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2010年9月19日 (日)

敬老の日に寄せて

明日は敬老の日。

この頃になると、長寿の動物の話題がニュースに出たり、動物の
長寿を祝うイベントが動物園で催されたりするものです。

最近の「長寿動物」のニュースの中では、広島市安佐動物公園の
クロサイが、世界で登録されている動物園のクロサイとしては、
夫婦そろって最高齢…というのがオドロキでした。

新聞によると、安佐動物公園のクロサイのメス「ハナ」が44歳で、
世界最高齢。連れ合いのオス「クロ」が43歳で世界第2位。

これまでに2頭は10頭の子をつくり、今では「えさを食べるのも、
木陰で昼寝するのもいつも一緒」(朝日新聞 9月11日)だとか。

残念ながら、まだ安佐動物公園には行ったことがなく、また、
このクロサイの夫婦は高齢のため、一般公開をしていないそうで、
写真をここに掲載することができませんが…

「夫婦そろって」というのは、なんともおめでたいことです。

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僕らも長生きしなくちゃねぇ。(クロサイ 愛媛県立とべ動物園)

そんなニュースの一方で、長生きしてきたものの、残念ながら
亡くなっていった動物たちもいます。

最近では、長野市茶臼山動物園のライオン「ライ太」(享年23歳)、
そしていしかわ動物園の「デカばあちゃん」こと、カバの「デカ」
(享年58歳・推定)が、天寿をまっとうしました。

どちらも平均寿命よりはるかに長く生き、特にデカばあちゃんは、
カバの平均寿命が約40年と言われる中で、58年も生きたのですから、
とてつもない「ご長寿」だったワケです。(世界2位の長寿でした)

Ishikawa_d30_9959
昨年会ったときは、とっても元気だったデカばあちゃん。
この写真を撮影した日は、奇しくも昨年の敬老の日でした。

このデカばあちゃんは、以前の名は「カバ子」。
1952年ケニア生まれで、翌53年に菓子メーカー「カバヤ食品」が
購入して来日。キャラメルのキャンペンガールとして西日本や
東海地方を巡回して、子供たちを大喜びさせていました。

その後、岡山・北九州の動物園を経て1962年にいしかわ動物園の
前身である金沢動物園へやってきて、長く市民に親しまれてきた
そうです。

デカばあちゃんが亡くなった時は、金沢に住む私の友人からも
「子供の頃から親しんできただけに、とてもショック…」という
連絡が入ってきましたが、なんとアメリカ大リーグで活躍している
松井秀喜外野手からも遠征先から弔電が届いたとか…
(松井秀喜外野手は、いしかわ動物園のすぐ近くの出身です)

デカばあちゃんが、いかに市民に親しまれてきたかが伺われます。

Ishikawa_d30_9945 
もうこの姿を見られないのは、なんとも寂しいことです。
(カバのデカばあちゃん いしかわ動物園)

さて、こうしてニュースになる長寿動物といえば、ゾウやサイ、
カバやライオン、キリンなどの大型動物が多いようです。

実際のところ、動物は大型になるほど長い年数を生きる傾向があり、
その寿命が人間の寿命と近ければ近いほど、生きた年数を人生と
重ね合わせることができるため、話題になるのだと思います。

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井の頭自然文化園の「はな子」は、私が幼い頃から知っています。
(ゾウのはな子に関するブログは
コチラへ)

しかし…

「長寿」というのは、本来はそれぞれの動物たちの平均寿命に対し
「さらに長生きした」ことを言うものですから。

日本最高齢の井の頭自然文化園のアジアゾウ「はな子」は63歳で、
これは文句なく「長寿」と言えますが…

イエネコならば平均寿命は10~15年程度ですから、18歳で長寿だし、
ハツカネズミは1.5~2年ですから、2年数ヶ月でも十分に長寿です。
動物園の人気者ライオンは、体格の割には寿命が20年と短く、
国内最高齢のライオンである徳山市動物園の「レオ」(23歳)は、
人間で言えば100歳近くになるそうです。

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私の知人宅のこのネコは、なんと20歳になるそうです。
(長崎県Mさん宅の愛猫 あいちゃん)

「動物たちには『時間』という概念はない」ということを、以前の
ブログで書きましたが(そのブログはコチラ)、あえて動物たちに
私たちの「時間」の概念を当てはめてみると…

日本人の平均寿命は男性が79.6歳、女性が86.4歳ですから、仮に
日本人男性の平均寿命を基準に単純計算すると、
 ライオンにとっての1年=日本人の4年に相当
 イエネコにとっての1年=日本人の5年4ヶ月に相当
 ハツカネズミにとっての1年=日本人の40年に相当
…ということになります。

これは、つまり…

ハツカネズミにとっては、私たちの40倍の早さで時が流れていて、
ライオンでも私たちの4倍の早さで時が流れている…ということに
なるワケです。

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ハツカネズミは、私たちの40倍の早さで時が流れていくのです。
(ハツカネズミ 横浜市野毛山動物園)

そう考えると、動物たちにとっての日々は、私たち以上に濃厚な
ものであり、大切にしてあげなければならない…と私は思うのです。

敬老の日は、長寿を祝う日ですが…

長生きを祝うだけでなく、地球上に生きとし生けるものすべてが
少しでも長く生き続けられるように、生命の大切さを改めて考え、
その重たさを実感する日でもあるような気がします。

人間自身はもちろんのこと、動物たちの「寿命」をも、私たちは
変えてしまう力を持ってしまったのですから…

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地球上の生きものたち、みんなが長生きできますように…
(ユキヒョウ 多摩動物公園・東京都)

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コメント

我が家のお宝 あいちゃんを掲載くださり心より御礼申し上げます~ あと5ヶ月であいちゃんは21歳です。 毎日マイペースで穏やかに日々を積み重ねています。動物たちが健やかに過ごすのも 不幸にして命を落とすのも 私たち人間の手にかかっていますね? 動物たちには、 言葉を使う能力は備わっていませんが、 人間の言葉やアクションを理解する能力は、 人間以上に感度が高い部分を持っていると思います。 そんな動物達に敬意を持って接していきたいと思っています。 だいぴんさんの写真には、 動物たちに対する敬意や畏怖や情愛がたっぷり詰まっていますね~ これからも楽しみにしています。 くれぐれもお体を大事にしてください。    

投稿: 長崎県M | 2010年9月20日 (月) 09時25分

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