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2011年2月

2011年2月23日 (水)

雪の動物園 秋田市大森山動物園

昨年の8月に秋田市にある大森山動物園を訪れた際に、この動物園が
冬も開園しているということを知り、ずーっと気になっていました。

雪国でも冬季開園をしている動物園は、決して珍しくはないのですが、
冬の開園の案内に載っていた「雪の中で遊ぶカピバラ」の写真を発見。
「寒さに弱くて、冬には温泉に浸かるカピバラもいるというのに…」と
思った私は、その「雪の中で遊ぶカピバラ」を実際に見てみたくて、
日帰りでクルマを飛ばし、往復1300km走り秋田まで行ってきました。

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冬の大森山動物園 正面ゲート

秋田市内は、ここのところまとまった雪が降らなかったせいもあり、
思ったほど雪は積もっていませんでしたが、それでも正面ゲートは
昨年夏に来たときと様子がまったく違います。
(夏の大森山動物園の動物たちの様子はコチラへ!)

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昨年夏に訪れた際の、大森山動物園正面ゲート

秋田市民に愛され、短い生涯を終えた義足キリン「たいよう」の像も
雪の中に立っていました。

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たいよう君の像も、雪の中です…

真冬の動物園は何度も訪れたことがありますが、雪国の冬の動物園は
今回が訪れるのは初めてです。動物たちはいったいどんな様子なのか、
わくわくしながら動物園に入ってみました

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なに?東京から日帰りだって?よく来たねぇ(アライグマ)

昨年訪れた際に、「暑い~!」とダウンしていたアライグマさんが、
早速出迎えてくれました。フカフカの毛のせいか、とても元気です。

訪れたのは2月中旬の土曜日。
この日は日中の最高気温が4℃と、決して暖かくはないものの晴天で、
日なたはちょっぴり暖かささえ感じる陽気でした。

もともとロシアのシベリアに住み、寒さに強いアムールトラさんは、

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秋田の雪?そんなのへっちゃらだよ。(アムールトラ)

…と、雪も寒さも意に介さぬ様子で、平然と歩き回っていましたし、
やはり寒さが厳しいアラスカに住むシンリンオオカミさんも、

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雪は冷たくて気持ちがいいねぇ (シンリンオオカミ)

…と、冷たい雪の上で元気よく(?)ゴロンゴロン転がっていました。

まぁ、そうした「もともとが雪国育ち」という動物たちは生き生きと
していることは想像に易いことですが、雪とは縁がない動物たちは、
いったいどうしているんでしょう?

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雪?そんなの、平気だよ! (アミメキリン)

そうなんです、意外と動物たちは雪を楽しんでいる様子。
あんまり寒そうにしている様子はありません。

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雪はフカフカして、楽しいんだよね~ (アミメキリン)

まるで雪の感触を楽しむかのように、アミメキリンさんは放飼場を
元気に走り回っていました。

この元気なアミメキリンの横には、アジアゾウもいるのですが…

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秋田のゾウたるもの、雪ごときには負けませんよ。(アジアゾウ)

これまた平気な様子です。ここのアジアゾウはカップルなのですが、
驚いたのはもう1頭のメスのゾウの方で…

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ここはちょっと、さすがに冷たいかなぁ… (アジアゾウ)

このアジアゾウが入っているのは、なんと氷が張ったプール!
短い時間でしたが、こんな所に浸かっている姿を見てビックリです。
秋田にいたら、ゾウが進化してマンモスになりかねません。

そんな、雪の中で元気いっぱいの動物たちがいるかと思えば、

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お~、寒っ! 秋田の冬はこたえるねぇ… (チンパンジー)

このチンパンジー親子、最初はこうして縮こまっていたのですが…

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雪って、どんな感じなのかな?

と、雪に興味を持った子どもが、雪遊びを始めました。

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ちょっと口を付けてみよう…

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お~っ、冷たい!!

最初は恐る恐る、雪を触ったり食べてみていたチンパンジーの子ども。
そのうち、だんだん感触がつかめてくると…

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少しだけ、食べてみようかな!?

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ん? んん? むむむ???

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なかなか、冷たくて気持ちいいじゃない!

…といった感じで、雪を楽しんでいる様子。
このチンパンジーくん、何度かこんなことを繰り返し、最後には…

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えいっ! もっと大きい雪のかたまり、いってみよう!!

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あんぐっ!!

と、大きな雪をかたまりを食べて遊んでいました。
(しかしその後、あまりの冷たさに口から吐き出していましたが)

どうやら、動物たちは雪をそれなりに楽しんでいる様子です。

さて、南米生まれで寒さに弱く、冬はお風呂に浸かることもある
カピバラさんたちは、いったいどうしているんでしょう。
冬のカピバラさんといえば、この姿が脳裏から離れないのですが…

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この姿から、雪の中のカピバラはとても想像できません。
(長崎バイオパークのカピバラ)

※お風呂に浸かるカピバラさんのお話はコチラへ!

カピバラさんはモッコリした姿で、温かそうな毛皮をまとっている
ように見えますが、カピバラさんの毛はタワシのように硬くて粗く、
保温性が良いとお世辞にも言えません。

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冬は、こうして日なたぼっこをするのが、カピバラの流儀だよ。
(長崎バイオパークのカピバラ)

そんなカピバラさんが雪の中で遊ぶなんて…と半信半疑で園内奥に
足を進めてみると…

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案の定、カピバラの運動場は雪に埋もれていましたが…

出入り口の扉は開いているものの、カピバラの姿は見えません。
「さすがにこれじゃ、出て来ないかなぁ」と、諦めかけた頃…

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お、けっこう積もっているねぇ

カピバラさんが、出入り口からひょっこり顔を出してきました。
そのうち2頭が出てきて、まるで雪に大喜びしている子どものように、
雪のない部分を全力疾走で駆け回り始めます。
カピバラの大ファンの私も、今まで多くのカピバラを見てきましたが、
こんなに「全力疾走」するのは初めて…というくらいの「疾走」です。

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雪だね! 雪は楽しいよね!!

そうしているうちに、やがて1頭が恐る恐る(?)雪に足を突っ込み…

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ん?雪はけっこう冷たい…ぞ?

最初は前足を突っ込んだだけで、「冷たい!」と思ったのかスグに退却。
しかし、どうやら雪への興味は失せないらしく、しばらくしたら…

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んー、もう1回、雪に入ってみようかな。

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ん?柔らかくて、気持ちいいぞ?

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ズボっ!

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もう一歩、行ってみようかな。

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よいしょ!

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ズボっ!

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ん~、なかなか楽しいではないですか!

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し、しかし、やっぱり足が冷たくなってきた…

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これは、ひとまず退却だね (…と、後ろに下がっていく)

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ひゃ~、冷たかったぁ… (けど、楽しかった~)

雪には興味津々、でも、やっぱり冷たい。
そんな感じで、少し雪に入っては退却して日なたに避難してみたり、
部屋の中へ温まりに行ったり…を数回繰り返していました。

そして最後に、意を決した1頭が、

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えいっ!

…と、なんと小高い「雪山」へジャンプして雪山登山(?)を開始。

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よいしょっ!

雪に埋まりながら、どんどんと雪を登っていきます。

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どっこらしょ!

途中で、もう1頭のカピバラさんが…

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大丈夫?無理しないで、戻ってきなよ

と、心配して見に来ましたが、そんなことは意に介さず、

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まだまだ、行きますよー!

…と、元気よく雪中行軍を始めます。

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よっこいしょ!

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どっこいしょ!

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ズボッ!

…と、かなり雪に埋まりながら進んだところで、

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やっぱり、足が冷たくなってきた…

と、やはり足とお腹が冷たくてたまらなくなった様子。
方向転換して、退却を始めます。

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あ~、冷たい冷たい…

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退却、退却~!!

…と、本日の「雪の大冒険」は終了しました。

寒さに滅法弱いカピバラさんが、こんなに雪の中に入っていくとは
ちょっと驚きでしたが、その様子から見ると、寒さには弱いけれど
雪には興味津々。その好奇心の誘惑には勝てず…といった感じです。

雪国に住む人にとっては、雪は時に大変なやっかいモノになるし、
雪国に住む野生動物にとっては、雪はすべてを覆い尽くしてしまい、
生死をも左右しかねない重大事ですが、動物園の動物たちにとって、
雪はもの珍しく、好奇心をそそられるものなのかもしれません。
その楽しむ様子は、まるで雪遊びをしている子供たちのようでした。

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雪だよ、雪だよ!遊ぼうよ!!

キリンやゾウが雪の中にいる…
それは野生の環境ではまずあり得ない状況ですし、そうした状況を
動物園で見せるのはいかがなものか、という声はあると思います。

確かに、そうした展示は「動物たちの本来の姿」ではないですが、
それを言い出したら、寒い冬だけでなく暑い夏もある日本において、
年中気温がほぼ一定のサバンナや、暑い熱帯、寒い北極圏に住む
動物を動物園で展示すること自体が、ナンセンスなことになります。

そう考えるのではなく、むしろ動物たちの好奇心の豊かさに驚き、
意外と広い適応能力を実際に見るというのが、「動物たちを知る」
ということにつながり、生態の理解を深めていくことだと思います。

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僕は雪の中の方が生き生きしているよ!(レッサーパンダ)

冬が長い雪国では、動物園の動物たちも雪に閉ざされてしまいます。
ずっと屋内にいると、むしろその方がストレスになるでしょうから、
雪の中で駆け回るのは動物たちにとっても良いことなのでしょう。
「せっかくだから、その楽しんでいる様子を見てもらおう」という
動物園の思いは間違ってはいない、と私は思います。

もっとも、こうした「雪の動物園」のような特別な状況の下では、
動物たちが雪の中で遊ぶのは限られた時間で、気象条件や体調に
よっては外に出さないこともあるそうです。

今シーズンの大森山動物園の「雪の動物園」は、2月いっぱいで
終了になってしまいますが、北海道をはじめ東北地方の動物園で
「雪の動物園」を実施していますので、次のシーズンにはぜひ、
雪国の動物園を訪れてみてください。

きっと、動物たちの生き生きとした姿に驚くと思いますから…

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生き生きとしているからね、きっと。(アムールトラ)

※雪国の動物園は公開日が限定されていることが多いようです。
 行かれる際には、必ず事前に開園日を確認してください。

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