サファリへ行こう

2010年4月22日 (木)

サファリへ行こう(2) ロッジ宿泊編

「サファリへ行こう」の前編では、サファリの様子をご紹介しましたが、
「ケニアへ行っているんですよ」とお話をすると、よく質問されるのは
サファリそのものの様子よりも「どんな所に泊まるのですか?」という
ことの方が、実は多かったりします。

アフリカのサバンナを旅行する…でも、いったいどこに泊まるの?
不便なことはないの?トイレは?シャワーは?食事は?

旅行でもっとも大切なことは泊まる場所ですから、心配はごもっとも。

というワケで、今回の「サファリへ行こう」は「どんな所に泊まるの?」
というご質問にお答えします。

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いったい、このサバンナのどこに泊まるの? byトピ
(マサイマラ国立保護区) 

私がサファリへ行くときの宿泊には、2つのパターンがあります。

ひとつは「キャンプ」です。そう、サバンナにテントを張るのです!
大地にテントを張って、星空の下で食事をする、サバンナの上に寝る…
これぞキャンプの醍醐味で、キャンプサファリは私のお気に入りです。

「え~っ!?そんなコトをして大丈夫なの?ライオンとかは来ないの?」
という声が聞こえてきそうですが…その詳細は「宿泊編Part2」でご紹介
することにして、今回はもうひとつの宿泊パターンである「ロッジ」の
ご紹介をすることにしましょう。

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一般的なサファリでは、ロッジに宿泊します。
(SERENA Lodge サンブール国立保護区)

「ロッジ」というと、私たち日本人は「山小屋」のようなものを想像
しますが、サバンナでのロッジは、コテージスタイルのホテルです。
もともとは、サバンナでハンティング(狩猟)が行われていた頃に、
ハンターたちが宿泊する小屋を「ロッジ」と呼んでいたようで、
サバンナでの宿泊施設を「ホテル」と呼ばずに「ロッジ」と呼ぶのは
その名残のようです。

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ロッジはコテージスタイルのホテルです。
(SERENA Lodge サンブール国立保護区)

ロッジは木立ちの中や、小高い丘の上に建てられていることが多く、
サバンナの中というよりはリゾート地の中、という雰囲気です。
もっとも、最も多い旅行者であるヨーロッパの人々にとっては、
ケニアやタンザニアは「リゾート地」のようなものですが…

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サバンナの真ん中にいることを忘れさせてしまような雰囲気です。
(MARA SOPA Lodge マサイマラ国立保護区)

ロッジはコテージスタイルの個室とセンターハウスから成っていて、
センターハウスにはレセプション、レストラン、バーラウンジ、
お土産屋さんなどがあります。

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ロッジのセンターハウスにあるラウンジ。夜はバーになります。
(MARA SOPA Lodge マサイマラ国立保護区)

気になる個室の方ですが…

コテージタイプの個室も、快適そのものです。

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部屋は決して広くはありませんが…
(MARA SOPA Lodge マサイマラ国立保護区)


シャワー、トイレはもちろん完備。ロッジによってはバスタブも
付いているし、タオルや石鹸、シャンプーまでも置いてあります。

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ロッジによってはバスタブまで付いています!
(LION HILL Lodge ナクル湖国立公園)

電気も部屋まで来ているので、デジタルカメラの充電も可能。
これはカメラマンにとっては、とってもありがたいことですが、
ほとんどのロッジが自家発電のため、朝晩の限られた時間のみ
電気が供給されているところが多く、夜でも「消灯時間」以降は
停電状態(つまり真っ暗)になるロッジもあります。

そんなところは、さすが「サバンナの真ん中」という感じですが、
ロッジではほとんど何不自由なく過ごすことができちゃうのです。

さてさて、そんなロッジですが、その形態には大きく分けると
2つのタイプがあります。

ひとつは戸建てタイプ。要するに普通のお家のようなコテージ。

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戸建てタイプのロッジ (LION HILL Lodge ナクル湖国立公園)

そして、もうひとつが「テントタイプ」です。

テントタイプは、要するにコテージの半分が戸建てタイプで、
半分がテントみたいになっているロッジ…というか、屋根の
下に大型のテントを建てたようなスタイルです。

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テントタイプのロッジ。(FIG TREE CAMP マサイマラ国立保護区)

テントとはいえ、ちゃんとベッドはついているし、シャワーも
トイレも付いていますから、戸建てタイプのロッジと設備は
変わりはありません。また、屋根の下にテントがありますから、
大雨に見舞われても、何ら問題はありません。

ただ、壁は薄いテント1枚だけなので、戸建てロッジとは、
「ダイレクト感」が違います。寝ている時に聞こえる風の音、
遠くからハイエナやカバ、時にはライオンのなき声…

野趣あふれる雰囲気を楽しむことができます。

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テントタイプのロッジの部屋。普通のロッジと変わりません。
(FIG TREE CAMP マサイマラ国立保護区)

私はこの「テントタイプ」が好きで、マサイマラ国立保護区で
ロッジに泊まる際は、いつもこのタイプを選んでいます。

さて、ロッジにも高級ロッジとスタンダードロッジがあります。
スタンダードロッジは、コテージタイプながらも戸数が多く、
大型のロッジになると50戸や、それ以上のロッジもあります。

スタンダードとはいえ設備は立派だし快適。サービスも良いし、
私にとっては「これで十分!」というレベルです。

いっぽう、高級ロッジは部屋の数が少ないのが特徴です。

高級ロッジはあまりに高額なので、私には縁がないのですが…
メルー国立公園の高級ロッジ「エルザ・コプジェ」には2度ほど、
宿泊したことがあります。

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高級ロッジは、日本の高級旅館並みの値段です!!
(ELSA'S COPJE メルー国立公園)

コテージが9棟しかない、とても静かで落ち着いたたたずまいの
素敵なロッジでした。このロッジは「部屋に壁がない!」という
オドロキのロッジなのですが…

その詳しい紹介は後日することにしましょう。

夜明け前から日没後まで、動物を追い求めてサバンナを走り回る
私にとっては、スタンダードなロッジで十分に満足なのですが、
高級ロッジには高級ロッジなりの楽しみ方があるように思います。

ガツガツとサファリをするのではなく、悠々とした時間の中で、
自分の身をサバンナに同化させる…それが高級ロッジの楽しみ方
のような気がします。

サバンナの楽しみ方は、人それぞれ。楽しみ方に合わせてロッジを
選ぶと、さらにサファリが楽しくなるでしょうね。

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こうしたラウンジで、のんびり読書するのも悪くはありません。
(エルザ・コプジェのラウンジ)

ロッジならではの楽しみには、イベントもあります。

たいていのロッジには、宿泊客を楽しませてくれるイベントがあり、
地元の人が披露してくれる歌やダンスを楽しむことができます。
またロッジによってはロッジ主催のウォーキングサファリなどもあり、
そうしたイベントに参加するのも楽しいものです。

ケニアやタンザニアなどのサファリツアーに行く場合は、こうした
ロッジに宿泊するのが一般的です。サファリに出かけるだけでなく、
ロッジで過ごす時間も存分に楽しみたいものですね。

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夜の時間をゆっくり過ごすのも、とても素敵なものです。
(SERENA Lodge サンブール国立保護区)

ちなみに…

ロッジはサバンナの真ん中にあるのですから、周辺環境への配慮も
大切なことです。周囲への影響が最小限になるように、どのロッジも
建てられていますが、日本のように高度な能力を持った排水処理の
施設があるわけでもなく、ゴミも基本的に埋め立てです。

ゴミをなるべく出さないのはもちろんのこと、備品は揃っていても、
例えばタオルは自分で持参したものを使ったり、シャワーもお湯を
出しっぱなしにしないなど、私たちも通常以上に環境への負荷を
考えながら利用したいものです…。

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2010年3月 7日 (日)

サファリへ行こう(1) サファリのいろいろ

これまで、主に「サバンナの風に聴く」シリーズの中で、ケニアで撮影した
動物や風景の写真をいくつかご紹介してきました。

そんな写真をご覧になった方から、「実際に動物を見に行く時の様子を
教えてください」というご要望をいただきました。

そういえば…私がどんな風にケニアで写真を撮っているのか、現地での
様子はご紹介していませんでした。

ということで。

ケニアへ動物を見に行くときの様子などを、これから数回に分けて
ご紹介しようと思います。

…とは思ったものの、私自身は現地で動物写真ばかり撮っているので、
現地での様子を撮った写真があまりにも少ない!

そんなワケで、この「サファリへ行こう」シリーズでは、私が主催している
ツアーにご参加いただいた皆様から提供いただいた写真も織り交ぜながら
ご紹介していこうと思います。
(コメントに(※)がある写真が、ご提供いただいた写真です)

さて、「サファリ(Safari)」という言葉をご存知でしょうか。

「サファリ」とは、ケニアをはじめとする東アフリカの国々の公用語である
スワヒリ語で「旅、旅行」という意味です。

かつて、アフリカがヨーロッパ諸国の植民地だった頃は、野生動物は
ハンティング(狩猟)の対象となっていました。その頃「サファリ」といえば
「ハンティングの対象となる動物を探すこと」を意味しましたが、現在では
「観察する動物を探すこと」を意味しています。

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【サファリカー】屋根が開くワンボックスのバンでサバンナを走ります。

ケニアでのサファリの起点は、首都ナイロビです。
フラミンゴの大群で有名なナクル湖国立公園までは、約3時間半。
キリマンジャロを背景にするアンボセリ国立公園までも、約4時間。
野生の王国マサイマラ国立保護区までは、ちょっと遠くて約6時間。
たいていの場合は、ナイロビからサファリカーで目的地へ向かいます。

ナイロビから動物保護区に向かう幹線道路は舗装が行き届いており、
途中までは快適なドライブが続きますが…

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ナイロビからしばらくは、舗装されている幹線道路を走ります
(ナイロビ郊外の幹線道路~サンブール国立保護区に向かう途中)


幹線道路から外れ、動物保護区に近付いていくと舗装が途切れて、
砂利道の悪路に一変します。

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幹線道路から外れると、サファリカーは悪路を疾走していきます。
(サンブール国立保護区へ向かう道路)


もっとも、どの動物保護区へ行くにしても悪路を走っていくのかというと
決してそんなことはなく、ナクル湖国立公園の場合は悪路は一切なく、
マサイマラ国立保護区へのルートも整備が進んでいて、悪路区間は
だいぶ短くなりました。

向かう動物保護区によっては体が左右に揺さぶられるような極悪路を
抜けることもありますが、それもまたケニアの大地を走る醍醐味です。
ちなみに、これまで私のツアーに参加された方で「車酔い」になった人は
一人もいませんでした。たぶん、ガタガタと小刻みに振動する揺れ方が
車酔いをするような揺れ方ではないのでしょう。

さて、サファリカーでの移動も4時間~6時間と長時間になるので、
移動する時間帯によっては、途中でお弁当を食べることもあります。

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サファリは、とにかくお腹が空くんです!(ナクル湖国立公園内)

そして、ナイロビから走り続けること4~6時間。
「早く野生動物たちに会いたい!」という思いを募らせながら、
ようやく野生動物保護区に到着です。

ここからが動物たちとの出会いの始まりになります。

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やっと着いた~!!(サンブール国立保護区のゲート)

いよいよサファリの始まりです。

サファリ中は、基本的にクルマから降りることはできません。
サファリカーの中から動物を観察したり、写真を撮るのが原則です。

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このようにサファリカーの屋根から頭を出して…撮影中の私です。
(ナクル湖国立公園にて(※))


「動物とは、どのくらい近くに近付くことができるのですか?」という
ご質問をよく受けます。ライオンやチーターなどの肉食獣の場合は、
動物にかなり近付くことができますが、草食動物の場合は動物との
距離を詰めると、逃げていってしまいます。

また、肉食獣の場合でも、いくら近付いても逃げないとはいえ、
あまり近付くと動物たちにストレスを与えてしまうことになるため、
厳しい動物保護区では接近距離や、動物の前にいられる時間まで
規定されている場合があり、違反すると罰金を取られてしまいます。

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食後のライオンを撮影中。このくらいの距離まで近づけます。
(マサイマラ国立保護区(※))


サファリは、あくまでも動物たちが住んでいるところへ、私たちが
「お邪魔をしている」という意識を忘れてはいけません。
私たちが傍若無人に振舞うと、動物たちが逃げていくだけでなく、
過度のストレスを与えてしまったり、動物たちが生きている環境を
崩してしまうことになりかねないのです。

さて、サファリをしていると、どうしても遠くばかりを見てしまいますが、
実はこんな光景もあったりして…

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足元にカメ!!サファリ中は、遠くばかりを見ていてはイケマセン。
(マサイマラ国立保護区(※))


以前に、私のツアーに参加された方が、サファリ中に「あっ!!」と
声を上げたので、何か動物でも見つけたのかと思ったら…

なんとその方は、地面にいた「フンコロガシ」を見つけたのです。
フンコロゴガシは体長2センチ程度の小さな昆虫…そんな昆虫を、
走っているサファリカーから見つけたなんて、スゴイ視力ですね。

保護区内では、サファリカーはどこを走っても良いということはなく、
定められた「サーキット」と呼ばれる道しか走ることができません。
中には、お客さんからのチップ欲しさに、道路から外れてサバンナを
走り回るドライバーや、それを強要するお客さんもいるようですが…

そんなことをしてしまうとサバンナは荒れてしまい、動物の生態にも
大きな影響を与えてしまいます。

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定められた道といっても、こんな場所を通過したりもします。
(メルー国立公園)


原則として、サファリは車の中からなのですが、場所によっては
サファリカーから降りることができる場合もあります。

たとえば、ナクル湖国立公園では、湖畔エリアに限ってはクルマから
降りることができ、フラミンゴやペリカンに近付いて観察や写真撮影を
することができます。

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湖畔に降りることができる、ナクル湖国立公園

また、完全にサファリカーから離れ、歩いてサファリを楽しむ
「ウォーキングサファリ」というサファリもあります。

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動物たちと同じ目線で見るサバンナは、また格別なものです。
(メルー国立公園でのウォーキングサファリ(※))


ウォーキングサファリは、もちろん熟練ガイドに同行してもらい、
肉食獣など危険な動物がいない、安全なエリアで行います。

たいていの場合は、肉食獣どころか草食動物も遠くにしか
見ることができないのですが、ガイドに植物のことや動物の足跡の
判別方法を教えてもらいながら、普段は歩くことのないサバンナを
自分の足でノンビリと歩く時間は、なかなか楽しいものです。

その他、面白いサファリといえば「バルーンサファリ」があります。
文字通り、気球に乗って空からサファリをするのですが…

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空からサバンナを眺める…まるで鳥になった気分です。
(マサイマラ国立保護区のバルーンサファリ)


気球ですから、滑空中に聞こえてくるのは風の音だけ。
まさに「鳥になった気分」で、眼下のサバンナを見下ろします。

バルーンサファリは、気流が安定している早朝に行います。
夜明け前にバルーンに乗り込み、空が明るくなる頃にテイクオフ。
空からサバンナの地平線に昇る太陽を見ることになるのですが、
その光景はまさに荘厳で、感動的です。
また、日の出だけでなく、眼下にサバンナを駆け抜ける動物たちを
眺めるのも、また素晴らしいものです。

出発が非常に朝早く、料金が高額(約4万円)なのが難点ですが、
サバンナを訪れたら、一度は体験してみたいバルーンサファリです。

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Safari Njema!! (スワヒリ語で”良い旅を”という意味)
(ナクル湖国立公園)


野生動物たちの姿を、そして彼らがいる美しい光景を探し求める、
それが「サファリ」です。そしてサファリの楽しみ方は人それぞれです。
とにかく沢山の種類の動物を見る、サバンナの風に吹かれながら
ぼーっと風景を眺める、じっくりとひとつの動物を追いかけていく…

ぜひ、アフリカのサバンナを訪れて、自分なりに「サファリ」を楽しみ、
たくさんの感動を持って帰っていただけたら、と思います。

現地での宿泊の様子などは、コチラでご案内しています!


Safari Njema

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