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2010年8月 1日 (日)

サバンナの風に聴く(15) サバンナの陽射しの下で

今日から8月、これまでも猛暑続きでしたが、これからが夏本番です。

前回の記事では、真夏の動物園で暑さにダレきっている動物たちの姿を
ご紹介しました。「暑中お見舞い申し上げます」と書いてはみたものの、
かえって暑さを実感させてしまうような写真ばかりで、全然「お見舞い」
になっておらず…大変恐縮です。

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ホントは涼しげな写真を紹介しなくちゃ、ダメよね。
(ベンガルトラ 県立いしかわ動物園)

日本では暑い盛りを迎えていますが、サバンナはどうでしょう。

以前の「サバンナの季節」という記事の中で、サバンナには四季という
ものがなく、「雨季」と「乾季」の“二季”しかない…というお話をさせて
いただきました。

ケニアの8月は乾季にあたりますが、1年の中で特に暑い季節でも寒い
季節でもありません。東アフリカは、1年の中で「暑い」とか「寒い」という
気温の変化が少なく、年中ほぼ一定なのです。

アフリカといえば「暑い」というイメージがありますが、ことケニアに関して
いえば国土のほとんどが高地にあるため意外と涼しく、ケニア北西部の
トゥルカナ地方という特に暑い地域を除けば、最高気温はせいぜい30℃
前後、朝晩には気温が10℃くらいまで下がることもあります。

とはいえ、赤道直下の陽射しは強烈で、真昼は気温以上に暑く感じます。
「暑い」と感じるのは私たちだけでなく、野生動物たちにとっても同じ。
哺乳動物は、一部を除くと体温が36~38度なのですから、私たちが暑い
と思ったら、他の動物たちもほぼ「暑い」はずです。

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暑いよぉ… (ライオンの夫婦 マサイマラ国立保護区)

陽射しが強ければ、探すものは野生動物も同じ…それは日陰です。

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日陰でも、暑いことは暑いんだけどね。
(セグロジャッカル マサイマラ国立保護区)

サバンナで日陰といえば木陰のことなのですが、マサイマラのように
一面が大草原でブッシュ(木の茂み)が少ないところでは、木陰は
貴重な場所。わずかな木陰でも、動物たちにとっては極楽です。

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とりあえず木陰。されど木陰…小さな木陰に家族集合。
(チーターの家族 マサイマラ国立保護区)

木陰を見つけられた動物は幸せですが、運悪く近くに木陰がない場合は、
仕方なく草の陰で陽射しを避けることも…

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こんな大草原のド真ん中じゃ、木陰なんて見つからないし…
(チーター マサイマラ国立保護区)

動物たちはあの手この手で陽射しを避けて、少しでも涼しく過ごそうと
しているのですが、こうしてのん気に日陰でグッタリしていられるのは
主に肉食動物たち。草食動物たちは休む間を惜しんで草を食べないと
十分なエネルギーを得られませんから(その理由はコチラ)、木陰で
休んでいる暇などは、あまりないようです。

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僕らは休んでいたら、お腹が空いちゃうからねぇ。
(手前はトピ、その向こうがトムソンガゼル、ケシ粒みたいのはヌー)

そもそも「休む時間が短い」という草食動物の特性に加え、草食動物に
とっては木陰は「危険な場所」ということもあります。

木陰には肉食動物が潜んでいるケースが多く、また、肉食動物がいない
木陰があったとしても、木陰に入ると死角が多くできてしまい、周囲を
見渡すことができません。常に危険がないかどうか、周囲を気にする
草食動物にとっては、「死角が多いこと」はとても危険なので。

とはいえ。

見晴らしが良い草原の中にポツンと立った木の陰では、草食動物たちが
陽射しを避けて休んでいる光景を見ることがあります。

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こんな木陰なら、安全かもね。
(木陰で休むトムソンガゼルたち マサイマラ国立保護区)

そういう安全な木陰は、サバンナでも貴重な木陰なので、こんな光景も。

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みんなで仲良く、休みましょ。
(左からトピ、ハーテビースト、トムソンガゼル、ヌー)

強い陽射しの下でグッタリと休んでいるのは、動物園の動物たちに限った
ことではなく、実は野生動物もまた同じことなのですね。
もちろん、特に動物園の草食動物は他の動物に襲われる心配がないので、
若干「ユルみ気味」ということはありますが…

でも、たとえばこの動物園のシマウマも…

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日本の夏は暑いよぉ、グッタリしちゃうよ…
(グレービーシマウマ 千葉市動物公園)

いっぽう、こちらサバンナのシマウマも…

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サバンナもけっこう暑いよぉ、グッタリしちゃうよ…
(グラントシマウマ マサイマラ国立保護区)

どちらも同じ行動をしています。動物園の動物だからといって、特に
野生動物と違った行動をしている、というワケではないのですね。

ともあれ、まだまだ暑い日が続きます。熱中症に気をつけて、この夏を
乗り切ってください。

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暑いときは、涼しい場所で休むに限ります…
(ヒョウ マサイマラ国立保護区)



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sunshine

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