ケニア

2010年5月12日 (水)

ケニアのTシャツ(第2回)

前回の「ケニアのTシャツ(第1回)」では、動物がモチーフになった
Tシャツをご紹介しました。

今回は…動物以外がモチーフになったTシャツをご紹介しましょう。

では早速、コチラから!

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さて、このデザインはいったい…??

私がいつも行くサバンナでは、見慣れない光景です。
こうした形の家も見かけないし、木の形もヤシの木みたいです。
サンブールやメルーなどのサバンナにも「ドームヤシ」というヤシの木が
ありますが、同じヤシの木でも形が違います。

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ドームヤシは幹が分岐する、ヤシとしては珍しい形の木です。
(ケニア・メルー国立公園)

それに、端っこにいる動物はヌーにも見えるけど、ウシっぽい。
野生動物がいないし、ヤシの木は生えているし…これはケニア!?

どうやら、これはケニアのインド洋沿岸部の風景のようです。
ケニアのインド洋沿岸にはナイロビに次ぐケニア第二の都市モンバサや、
マリンディやラムといった町もあって、欧州の人たちの「リゾート地」
になっています。

私は行ったことがないのですが、マリンディやラムは素朴な感じの町で、
とても良いところなのだとか。たぶん、このTシャツはその辺りの光景を
デザインしたものでしょう。

サバンナの光景でも、動物のデザインでもありませんが、ちょっと可愛い
デザインだったので、思わず買ってしまいました。

お次はコチラです。

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スワヒリ語と英語の対訳がデザインされています。

ケニアの公用語はスワヒリ語。
特に挨拶の「JAMBO!」は、中学校の英語の教科書にも載っていたので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

各単語の横に描かれたイラストが、何気にカワイイです。
このTシャツを現地で着ていると、ケニアの人から「おもしろいね」と
よく言われます。コミュニケーションのキッカケとしてもGoodです。

さて、ケニアは多くの民族から成る他民族国家ですが、その中でも
マサイ族は特に有名で、ケニアを象徴する民族になっています。

Tシャツには、マサイ族をモチーフにしたものも、けっこうあります。

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赤はマサイ族を象徴する色です。

マサイ族は別名「草原の貴族」と呼ばれる、非常に勇敢で誇り高き民族。
草原で槍を持つ姿が有名なためか、野生動物を狩って生活をしているとか、
戦いを好むなどと思われがちですが、元々はサバンナで家畜と共に過ごす、
とても平和的な遊牧民族です。

もっとも、現在では若い世代を中心に町で仕事をするマサイ族が増え、
国の定住政策もあって、サバンナで遊牧をしながら暮らすマサイ族も
だいぶ減っているようです。

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今や、民族衣装を着るのも、イベントの時くらいになってきました。

私にも、マサイ族の友人が何人かいるのですが、彼らは会社員、教師、
ソーシアルワーカー、牧師、自営業として町で働いていて、サバンナを
転々とする遊牧生活はしていませんし、普段は民族衣装を着ていません。

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でも、マサイの友人の村へ遊びに行くと、こんな感じで迎えてくれます。

実は「ケニアを象徴する民族」とはいえ、マサイ族はケニア人口において
ほんの数パーセントを占めるに過ぎない、むしろ少数民族なのです。
では、なぜ「ケニアを象徴する民族」になったのか。

それは時代が変わり、世代が変わっても、民族の伝統を守る意識が強く、
現代でもそれが引き継がれているから…だと思います。

マサイ族についてのお話は、とても長くなってしまいますので、別の機会に
詳しくお話することにしましょう。

話題はガラリと変わって…

ケニアには美味しいビールがあります。

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ゾウのラベルが、いかにもケニアらしいビールです

このビールは「TUSKER LAGER BEER」。
ケニアにはいくつかのビールがありますが、中でもこのタスカービールが
私のお気に入り。日本のビールに比べると、やや粗っぽい味わいなのですが、
日本と同じピルスナータイプのビールなので、抵抗なく楽しめます。

夜明け直前から日没直後まで、一日中サバンナに出て撮影をしていると、
夕方にはヘトヘトになり、集中力も途切れがちになりますが…
そんな時は「ロッジやキャンプに戻ったら、タスカービールを飲むんだ!」
というのを励み(?)に、もうひと踏ん張りして撮影を続けます。

タスカービールは、私の撮影の「パワーの源」なのです。

そんなタスカービールが、なんと!

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タスカービールのラベルが、そのままTシャツのデザインに!

これを着て撮影をすれば、疲れ知らずになれるかも!?

ただこのTシャツ、欧州からの観光客に人気があるためか、ロッジなどで
着ている人をよく見かけるので、私はあまり現地で着る気にはなれず…。

やはり、「戻ったらタスカーを飲むんだ!」とこらえながら、サバンナでの
撮影を続けるしかなさそうです。

ケニアには美味しいビールもありますが、コーヒーの産地でもあります。

ナイロビ市内に「JAVA HOUSE」という、コーヒーショップがあります。
スターバックスやドトールのようなチェーン店ですが、国産コーヒー豆、
つまりケニア産のコーヒーにこだわっており、ケニアの美味しいコーヒーを
手ごろな価格で楽しむことができます。

市内と空港内に店舗を展開していて、私もナイロビに立ち寄ったときには
朝食を食べに行ったり、飛行機の待ち時間に寄ったりしています。

その「JAVA HOUSE」のオリジナルTシャツがコチラ。

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「NAIROBI」という文字が、ちょっと誇らしげです。

他のTシャツはほとんどフロントプリントなのに対し、このTシャツは
バックプリント。お店のスタッフが着用しているものと同じです。

「タスカービール」のTシャツは、どこのTシャツ屋さんでも買えますが、
この「JAVA HOUSE」のTシャツは、JAVA HOUSEでの限定販売。
そんな「限定感」に刺激され、「限定」に弱い私はこのTシャツを買って
しまいました。

さて、限定感と言えば…

私が買うTシャツには、ちょっとこだわりがあります。

まずは、Tシャツのメーカーです。

ここまでの写真を見ていただいておわかりかもしれませんが…
私が買うTシャツはほとんどが、「ONE WAY」というメーカーのものです。

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ケニアのTシャツは、ONE WAYがオススメなのです!

ONE WAYのTシャツはデザインが良いだけでなく、品質が非常に高いのです。
MADE IN KENYAなのですが、あなどってはイケマセン。
洗濯機で洗っても色落ち、型崩れはほとんどなく、とにかく丈夫なんです。
日本で買うTシャツと同等…いや、モノによってはそれ以上かもしれません。

そして、もうひとつのこだわりはコチラ。

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私はこのマークが入ったTシャツを買うようにしています。

このマークは、ケニア野生動物公社(Kenya Wildlife Service)という、
ケニアの野生動物保護や管理、国立公園の維持を行っている国立機関の
マークなのです。(Kenya Wildlife Service=通称KWS)

ONE WAYのTシャツは、ナイロビ市内のショップで買うことができますが、
KWSのマークが入ったTシャツは、私が知る限りではKWS本部内のショップ
でしか買うことができません。知る人ぞ知る、これも「限定モノ」です!

KWSマーク入りのTシャツを買うのは「限定モノ」という理由もありますが、
KWSのショップで買うとKWSの収益につながるから、という理由もあります。
同じ買うなら、間接的にでも野生動物の保護に役立てる方が良いですから。

最後に、私のイチバンのお気に入りTシャツをご紹介しましょう。

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ポレポレTシャツです。

「え?ポレポレ?どこかで聞いたことがあるような…」と、思われた方も
いらっしゃることでしょう。そう、このブログの名前なんです。

ポレポレとは、スワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味。
「ポレポレ」はケニアの人たちを象徴しているような言葉で、その意味の
とおり、ケニアの人たちはとても大らかで、ゆっくりゆったりマイペース。

「ポレポレで行こう」というのは、まさしくケニアの人たちに共通している
人生観みたいなものですが、「ゆっくり行けば、何とでもなるよ」といった
たくましさみたいな意味も、私は「ポレポレ」の中に感じます。

私も、そんなケニアの人たちが大好きで、私自身もゆっくり歩みながらも、
たくましく自分の夢をかなえて行きたいと思っています。

今後とも「ポレポレで行こう!」をよろしくお願いいたします。

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2010年5月 5日 (水)

ケニアのTシャツ(第1回)

5月に入り、暖かくなったので…衣替えをしました。
4月に入っても寒い日が多く、なかなか手放せなかった冬の装いを
しまい込み、「そういえば、こんな服もあったなぁ」と思いながら、
これからの季節に着る服を引っ張り出すのは、楽しいものです。

そんな、引っ張り出した服の中に、ケニアで買い込んだTシャツが
たくさんあります。ケニアへ行く度に買ってしまうTシャツ。
今回は、衣替えで引っ張り出したついでに、そのTシャツをご紹介
することにしましょう。

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ケニアで買ったTシャツも、かなりの枚数になりました…

ケニアへ通い続けて10回以上。最初のうちは、木彫りの工芸品や
ソープストーン、マラカイトの細工、ビーズの飾りなどの民芸品を
少しずつ買っていたのですが、それもあっという間に増えてしまい、
せまい家ではコレクションを増やすにも限界があり…

というワケで、買い始めたのがTシャツ。

「ケニアのTシャツ?、いかにもお土産!という感じゃないの?」
と思われるかもしれませんが…いえいえ、とんでもありません。

ケニアに限らないのですが、東アフリカのデザインは素朴ながらも
けっこう洗練されています。特に動物をモチーフとしたデザインは
かわいらしく、さすが特徴をよく表しているように思います。
ケニアの隣国タンザニアの「ティンガティンガ」がその代表例です。

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「ティンガティンガ」の一例です。色使いとディフォルメが素敵!

とはいえ、Tシャツのデザインは人の好みもありますから…
今回は、あくまでも「私のお気に入り」ということで、ご紹介を
進めていくことにします。

衣替えの途中で撮った写真なので、シャツの皺などが写りこんで
いたりして、お見苦しい点がありますが、その点はご容赦を…

ケニアのTシャツというと、やはり多いのは動物のデザインです。

まずは夕陽が大好きな私としては、買わずにいられなかったのが…

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写真撮影の参考にしたいほど、見事な構図です

なかなか、まん丸の大きな夕陽を背景にしたキリンのシルエットを
撮ることができていない私としては、このTシャツのデザインは
ある意味で「憧れの風景」。

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コチラは私の写真。なかなかTシャツのようには、いきません。
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

次回はこのTシャツを着て、気合を入れて(願をかけて…?)、
サバンナでの夕陽撮影に臨みたいと思います。

さて、サバンナでは、ヌーやシマウマはよく見かける動物なので、
サファリではあんまり人気のない(?)動物なのですが…

「よく見かける動物」ということは、逆に言えば「象徴的な動物」
という意味でもあるワケで、シマウマやヌーがデザインされた
Tシャツを見かけると、すぐに手を伸ばしてしまう私です。

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サバンナの象徴「ヌー」のデザインは、私の必携Tシャツです

サバンナでは渋い存在のヌーが、躍動感たっぷりに描かれています。
実際にサバンナでヌーを撮るときも、こんな躍動感が出せれば…と
思うのですが。

いっぽう、シマウマもサバンナの象徴的な動物。
シマウマは「ゼブラ柄」というものがあるくらい、縞模様そのものが
たいへん美しい動物なのですが、ケニアのTシャツでは…

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2頭の縞が絡まり、とっても美しいモチーフになっています

動物にはさまざまな模様がありますが、白と黒、そして縞模様という、
これほどにシンプルな模様は他にありません。
その端正な美しさが、サバンナで見ても動物園で見ても私を惹きつけ、
いつまでも眺め続けてしまいます。

シマウマをデザインしたTシャツは多いのですが、このTシャツは
黒い生地を上手く利用して縞の美しさをシンプルに表現されていて、
お店で見つけたときにスグに手に取ってしまった1枚です。

さて、次のTシャツはコチラ…

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キリンとシマウマとヌーと…もうひとつの動物は?

何種類かの動物が一緒にデザインされているTシャツもありますが、
その場合は、サバンナの「BIG FIVE」がデザインされていることが
多いようです。そんな中で見つけたのが、上の一枚です。

キリンとシマウマとヌーと…もうひとつの動物は、インパラです。
インパラは驚異的な跳躍力を持っていて、ひとっ飛びで高さ2m以上、
距離も10m近くを飛んでしまいます。

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この時は全力ジャンプではありませんでしたが…インパラのジャンプ
(ケニア・マサイマラ国立保護区)

飛ぶように駆ける姿も美しいインパラですが、オスの湾曲した角も
たいへん美しく、サバンナの動物の中では最も「絵になる」動物の
ひとつではないかと思います。

さて、次の動物は…何だかわかりますか?

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サンブール国立保護区のセレナ・ロッジのオリジナルTシャツです。

あれれ?動物が立っている!?なんかちょっとヘンじゃない?

そう思う方も多いと思いますが…決してヘンではないのです。
これはゲレヌク。動物園にもいないし「知らないなー」という方が
ほとんどだと思います。サンブール国立保護区では時々見かける
動物で、保護区の象徴的な動物になっています。

このゲレヌク、ふだんは長い首と長い舌を利用して低い木の枝にある
葉や花、果実などを食べているのですが、その長い首でも届かない
場合はヒョイっと後ろ足で立ってしまうんです。

「えー、ウソだぁ~」と思いますよね。では、論より証拠…

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後ろ脚だけでは自立できないので、前脚を枝にかけて立っています。
(ゲレヌク ケニア・サンブール国立保護区)

というワケで、「立って食べる」ゲレヌクは実在しているのです!
こういう時に、写真は役に立つんですね…

どうでも良いことですが、このTシャツ、構図がなかなかイイ。
普通はこうしたデザインの場合、立っているゲレヌクは右側にいる
ほうが構図としては落ち着くのですが、あえて左側に持っていって
バランスを崩しています。さらにゲレヌクも左を向いているので、
微妙な緊張感を生み出しています。

普段はロッジのオリジナルTシャツなんて、買わないのですが…。
このTシャツが目に飛び込んできたのは、そんな構図のせいかも。
写真では、なかなか勇気のいる構図です。勉強になるなぁ…。

さて、ケニアのTシャツには、こうした動物以外にも「ケニア」を
デザインしたTシャツがあります。

次回はそうした動物以外のデザインや、「私のこだわり」について
お話をすることにしましょう。

次回をお楽しみに~!

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2010年4月25日 (日)

赤道を越えよう!

ケニアを旅行していると、野生動物との出会い以外に、意外で貴重な
体験をすることができます。

それは…北半球と南半球を「またぐ」ことができることです。
「なにを唐突に、そんなスケールの大きな話を?」
「何かオチがあるんじゃないの?」
と思われるでしょう。

いや、ホントにそんなことができちゃうんです。

ケニアは赤道直下の国。国土の真ん中を、赤道が通過しています。
赤道の北側が北半球、南側が南半球なのですから、つまりケニアは
北半球と南半球にまたがった国、ということになります。

ケニアの首都ナイロビから、サンブール国立保護区やメルー国立公園へ
向かう途中、ナニュキ(Nanyuki)という町で赤道を通過します。

ナイロビは南半球側、サンブール国立保護区は北半球側にあるためです。

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ここが赤道!という看板です。

この看板があるところが、まさに赤道。
看板の真下で両足を北と南に広げて立てば…そう!北半球と南半球を
「またにかける」ことができちゃうのです!!

スケールの大きな話も、実はとっても小さな「ひとまだぎ」。
でも、南北両半球をまたいでいるということには、違いありません。

さて、せっかく北半球と南半球をひとまたぎにするならば…
ここでついでに、地球の自転も体験してみましょう!!

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地球の自転?またまた、そんなスケールの大きなことを…
by エランド(南半球側のマサイマラ国立保護区)

またまた唐突ですが、台風の渦の向きが、北半球と南半球とでは
逆になっている…ということをご存知ですか?
台風の渦は北半球では反時計回り、南半球では時計回りに巻きます。

また、海流も北半球と南半球とでは逆方向に向かっています。
太平洋や大西洋など海流は、赤道を境にして流れが逆になっていて、
これもまた北半球では反時計回り、南半球では時計回りに海流が
循環しています。

なぜ、そうなるのか…それは地球の自転に由来する「コリオリの力」
というものが関係しているからです。この「コリオリの力」については
詳しく説明しようとすると、物理学のかなり難しい話になりますので、
ご興味がある方は「自習」していただくこととして…

ここではとりあえず、地球の自転に由来する「コリオリの力」という力が
地球上の大気や海水に影響し、台風の渦の巻き方や、海流の向きが
北半球と南半球では逆になる、ということだけを理解してください。

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うーん、なんだか話が難しくなってきた…
by ベイサオリックス(北半球側のサンブール国立保護区)

確かに難しい話になってきました。

「コリオリの力」が北半球と南半球では逆の方向に作用する…
ということであれば、この赤道直下でも何かそれを実感することが
できたら面白いですよね。

それが、できるのです!

ナイロビからサンブール国立保護区方面へ向かう途中に通過する
赤道直下の町ナニュキでは、この「コリオリの力」を見せてくれます。

「どうやって?」「まさか台風を呼ぶの?」と思われますよね。

実は、こんな簡単な装置を使うのです。

R0011509_2
こんな簡単なもので、コリオリの力を見ることができる!?

この装置は、底に小さな穴を開けた洗面器に水を張り、そこに
水の動きが確認できるように、小さな木片を浮かべたものです。
底の穴から水が落ちていくときにできるはずの「渦の向き」を、
木片が回転する方向で確認してみよう!ということなのです。

もし、この装置で「コリオリの力」を確認できるのであれば…

赤道の看板を挟んだ北側、つまり北半球側で実験してみたら、
木片は反時計回りに回るハズです。

Left_turn_2
北半球側では、木片は半時計回りに回転するはず…

そして、看板を挟んだ南側、つまり南半球側で実験してみたら、
木片は時計回りに回るハズです。

Right_turn
そして南半球側では、木片は時計回りに回転するはず…

さて、どうなるのか!?

さっそく実験してみましょう。まずは北半球側に行ってみます。
下の写真にある、赤道の看板の位置に注意して見てくださいね。

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まずは北半球側で実験!

木片を浮かべた洗面器の底の穴から水がチョロチョロと流れると、
木片はちゃんと反時計回りに回転をはじめました。

つまり、水の渦が反時計回りに巻いているということ。
北半球側での台風や海流の渦の回転方向と同じです。

まぁ、これだけだと「ふーん、そうなんだ」という程度ですが…

続いて、南半球側に行って実験をしてもらいました。
さて、どうなることか!?

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続いて南半球側で実験!

北半球側で実験した時と、看板の位置が違うのに注目ください。
ちゃんと南半球側で実験をしています。すると…

なんと!木片は時計回りに回転をはじめました。
つまり、水の渦が時計回りに巻いているということで、先ほどの
北半球側とは逆になっているではありませんか!

台風や海流と同じく、北半球と南半球では渦の方向が逆になる。
まさに「地球の自転を体感」です。おそるべし、コリオリの力。

さらに、実験は続きます。

では、赤道直下、つまり看板の真下でこの実験をしたら!?

R0011514
赤道直下でもやってみました。

すると…どうなったと思いますか?

実は、木片は「動かない」のです。
つまり、洗面器の底の穴から水が流れるときに、水は渦を巻いて
いない、ということになるのです。

うーん、スゴイ。こんなことが体感できるとは!!

ちなみに、これまでツアーでお連れした何人かの方から、
「赤道だから、てっきり赤い線があるのかと思った」というお話を
聞いたことがあります。赤い道で「赤道」ですから、そう思われるのも
無理はない(?)のですが…。

赤道に来ても、赤い線はもちろんのこと、線も点もありません。

世界地図を見てみると、赤道はそのほとんどが海の上を通っていて、
赤道が陸上を通過している国は、わずか11ヶ国しかありません。
つまり「赤道越え」は、そんなに体験できることではないのです。

ケニアはそんな体験ができる、数少ない国のひとつです。

ケニアへ行って、赤道を越えるチャンスがあるときは、ぜひとも
「赤道越え」を楽しんでみてください。

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赤道体験、してみましょう!

…と、ここまで書いておきながら、オチをひとつ。

実は、台風や海流に影響している「コリオリの力」というものは、
この程度の小規模な実験では実証することができません。
同様の実験で実証しようとすると、直径が1千メートル規模の
巨大なプールで、風や傾斜などの影響が全くないようにしながら
実験をしないと、実証できないのだそうです。

よく、「北半球と南半球では、お風呂の栓を抜いたときにできる
水の渦の向きが逆になる」と言われていますが、これも実際には
「コリオリの力」とは関係がなく、栓やお風呂の形、栓の抜き方
などに影響されるようです。

赤道直下の町ナニュキで見せてくれた「実験」は、なんらかの
トリックがあるようです。でも、めったにできない赤道越えを
楽しむイベントとして、トリックがあることを承知で体験するのも、
悪くはありません。「理屈的には合っている」のですから!!

ちなみにこの実験を見学すると、自分の名前入りと日付が入った
赤道通過証明書をもらうことができます。もちろん、有料ですが…
赤道越えは滅多にできる体験ではないので、ぜひもらって(買って)
おきたいものです。

ただ、私は赤道を体感する「別の経験」をしたことがあります。
秋分の日が近い9月中旬のお昼頃、この赤道を訪れたときに、
地面にできる自分の影を見てみると…自分の真下に影ができて
いたのです。これこそ正真正銘、赤道直下ならではの体験です。

※上に載せた写真は、8月下旬のお昼頃に撮影したもの。
 8月下旬でも、影がほとんど真下に写っているのがわかります。

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2009年10月25日 (日)

総合学習

先日、近所に住むプロダクトデザイナーのNさんから、
「あの…ちょっとお願いごとがありまして」
と、神妙な顔つきで話しかけられました。ナニゴトかと思ったら…

「だいぴんさん、ウチの娘にケニアのお話をしてもらえませんか?」

どうやら、小学校の総合学習で「自分の好きな国の研究をする」という
課題が出たらしく、Nさんの娘さんは「ケニア」を選んだようなのです。


というワケで、昨日はにわか「ケニア塾」を開催したのでありました。


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【さて、ケニアはどこでしょう~?】

「ケニアへ旅行に行きたい」というオトナには、これまで何度も説明会を
開催してきたので、それなりの資料も揃っているのですが…

それはあくまでも「旅行」というエンターテイメント向けの説明資料。
サバンナや野生動物の魅力や、サファリの様子などをまとめたもので、
とても「総合学習」向き、いや、それ以前に小学生向きではありません。

Tourguide
【自作の旅行説明資料から】~これじゃ「総合学習」には使えない!

というワケで、昨日は朝から資料作り。

自分で撮った写真は、動物写真がメイン。動物のこと、サバンナのことは
ある程度素材が揃いますが、「ケニア経済」「ケニア文化」となると素材が
ほとんどありません。

それに、あまり広範囲な話をすると、テーマが散漫になって「研究」として
まとめにくいだろうから、話題はなるべくシャープにしないといけないし。

さらに、どうやら「発表」をするらしいので、クラスのみんなの興味を引く
内容にしてあげないと…ということは、やっぱり動物の話題がメイン?
でも、単に動物写真を紹介するだけじゃ「研究」にならないよなぁ…。

などと、いろいろと考えた結果。

「ケニアの野生動物の多様性は、ケニアの気候と関係がある」という
ストーリーを組むことに決め、最終的には「地球温暖化の影響」という
タイムリーな話題に落とし込むことにしました。

さ~て、これを小学4年生向けに、どう説明するか!?

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【サバナ気候】サンブール国立保護区(2007年の雨季に撮影)

まずは小学4年生が学校で習う社会、理科のおおまかなレベルを
研究することからはじめなければなりません。

 「サバナ気候」という表現は使えるのかな?
 「赤道」って習うのかな?
 「食物連鎖」「生態系」を、どう説明すれば良いのかな?

…などなど。それに、とにかく事実は客観的かつ正確に伝えないと
いけないから、「知っている」と思うことでも、ちゃんと調べないと。

うーん、なかなか難しい。いや、けっこう手ごわい!

子供の日々の質問に答えている先生や、お父さん・お母さんって、
すごいよなー、などと思いつつ、カリカリと調べ、資料作りを開始。

いろいろと調べ、まとめあげていくと、これまで散在していた知識が
体系的にまとまり、自分にとっても、けっこう良い勉強になりました。

そして夕方の「勉強会」開始時間ギリギリまで資料を作り、
ようやく印刷をかけはじめたころに、Nさんの娘さんのHちゃんと、
そのお友だちのMちゃんがやってきました。

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【勉強会、開始~!】…再現画像ですけど

まず、「なんでケニアを研究対象に選んだの?」と聞いてみたら、

「他の人たちとはまったく違う国を、やってみたかったから!」
「他の人はアメリカとか、ヨーロッパが多いみたいだし…」

と、なかなか良い回答。しかし、その次にすかさず、

「ケニアだったら、だいぴんさんに聞けば、何でもわかるし!」

…う~む、最初からアテにされていたのですね(苦笑)

ま、でも、動機が何であれケニアに興味を持ち、ケニアについて
知ってもらえることは、私にとっては嬉しいことです。

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【勉強会資料から】「食物連鎖」の概念は小学6年頃のテーマかも?

勉強会の途中で、

「標高が高いと太陽に近くなるのに、何で気温は下がるの?」

といったような、ヒヤリとする質問もいくつか飛び出しましたが、
和やかに勉強会は進み、無事に終了しました。

小学4年生にとっては、情報量がとても多い1時間強の勉強は
少々厳しかったようで、Mちゃんは途中で思考停止状態に…(笑)
でも、Hちゃんは最後まで質問の連発で、ちゃんと最後には、

「私たちの生活が、動物たちにも影響を与えているのね」

と、しっかり「地球温暖化の影響」まで理解してくれたので、まずは
良かったかな。あとは、どう「発表」にまとめるか、が心配ですけど、
そこはすかさず「また相談に来ま~す」とHちゃん。

その発表を見てみたいなー、と、ちょっぴり思った私でした。

せっかくなので、昨日の勉強会の中から1つマメ知識をご紹介。
勉強会のいちばん最初に説明したことから…

Kenyarep_flag

これはケニアの国旗です。
「黒」「赤」「緑」の色の間に、「白」のストライプ。
そして真ん中には「盾」と「槍」の模様。

その1つ1つには、こんな意味があります。

 【黒】
 ケニアの「人」を表しています。
 ケニアの人々の肌の色である「黒」に対する誇りを示します。

 【赤】

 イギリスからの独立戦争の際に流された「血」を表しています。
 独立が多くの人の犠牲によって勝ち取られたことを示します。

 【緑】

 大地を表しています。限りなく続くサバンナの色です。
 【白】

 平和を表しています。「白」が「黒」「赤」「緑」の間に位置している
 ことからわかるとおり、ケニアの平和はそれらの調和の中で
 成り立っていることを示します。

ケニアはアフリカ諸国の中では、1963年の独立以来、紛争や
戦争がない、数少ない平和な国の1つです(※注)

 【盾と槍】
 イギリスからの独立戦争の際、イギリス軍は銃を使いましたが、
 ケニア軍は銃を使わず、盾と槍で独立を勝ち取った誇りです。


 (国旗の解釈は在日ケニア大使館ホームページを参考にしました)

国旗には、その国が建国された時の理念や思いが込められて
いるものですが、ケニアの場合は政治的な問題は多少あれど、
その理念が生き続けている、アフリカ諸国の中では数少ない国の
ひとつなのではないか、と思います。

Masai_friends
【マサイの友人】ケニアを訪れると、会いにきてくれます。

伝統を大切に守りながら近代化の道を歩んできたから…という
政策的なこともあるでしょうけれど、ポレポレだけど前向きで、
そして何よりも底抜けに明るいケニアの人々が、その支えに
なっていることは言うまでもありません。

Masai_friends2_2
【ケニアの友人】この2人とは、もう5年以上の付き合いかな。

最近はもっぱら動物写真を撮ることが目的で訪れるケニアですが、
今回の勉強を通して、「やっぱりケニアそのものが好きなんだな」と
改めて思った自分なのでありました。



(※注)「建国以来、紛争や戦争がないケニア」について
2007年12月末の総選挙の際、その選挙結果に端を発して
ケニア国内各地で暴動が起きました。暴動は2ヶ月近くに及び、
日本国内の報道では「民族紛争勃発」「ナイロビはゴーストタウン」
などと報じられ、私も大変驚き、心配しました。

この暴動に対しては様々な見方がありますが、私個人としては、
一部の人々が選挙結果の混乱に乗じて暴徒化して周囲を扇動、
略奪行為や暴力事件を発生させ、結果的に多くの人々の命が
失われ、一部の地域では難民まで生み出してしまったもの…と
捉えています。(あくまでも私個人の考えです)

実際、この暴動騒ぎの間でも、ナイロビ市内のスラム地区では
混乱が生じ、一部の地方都市では悲惨な事件があったものの、
ナイロビ市内やケニア全体としては平穏な地域が多かったのが
実際のようです。

「ナイロビがゴーストタウン化した」という日本での新聞記事は、
記者が実際に取材したものではなく、ナイロビ在住の日本人が
「現地情報」として、事実確認もせずに無責任に発信したブログが
発端とも言われています。

私がケニアの友人たちから受けたメールや、たまたま暴動が
発生した期間に居合わせてしまった旅行者から聞いた話は、
「そのような事実はない。一部危険な地域はあるが、他は平穏」
「危険な場所に近付かなければ、問題はない」という内容でした。

つまり、暴動そのものは民族間の紛争という類のものではなく、
また、政治的な内紛というものでもなく、ケニア国内で近年大きく
なっている格差社会が生み出した、社会的な歪みが原因だと
私は思います。

もちろん、いかなる原因であれ、暴力は憎むべき行為であり、
それによって人々の生命が失われるのは、悲しいことですが、
ケニアが平和で「紛争や戦争がない国」というのは事実であり、
もともと平和を尊ぶケニアの国民性からしても、それは今後も
続くだろうと信じています。

暴動事件から2年近く経ちますが、いまだに「暴動があった」と
いう理由で、ケニアを避ける方がいるのも事実です。
その事実を打ち消すことはできませんが、少なくとも現在の
ケニアは平穏であり、人々は明るく、平和を尊んでいることを
お伝えしたく、敢えてこうした問題について意見を書きました。

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2009年10月21日 (水)

ケニアの大干ばつ

つい先日、ケニア現地からこのようなメールが届きました。

 現在、ケニアは大干ばつに見舞われており、野生動物は
 やせ衰え、サバンナのあちこちに動物の死体がある状況。
 サファリに行っても動物は少なく、近年まれに見る悲惨な
 光景が広がっています。

 マサイマラ国立保護区のマラ川も水が干上がり、ヌーも
 命がけで川を渡る必要はありませんが、それ以前に
 水も草もない環境で、生きていくこと自体が危機的な
 状況にあります。

マラ川とは、ケニアの隣国タンザニアのセレンゲティ
国立公園と、ケニアのマサイマラ国立保護区の間にある
川で、草を求めて大移動をするヌーやシマウマが、生命を
かけて壮大な「川渡り」をすることで有名な川です。

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【マラ川を渡るヌー】マサイマラ国立保護区

とても気になる情報だったので、あちこちを調べてみました。

有名なネイチャー系雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」の
ネットニュースに、その干ばつ関連の記事を見つけました。
記事によると…

 この10年で最悪の干ばつがケニアを襲っている。
 …ケニアでは毎年3月、4月になると雨季が訪れるが、
 今年は全国的に雨が降らなかった。

 野生動物保護当局の発表によると、ライキピア高地や
 サンブル国立保護区の周辺地域では、今年だけで少なく
 とも38頭のアフリカゾウの死体が見つかっている。
 さらに南のアンボセリ国立公園では、子ゾウ30頭が命を
 落としているという。当局は、水やエサ不足による餓死か
 免疫力低下による病死を死因として挙げている。

やはり、かなり深刻な干ばつのようです。

「38頭のアフリカゾウの死体」というと、「そんなモノか」と
思われるかもしれませんが、これは「発見されたもの」の
数であり、実際にはこの何倍もの数のゾウが死んでいる
ことには間違いありません。

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【ゾウの親子】アンボセリ国立保護区

また、当然のことながらゾウ以外にも多くの動物が命を
落としているワケで、今回の大干ばつで生命を落とした
野生動物は、かなりの数になっていることでしょう。

今回のこの大干ばつが、地球温暖化の影響なのかどうか
安易に断定することはできません。地球の気候サイクルの
中では、地球温暖化が顕在かする以前から、大干ばつが
あったのも事実だからです。

ただ、問題はこの大干ばつが引き起こしている、人間と
野生動物の間の軋轢(あつれき)にあります。
同じくナショナル・ジオグラフィック誌によると、今年の
ケニアは大干ばつや、大統領選挙のゴタゴタも影響して
農作物が十分に収穫できず、

 そのような状況もあり、牛飼いたちは水場や放牧地を
 求めて国立公園や保護区に畜牛を不法侵入させている。
 マサイマラ国立保護区を上空から見下ろすと、ウシの
 群れの通り道が奥深くまで続いている様子を確認できる。
 草が食べられて土がむき出しになっているのである。

という状況のようです。

Ke07110013_37
【牛の放牧をするマサイ族】マサイマラ国立保護区

動物保護区周辺住民と野生動物との軋轢は、今回の
大干ばつに限ったことではなく、常に存在している問題で、
私自身もそうした問題に直面した経験がありますが…。

今回の大干ばつで、さらに軋轢が深まっている様子です。

年々、野生動物の数が減っているのは事実です。
私がケニアを訪れているここ10年で見ても、それを実感
しています。それは気候のせいというよりも、人間が野生
動物たちのフィールドを侵していることの方が、直接的で
大きな原因になっていると思います。

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【野生動物の生命を育む草】マサイマラ国立保護区

人間の都合で減ってしまった野生動物を、逆に保護しよう
とすると、今度は周辺住民との軋轢を生み出してしまう…
なんとも皮肉な構図ですが、その構図の狭間で、結局は
野生動物たちが翻弄されている、というのが現実でしょう。

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【草原のトピ】マサイマラ国立保護区

かといって、人間の生活を無視して「野生動物を守るべき」
と声高に言うのもナンセンスだと思います。

なぜならば、野生の王国ケニアでさえ、野生動物たちは
人間の経済活動を無視しては生きていけないからです。

動物保護区の入園料や、世界各国やNGOからの援助が
動物保護に役立っていることは事実ですし、保護区周辺に
住む人たちも、動物保護区での仕事や、動物が目当ての
観光客が来ることによって生活ができるのもまた事実です。

大切なことは、人間と野生動物が共存すること。

それは、ケニアの人々と動物だけの問題ではなく、私たち
地球人全ての問題です。たとえライオンやキリンの近くで
生活していなくても、私たちの生活、経済活動が、地球上
すべての野生動物、自然環境に影響するのですから。

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【水を飲むアミメキリン】サンブール国立保護区

私たちは野生動物たちと同じ空気を吸っています。
私たちは野生動物たちと同じ水を飲んでいるのです。

野生動物が吸う空気が汚れたとき、私たちも汚れた空気を
吸うことになります。
野生動物が飲む水が枯れ果ててしまったとき、私たちが
飲む水もまた枯れてしまうのです。

「共存していく」ということは、そういうことなのだと思います。

ケニアの今回の大干ばつは、野生動物たちだけでなく、
周辺に住む人々にとっても辛いはず。

10月からケニアは雨季に入ります。
早くまとまった雨が降り、動物にも人にも元気が戻って
くれることを、心から祈っています。

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【草原を渡るグラント シマウマ】マサイマラ国立保護区



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