますが、彼らの場合はその食べ方に特徴があります。

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イボイノシシの食べ方といえば…

前脚を折って食べる、この食べ方!これがイボイノシシの特徴でね。

家族そろって、こうした食べ方をしている光景は、なんとも微笑ましい
ものですが、イボイノシシも警戒心が非常に強いため、そんな光景を
写真に収めることが、なかなか難しい動物です。

小難しい話を長々と書き綴ってしまいましたが…

こうして、同じサバンナに住む草食動物でも「木の葉」「草」という
食べ分けがあり、さらに「木の葉」でも「高い木」「低い木」という
食べ分けが、「草」でも「先端」「真ん中」「根元」という食べ分け
があるからこそ、多種多様な草食動物が共存できるワケです。

さらに、そこに「草を求めて移動する」ということが加わることで、
草は食べつくされることなく再生され、多様な草食動物を養うだけの
植物が保たれていく、ということにつながっています。

自然界の「共存」というのは、本当に見事なものです。

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その共存は、途方もなく長い時間をかけてできたものです

しかし、こうした共存は草食動物どうしだけでなく、植物や気候との
微妙なバランスの上に成り立っていて、その一部が崩れてしまうと、
すべてが崩れてしまう、という脆さを同時に持っています。

地球温暖化、環境破壊、密猟など…私たちがそうしたバランスを崩す
原因を作っているのは悲しい現実ですが、いっぽうで人知を以って
すれば、バランスを維持することが可能なのも事実です。

そういう意味では、草食動物たちの「共存」とは、私たち人間との
「共存」と同じ意味なのかもしれません。

【これまでの「草食動物の共存」記事】
草食動物の共存(1)はコチラ
草食動物の共存(2)はコチラ
草食動物の共存(3)はコチラ

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2010年7月22日 (木)

サバンナの風に聴く(13) 草食動物の共存(3)

アフリカのサバンナには、多くの種類の草食動物がいます。
彼らは草原の植物を上手に「食べ分け」して共存ている、というお話の
第3回目。前回は「体の大きさで食べ分けをしている」ということで、
大型の草食動物であるキリンやクロサイ、そして食べ分けどころか何でも
食べてしまうゾウののお話をしました。

今回は、サバンナの草食動物の主役と言うべきアンテロープ(ウシ科の
仲間たち)とシマウマなどについて、お話することにしましょう。

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サバンナの草食動物で、もっとも数が多いのが、ヌーとシマウマです。

サバンナの草食動物でもっとも種類も数も多いのがアンテロープ類です。
そのうち最大のものがエランド。

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ども、エランドです。

この写真だと比較するものがないので、その大きさがわかりにくいですが、
エランドの肩高は大きいもので180センチ以上、体重は900kg以上にもなり、
大きさはクロサイと大差はありません。(体重は全然違いますが)

ちなみにこのエランド、体が大きい割には大変臆病で、少しでも近づくと
すぐに逃げてしまう、撮影がとても難しい動物のひとつでもあります。

次に大型なのがコチラでしょう。

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ハート型のお鼻が自慢です。

かわいいお鼻のウォーターバックです。顔つきはシカによく似ていますが、
ウォーターバックもウシ科の動物。オスのツノは、かなり立派です。

エランドやウォーターバックを便宜的に「大きなアンテロープ類」という
グループにすることにします。そうなると、次は「中型のアンテロープ」
ということになるのですが、こちらはこの後の説明をしやすくするために、
中型Aグループ」と「中型Bグループ」と分けることにします。

中型Aグループ」の代表的な動物はコチラ。

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サバンナでもっとも数が多いのは、僕たちで~す。

はい、サバンナの代表的動物といえば、なんといってもこのヌーです。
野生動物の王国、ケニアのマサイマラ国立保護区と、マサイマラに隣接
している隣国タンザニアのセレンゲティ国立公園には、150万頭前後の
ヌーがいて、全草食動物の半分近くの数を占めています。

たぶん、マサイマラやセレンゲティに限らず、東アフリカのサバンナ全体
でも、このヌーが一番多い動物だということは間違いないでしょう。

アンテロープ類ではありませんが、「中型Aグループ」にはシマウマも
仲間に入れることにします。

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草食動物といえば、僕らを忘れてはいけませんよ(グラントシマウマ)

シマウマもサバンナでよく見かける草食動物で、マサイマラとセレンゲティ
地域では、草食動物全体の2割弱を占める数です。

そして、忘れてはならないのはこの動物たち。

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ウシ科のアンテロープ?…それよりもウシに近いのは僕らだよ。

そう、その名も「牛」の文字が付くアフリカスイギュウ(バッファロー)。

サバンナで「もっとも注意しなければならない動物」というのが、実は
このバッファローです。安易に近づくと、まさに闘牛のように突進して
くるのだとか…優しそうな顔つきをしているのですけど。

ちなみにサバンナでの「要注意動物」というのは、バッファローの他には
カバ、ゾウになります。ライオンやチーターではないのですね。

さて、ヌー、シマウマ、バッファローを「中型Aグループ」としたら、
次は「中型Bグループ」です。

中型Bグループの代表はこの動物たちです。

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僕らはトムソンガゼル。「中型」というより、小柄なんだけどね。

トムソンガゼルも、サバンナで最も多く見かける草食動物のひとつ。
その数はシマウマよりも多いのですが、あまりに当たり前に見られるのと、
小柄の草食動物ということもあってか、だんだん視界に溶け込んでしまい、
だんだん眼に入らなくなって…

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なぬ~!?眼に入らないとは失礼な!

すみません…でも、草食動物の「共存」を語る時に、外すことができない
動物がこのトムソンガゼルなんです。

トムソンガゼルのほかに、Bグループには…

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なにか、面白いことないかなー。今日もヒマだなぁ…

…とでも言っていそうなこの動物、インパラにも入ってもらいます。

そしてアンテロープ類以外から、この動物にもBグループに入ってもらう
ことにしましょう。

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ども。イボイノシシと申します。

イボイノシシも、数少ない「アンテロープ以外の草食動物」のひとつです。
もちろんイノシシの仲間で、いつも家族一緒に仲良くしています。

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やっぱり、平和な家族がいちばんだよね。

というワケで、まとめると、以下のようなグループに分けました。
 (1)大きなアンテロープ類 エランド、ウォーターバック
 (2)中型Aグループ →ヌー、シマウマ、バッファロー
 (3)中型Bグループ →トムソンガゼル、インパラ、イボイノシシ
この他にも草食動物は数多くいるのですが、説明をしやすくするために、
とりあえずこの3グループでお話をすることにします。

実は、これがそのまま「食べ分け」の分類にもなっているのです。

(1)大きなアンテロープ類
体格が大きいので草を主食とはせず、低木の葉を中心に食べています。
むしろキリンやサイに近い「食べ分け」の仕方です。

(2)中型Aグループ
地面に生えている、背の高いイネ科の草を中心に食べています。
しかし、Aグループの中でもさらに「驚きの食べ分け」をしています。

(3)中型Bグループ
ヌーやシマウマたちが食べた後に、地面に生えてくる柔らかい草を
口先で選びながら食べています。

…と、まとめて説明してしまえばコレでおしまいなのですが、こうした
「食べ分け」のために、それぞれの体には特徴がある、というお話を
しなければ面白くありませんね。

今回も「まだまだ続く」という感じなので、この続きは次回にすること
にしましょう。


【「草食動物の共存」つづきとこれまでの記事】
草食動物の共存(1)はコチラ
草食動物の共存(2)はコチラ
草食動物の共存(4・最終回)はコチラ

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2010年7月19日 (月)

小さな動物園から(1) 桐生が岡動物園

日本には150ほどの動物園と水族館があります。そのうち動物園は
90ほど。ずいぶんとたくさんあるものです。

これほど小さい国に、こんなにたくさんの動物園・水族館がある…
というのはちょっとした驚きです。ちなみに世界で動物園と水族館が
いちばん多い国はアメリカ。日本はその次に多いそうで、日本の次に
ドイツ、オランダ…と続いているようです。

しかし…「そんなにたくさんあるの?」と実感が湧かないというのが
実際のところです。日本には旭山動物園、上野動物園、多摩動物公園、
よこはま動物園ズーラシア、東山動物園、天王寺動物園など、有名な
動物園も多いですが、それらは大規模で施設も立派で、入園者も多い
動物園。そんな動物園が90もあるとは思えないは当然のことです。

実は、90もある動物園の多くが上野動物園や天王寺動物園のような
大規模動物園とは決して言えない、小さい動物園なのです。

そんな動物園のひとつ、桐生が岡動物園へ行ってきました。

群馬県の北東部、栃木県との県境に近い桐生市。
桐生が岡動物園は、桐生市の外れの小高い丘にある市立動物園です。

市立動物園とはいえ、珍しい「入園無料」の動物園。
そのため、動物園によくある立派なゲートもなく、近所の公園にでも
入るような気軽な入り口です。

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桐生が岡動物園の入口(北口)、もちろん出入りは自由です。

桐生が岡動物園は昭和28年開設。それ以前からも、現在の動物園がある
桐生が岡公園には、なんと大正時代から動物が展示されていたそうで、
実は非常に歴史がある動物園です。

とても小さな動物園で、動物を見て回るだけならば1時間もかからずに
園内を1周することができてしまいます。

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ほのぼのとした、この入口の絵が楽しさをより増してくれます。
(動物園南口のゲート)

駐車場に近い北口から入ると、最初にペンギンが出迎えてくれます。

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やぁ、桐生が岡動物園へようこそ! (フンボルトペンギン)

園内には子供たちに人気のキリンやシマウマ、そしてライオンまでいて、
特にキリンは桐生が岡動物園で繁殖にも成功しており、昨年、一昨年に
生まれたまだ小柄で可愛いアミメキリンを見ることができます。

その他には、ニホンジカとか…

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トウキョウから来たの?遠くから、よく来たねぇ… (ニホンジカ)

私が好きなマーラくんとか…

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あのデカいカメラを持った人、ちょっと怪しくな~い? (マーラ)

可愛い動物、お馴染みの動物たちが小さな園内のあちこちにいます。

もちろん、動物園の人気者ナンバー1といえば…

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ゾウもいますゾウ…って、オヤジギャグ!? (アジアゾウ)

日本で5番目に長寿のアジアゾウ、イズミさん(54歳)もいます。

そんな中で目立っていたのが立派なクモザル舎。
園内のほぼ中央に位置していて、ダイナミックに文字通り「飛び回る」
クモザルたちを運動場の上と下、そして観察窓から間近に見ることが
できます。

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クモザル、といえばこのスタイルだよね。

クモザルは6頭。運動場をホイッホイッと飛び回る姿もさることながら、
間近でみられるので、それぞれの個性がわかってとても楽しいのです。

中でもいちばん個性的だったのが、このクモザル。

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♪Billie Jean is not my lover…♪

まるで歌っているようです。彼の動きを見ていると、なぜか私の頭の
中に浮かんだのはマイケル・ジャクソンの「Billie Jean」の曲…。

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Beat it~♪ Beat it~♪

うーん、同じくマイケルの「Beat It」でもイケるかもしれない。

…と、実はこれはもちろんマイケルの真似をしているワケではなく、
歌っているワケでもありません。どうやら彼は自分の手を舐めては噛む、
というクセがあるらしく…

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あんぐっ…

その仕草が、「熱唱するマイケル」を連想させたのでした。

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あら、見てたのね~

そんなクモザルたちの中に、こんな光景が…

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これはいったい??

もう少し近づけて見てみると…

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もしかして、赤ちゃん!?

そう、そうなんです。
小さな小さな赤ちゃんが、お母さんの腰にしっかりとしがみつきながら
ウトウトと寝ていたのです。

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かぁちゃんの背中って、気持ちいいんだ…

小さい子供なのに、飛び回るお母さんの腰からも離れません。途中で
落っこちてしまうんじゃないか、とハラハラしちゃうのですが…

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「猿も木から落ちる」って、聞いたことあるけど…落ちたことないよ。

この子はもちろん、桐生が岡動物園生まれで、この子にとっての世界は
クモザル舎がすべて。でも、お母さんや兄弟にとても可愛がられていて、
狭い世界ながらも、これからもきっと楽しい日々を過ごすことができる
でしょう。

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また会いにきてね!次は、きっと兄ちゃんと一緒に飛び回っているよ。

桐生が岡動物園には、なんと水族館もあります。

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一軒家のような水族館です。

小さな小さな水族館でしたが、キリンやゾウなどの人気動物たちに加え、
こうした水族館まで併設しているとは…市民に少しでも多くの動物たちに
接する機会を持ってもらい、親しみをおぼえて欲しいという動物園の
願いが強く感じられます。

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ご来園の際には、水族館にも是非お立ち寄りくださいませ
(アフリカンロックモニター オオトカゲの仲間)

桐生が岡動物園は、とても小さな動物園でしたが、私は結局開園から
閉園に近い時間まで、時間の許す限りを園内で過ごしていました。

小さな動物園には、大規模な動物園とは違った魅力があります。

資金が豊かな大規模動物園とは異なり、小規模な動物園は動物たちを
維持していくのが精一杯で、施設を新しくしたり、新たな動物を入れる
余裕がない所が多いのが現状ですが、「市民に近い動物園」を目指して
手作りの工夫をこらしている所も多いものです。

それらの工夫が、私たちと動物たちとの距離を近くしてくれています。
そして、何よりも「心温まる動物園」になっています。

これからも、ときどきそんな「小さな動物園」をご紹介していこうと
思っています。皆さんも、ぜひ「近所の小さな動物園」にも足を運んで
いただき、大規模な動物園にはない魅力をたくさん感じてみて下さい

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また来いよ~!いつでも待ってるからね (アライグマ)

【桐生が岡動物園のミニ情報】
入園料・駐車場ともに無料の、まさに「市民動物園」です。
遊園地が隣接しているので、動物園を見たあとに遊園地で遊ぶのも
良いと思います。

駐車場がある側が北口で、園内を通り抜けると南口があります。
園内は小さいため、お弁当などを広げて食べる場所はありませんが、
南口には広い公園があり、そこでお弁当を食べることができます。

園内に売店や食堂、自動販売機はありません。
北口と南口に小さなお店があるので、そこで飲み物を買うことは可能。
隣接している遊園地入口にも、飲料の自動販売機があります。

営業時間、アクセスなどの詳しい情報はコチラへ。

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2010年7月14日 (水)

サバンナの風に聴く(12) 草食動物の共存(2)

決して「豊かな大草原」とはいえないサバンナ。
なのに、どうしてこんなに多くの種類の草食動物たちが生きていけるのか…

前回の「草食動物の共存(1)」は、「草食動物には共存のスタイルがある」
と言ったところで、第1話が終わってしまいました。

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だって、それ以上続けたら長くなっちゃうからね。
(ハーテビースト ケニア・マサイマラ国立保護区)

そうなんです、おっしゃる通り…というワケで。

これから2回に分けて、その「共存のスタイル」について、お話することに
しましょう。今回はその1回目ということで、「背が高い動物と低い動物」
というお話です。

サバンナには大小さまざまな動物たちがいます。
ウサギやリスなどの小動物を除けば、いちばん小型のアンテロープである
「キルクディクディク」が体長50センチ程度。

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ボクがサバンナでもっとも小さいアンテロープだよ。
(キルクディクディク ケニア・サンブール国立保護区)

いっぽう、サバンナ最大の動物といえば何といってもアフリカゾウで、
その体長は6~7mですから、ディクディクの12倍以上の大きさです。

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大きいことはイイことだ~
(アフリカゾウ ケニア・マサイマラ国立保護区)

「体長」としてはアフリカゾウが最大級ですが、「体高」として最大なのは
キリンですよね。キリンは大きなものになると体高が5m以上あります。
キルクディクディクの体高も50センチ程度ですから、これまた10倍以上。

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毎日、眺めの良い生活をしています。
(マサイキリン ケニア・マサイマラ国立保護区)

もし、仮に私たちがディクディクの立場だとしたら…

大型トラック並みの大きさのゾウが私たちの横を歩き、奈良の大仏ほどの
高さのキリンが目の前を横切って行くことになるのですから、サバンナの
動物たちの大きさの違いといったら…すごいものですね。

さて、そんな大きなゾウも、高いキリンも、小さなディクディクもみんな
草食動物として、サバンナで共存をしています。これまでにキリンが
シマウマを追い払ったり、ゾウが鼻を高く上げてヌーを威嚇している姿を
見たことがありません。

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ゾウに踏まれそうになったこと?そういえば、そんなコトないなぁ
(キルクディクディク サンブール国立保護区)

なぜ、食べ物を巡っての争いが起きないのか。

それは、その「大きさの差」がひとつの理由になっています。

普通に考えると、体の大きい動物が強く、体の小さい動物は大きな動物に
追い立てられているように思えるのですが…

でも、サバンナでは、
 「体が大きいから食べられるもの」を食べる
 「体が小さいから食べられるもの」を食べる

という「食べ分け」が見事にできています。これは、逆に言えば、
 「体が大きいと食べにくいもの」は食べない
 「体が小さいと食べにくいもの」は食べない

ということでもあります。

いちばんわかりやすいのはキリンです。

以前に、「キリンの首はなぜ長い」で、キリンは首が長いので草食動物が
主に食べる草ではなく、高い木の葉を食べることができる…ということを
ご紹介しました。

これが典型的な「体の大きさによる食べ分け」の一例です。

ちなみに、キリンの特徴は「首が長い」と考えがちですが、脚もとっても
長いのです。小さい体と長い脚、そして細い首…見事なプロポーション!

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かあちゃんも、若い頃からモデル体型だったんだよね。
(マサイキリン マサイマラ国立保護区)

でも、そんな見事なプロポーションがゆえに、地面に首を近付けるのは
至難の技…とても地面に生える草を食べることはできません。

小型のアンテロープが食べる草を食べずに、高い木の葉を食べることで、
キリンは他の草食動物との「共存」ができている、ということですね。

キリンの他にサバンナで木の葉を食べる動物といえば、クロサイもいます。

サバンナにはクロサイとシロサイの2種類がいて、それぞれの違いについて
なんでシロサイ?どうしてクロサイ?」でご紹介したことがありますが…

クロサイは体は大きいものの、キリンと違って脚も首も短いので、地面に
生える草を食べやすい体型なのですが、低木の葉を主に食べています。

そのため、口先でつまみ取って食べやすいように、クロサイの上唇部分は
尖っていて、口先が三角形になっているのが特徴です。

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シロサイさんは、地面の草を食べているんだけどね。
(クロサイ マサイマラ国立保護区)

クロサイも、数が多いアンテロープやシマウマたちが食べる草ではなく、
低木の葉を食べることで「共存」ができていることになります。

クロサイは絶滅危惧種で、サバンナには現在2千数百頭しかいませんが、
実は100年ほど前には数十万頭いたと言われています。
こんなに大型の動物が数十万頭もいると、食べる量も半端じゃないハズ。

でも、こうして他の草食動物が食べない低木の葉を食べることによって、
食物の競合を避け、共存ができたからこそ、数十万頭も存在しえたのだ
と思います。

数十万頭もいたクロサイが、たった100年ほどで2千数百頭にまで
数が減ってしまった原因は、言うまでもなく「人間」なのですが…
(詳しい内容についてはコチラをぜひご覧ください)

さて、体が大きい動物の代表格で忘れてはイケナイのが、ゾウです。

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忘れちゃいけないゾウ~ (アフリカゾウ サンブール国立保護区)

ゾウといえば、その特徴はなんと言っても長い鼻です。
長い鼻を器用に使う姿を動物園でご覧になった方も多いと思いますが…

実はその「器用な鼻」が、野生動物界ではちょっと問題になっています。
というのも、ゾウは他の草食動物と「共存」ができていないからです。

陸上最大の哺乳類であるゾウは、体も大きいぶん食べる量も半端ではなく、
野生のアフリカゾウは1日に150Kgもの量を食べると言われています。
それだけの量を食べようとすると、ほぼ1日中を「食べること」に費やし、
食べるものも地面に生える草から高い木の葉まで、およそ植物というもの
すべてを選り好みせずに食べないと、巨大な体を維持できません。

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食べ物を選り好みしていたら、ダメなんです…
(アフリカゾウ サンブール国立保護区)

ゾウの鼻が長くなったのは、地面の草をむしり取ったり、高い木の葉を
ちぎったりして大量の食物を確保し、その巨体を維持するためであり、
逆にゾウが巨大であることができるのも、その長く器用な鼻のおかげ、
ということでもあるのですね。

ところが、その器用な鼻で、植物なら何でも大量に食べてしまうゆえに、
ゾウが他の草食動物との「共存」どころか、「圧迫」をしてしまっている、
という現実があります。

人間がサバンナに進出してくる以前は、ゾウが移動するサバンナの範囲が
とても広大だったので、たとえ大量に草や木の葉を食べても、ゾウが他の
地域に移動している間に、植物は再生をすることができました。

でも、人間の生活地域がサバンナに進出し、ゾウの生息地域が限られて
くると、ゾウは狭い地域に留まるようになり、植物の再生が追いつかなく
なってしまい…挙句の果てにはサバンナが砂漠化してしまい、他の動物が
生きていけなくなっている、つまり、「共存ができない」ということが現実に
起こっています。

ケニアのアンボセリ国立保護区ではその傾向が強く、増えすぎたゾウを
他の動物保護区に移送するなどの対応が取られていますが、地球温暖化の
影響も相まって砂漠化が止まらず、対応に苦慮しているそうです。

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かつては「共存」できていたはずのゾウなのですが…
(アフリカゾウの家族 ケニア・アンボセリ国立保護区)

他の草食動物と共存できなくなりつつあるゾウではありますが。

でも、ゾウは「何でも食べてしまう、草食動物の敵!!」ということでも
ありません。というのも、食べる量も半端でなければ、「出す量」も
半端ではないからです。

1日150kgの植物を食べるゾウですから、糞の量も100kg前後にもなります。
それだけ大量の糞をサバンナに落としながら移動していくということは、
それだけ優良な肥料を撒きながら移動していることと同じこと。
そこにはやがて、草食動物たちが好む柔らかな草が生えてくるのです。

つまり…バランスの良い状況であれば、ゾウもやはり他の草食動物たちと
ちゃんと「共存」しているワケですね。

こうして体の大きい草食動物たちは、小さい草食動物たちと食べるものを
分けることによって共存したり、同じ草を食べたとしても、その後にまた
草が生えてくるようなサイクルを保つことによって、「共存」しています。

そうした「食べ分け」をするために、体の型にもそれぞれの特徴がある、
というのも、これまた進化の驚くべき姿と言えるかもしれません。

では…

サバンナの草食動物の中では、圧倒的多数を占めるシマウマやヌーなど、
小型の草食動物たちは、いったいどうやって共存しているのか!?

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次回は、いよいよ僕らのアンテロープのお話だよ。
(ウォーターバック マサイマラ国立保護区)

その話はまた次の機会にすることにしましょう。
ちょっと難しくてわかり辛い話題が続いていますが、そこには驚くべき
事実がありますので、お楽しみに!


【「草食動物の共存」つづきとこれまでの記事】
草食動物の共存(1)はコチラ
草食動物の共存(3)はコチラ
草食動物の共存(4・最終回)はコチラ

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2010年7月 7日 (水)

サバンナの風に聴く(11) 草食動物の共存(1)

サバンナで人気がある動物、その筆頭はなんと言ってもライオンです。

特にライオンのオスは大迫力。その堂々たる風格と、「百獣の王」の
オーラを放つ存在感には圧倒されてしまいます。

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百獣の王とはオレのことよ。
(ライオン 以下、写真はすべてケニア・マサイマラ国立保護区)

サバンナにはライオンをはじめ、チーターや…

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どこまで見ても、草原しかないなぁ (チーター)

ヒョウといった大型ネコ科の動物たけでなく…

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今日はおすまし、してみました。 (ヒョウ)

サーバルキャットや…

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へ? 誰か呼んだ? (サーバルキャット)

ハイエナや…

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本日はもう終了で~す (ブチハイエナ)

ジャッカルなど…

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あー、忙しい忙しい。あくびしてても、忙しいなぁ (セグロジャッカル)

実に多くの種類の肉食動物がいます。そして、地上だけでなく空にも…

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ん?オレタチのことか? (ミミヒダハゲワシ)

多くの種類の猛禽類がサバンナで生きています。

大型肉食動物は、オセアニアを除く(*)世界各地に分布していますが、
1ヶ所でこれほど多種多様な大型肉食動物がいるのは、私が知る限り
アフリカのサバンナしかないと思います。

なんでサバンナには、こんなに多くの種類の肉食動物が存在するのか…
それは言うまでもなく、サバンナには数多くの草食動物がいるからです。

ケニアの代表的な動物保護区、マサイマラ国立保護区は、150万頭とも
200万頭とも言われるヌーが数千~数万頭の群れをつくり、タンザニアの
セレンゲティ国立公園との間を大移動することで有名です。

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ヌーの群れは、どこまでも、どこまでも続くことがあります。

150万、200万という数のヌーもさることながら、マサイマラ国立保護区
には、実に多くの種類の草食動物たちがいます。

ヌーに次いでサバンナの代表的な草食動物といえば、シマウマですが…

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家族みんな、いつも一緒だよ (グラントシマウマ)

シマウマの他にも、トピとか…

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あー、かゆい、カユイ (トピ)

インパラとか…

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オス1頭で、これだけ養うのもラクじゃないんだよね…
(インパラのハーレム オスがどこにいるか、わかりますか?)

他にも、サバンナのスプリンター「トムソンガゼル」や、それより少し大柄の
「グランドガゼル」、ハートマークの鼻の「ウォーターバック」、ウシ科なのに
”雄シカ”が名前の由来になった「ハーテビースト」、その名の通りブッシュ
(木の繁み)に隠れていてあまり見られない「ブッシュバック」、オトナでも
体長が50センチ程度の「キルクディクディク」や、大型のオスになると
体重が1トン近くにもなる、最大のアンテロープ「エランド」など…

まるでアンテロープの総合博物館みたいです。
(アンテロープって?…はコチラです)

もちろん、アンテロープの他にも、マサイマラ国立保護区にはキリンやサイ、
カバ、イボイノシシ、バッファローなど、実に多様な草食動物たちがいます。
これだけ多くの種類、頭数の草食動物がいるから、肉食動物たちも生きて
いける、ということなのですね。

さて、肉食動物を支えるのが草食動物ならば、草食動物を支えているのは
当然「草(木の葉を含む)」です。

でも、アフリカのサバンナは半乾燥地帯であり、土地も肥沃ではないので、
熱帯や温帯の雨が多い地域とちがって、草がどんどん生えてくるような
環境ではありません。

また、植物の種類も少なく、草原に生える草はほとんどがカヤの種類で、
場所によっては「一種類の草」が広大な草原を覆っていることもあります。

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草食動物たちを支えているのは、こうした素朴な草なのです。

決して「豊かな大草原」とはいえないサバンナ。
なのに、どうしてこんなに多くの種類の草食動物たちが生きていけるのか。

実はそこには見事な「共存」のスタイルがあるのです。

これから3回にわたって、そんなお話をしてみようと思います。

(*)オセアニアの大型肉食動物
オーストラリアには「ディンゴ」と呼ばれるタイリクオオカミの亜種がいますが、
これはかつてオーストラリア先住民(アポリジニ)がオーストラリア大陸へ
移り住む際に連れてきた動物が野生化したもので、いわば「野犬の一種」と
言われています。
オーストラリア大陸には、こうして人間が連れてきて野生化してしまった
「ディンゴ」以外には、野生の大型肉食動物は存在していません。


【「草食動物の共存」続きは…】
草食動物の共存(2)はコチラ
草食動物の共存(3)はコチラ
草食動物の共存(4・最終回)はコチラ

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2010年7月 4日 (日)

可愛く撮りたい!

「動物が大好きで、動物の写真を撮っているんです」という話をすると、
「ウチの子をかわいく撮りたいんですけど…コツはなんですか?」と
よく聞かれます。その「ウチの子」とは、言うまでもなく飼っている
ネコであったりイヌのことなのですが…

実はこの質問、答えるのがとっても難しいんです。

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我が家の家族の一員を、可愛く撮りたい…誰もが思うことですね。
(今回の写真はすべて、那須どうぶつ王国)

なぜ「答えるのが難しいのか」というと…

「ウチの子はカワイイ」と思って撮らないことです

というのが、私の答えだからなのです。なんとも冷淡な答え。それに、
「可愛く撮りたい」のに「カワイイと思ってはいけない」だなんて…
そんなの、矛盾していますよね。

でも、こんな経験はありませんか?

たとえば、写真館などでプロに撮ってもらった写真。

出来上がった写真を見ると、花嫁さんがすごく綺麗に写っていたり、
子供や孫がとっても可愛く写っていたり…あるいは家族がとっても
明るく朗らかに写っていて、素敵な「家族の肖像」になっていたり。
そんな写真を見て、「いい表情だなぁ」と新たな発見をする…。

写真館で初めて会ったカメラマンなのに、「なんでこんな表情を撮る
ことができるんだろう」、と驚いた方も多いのではないでしょうか。

もちろんプロのカメラマンですから、カメラもライティングも違うし、
モデルを上手くノセで、素敵な笑顔を引き出す技術も違うのですが、
いちばん違うのは、「被写体を客観的に見ている」ことだと思います。

Nasuanimalkd_d31_0592
客観的に見ている、というのが「可愛く写真を撮る」コツ!?

普段から家族同様に過ごしているイヌやネコは、とても可愛いくて、
とにかく何をしても可愛く見えるものです。「我が子には目が無い」
というのは、親(=飼い主)としては当然のことなのですが…

でも、飼い主が普段感じている可愛さと、そのネコやイヌの普段の
姿を知らない人が見て感じる可愛さは、実は大きく違うのです。
つまり、飼い主が感じる「可愛さ」は主観的であるのに対して、他の
人が感じる「可愛さ」は客観的…ということなのですね。

写真館のカメラマンは、被写体となる人の「普段」を知らないだけに、
写真を見る人の立場で「その人の魅力」を客観的に捉え、その一瞬を
写真に写し込みます。なので、家族が見ても「おっ!」と驚き、新たな
魅力を写真の中に発見する喜びを与えてくれるのでしょう。

『ウチの子はカワイイ』と思って撮らないこと…というのは、つまり
「客観的に撮ること」という意味なのです。

ちなみに、某プロカメラマンは「家族の写真を撮ると、家族からは
いつも『もっと上手に撮って』って、不評なんですよ…」と嘆いて
おりましたが。

それも、やはり「家族を撮るときは、客観的になれない」ということ
なのでしょう。「客観的に撮りましょう」などと、クチで言うのは
簡単なことですが、実はプロにとっても難しいことなのですね。

Nasuanimalkd_d31_0609
ちゃんと、上手に撮ってよねー

そんなエラそうなことを言っている私自身、「客観的」に動物写真を
撮っているなんて、決して言えないですし…私自身は動物を飼って
いませんが、ふと気付くと「かわいいなぁ」と思いながらシャッターを
切っている自分がいたりしますから。

kawaii

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